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2014年7月31日木曜日

ヤノネボンテンカ (Pink Pavonia)

[The text of this post is in Japanese only.]


 ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)、アオイ科、別名:パヴォニア・ハスタータ、タカサゴフヨウ(高砂芙蓉)、ミニフヨウ(ミニ芙蓉)、学名:Pavonia hastata、英名:Pink Pavonia、原産地:南米。

 昨秋、近所の家から、タカサゴフヨウと聞いて、苗を3本貰い、庭に植えたのが花をつけ始めた。2014年7月30日撮影。

2014年7月27日日曜日

T・K 君へ:パスカルの三角形の拡張のことなど (To T. K.: On the Extension of Pascal's triangle, etc.)

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わが家の庭に咲いたハマユウの花。2014年7月19日撮影。
Spider lily in my yard, July 19, 2014.

T・K 君へ:パスカルの三角形の拡張のことなど

2014年5月26日

T・K 君

前略

 早速手書きのお返事をいただき、嬉しく拝読しました。

 毎日新聞の記事について、「コメント出来る立場ではありません」とありますが、鏡像問題は「立場」などに関係なく、迷答・珍答でも聞かせて貰えばよい問題です。

 私の結婚披露宴での祝辞を「再登場させ」るとありましたが、実際に聞かせて貰ったのは、これとはかなり異なっていました。その文面は当日貰って、わが家のアルバムに貼付してあります。奥様の手で清書されたもので、今回の文よりは、かなり真面目なものに修正されています。今回のものは恐らく初案で、読み上げられたのは、奥様が大幅に添削されたものだったのでしょう(わが家へお越しの機会があれば、ご覧に入れます。あるいは、またの機会に写真に撮って送ってもよいです)。

×     ×     ×

 同封して貰った「数学を楽しむ:生徒とともに AHA 体験を」の一文は、なかなか立派な内容だと思います。先生方の研究会ででも発表されたのですか。文章表現については、指摘したい点が幾つかありますが、主なものは二つです。その一つは、「です」調と「である」調が混在していますが、どちらかに統一していたらよかったということです。もう一つは、貴君自身も文の初めに書いている通り、「試行錯誤過程の生々しさ」が表現出来ていないことです。

 例えば、「生徒 A がこれこれの試みをしたが、うまく行かなかった。私がこれこれのヒントを与えると、生徒 B がそれに沿った試みをして見通しが開けた」など、失敗も含めた過程を少し詳しく書けば、生々しさがいくらかでも伝わったかと思います(字数の制限があったのでしょうか)。

 後日、図書館の倉庫に眠っていた R. Fricke の “Lehrbuch der Algebra”(書名の最後の単語に不要な文字が一つありますよ)中に多項係数の関係式を見出したという話がつけ加えられているのが、高級感のある締めくくりになっていると思います。

 三項展開へのパスカルの三角形の拡張は、いつ頃から知られていたのだろうかと思い、インターネット検索をしてみました。歴史については分りませんでしたが、貴君の文中の図1に相当するものには、「パスカルのピラミッド」または「パスカルの四面体」の名で呼ばれていることを知りました(注 1)。ということは、パスカル自身が拡張していたのでしょうか。

 また、加藤一郎という人のウェブサイト(注 2)に、彼が高校生の頃、パスカルの三角形の拡張を考えたという話が書いてあるのを見つけました。加藤氏は貴君の生徒の一人かと思いましたが、彼は自分一人で考えたように書いています。同じことを高校時代に考えた人が貴君の生徒たち以外にもいたようです。

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 ところで、私は高 1 のとき、二項展開の係数がパスカルの三角形で求まるということを、その名を知らないままに、M 君が持っていた解析 I の問題集のようなもので知り、その方法を解析 I の時間に隣の席にいた T 君に話しました。その頃、ヨウコ先生が休まれた日があり、K 先生が代理で来て、私たち一同に何か質問がないかと尋ねられました。すると、T 君が、先生を困らせようと思ってでしょうか、(a+b) の 10 乗を展開するとどうなりますかと質問しました。K 先生はもちろんパスカルの三角形をご存じで、記号 C を使った二項係数の性質までも説明して下さいました。貴君はこの出来事を覚えていませんか。

 私が生徒の頃に楽しんだ数学の問題の一つは、中 3 のときに M 君から出題されたもので、正三角形の一辺を n 等分した長さを一辺とする正三角形を、もとの正三角形の中にぎっしり埋め込んだとき、いろいろな大きさの正三角形が全部で幾つあるか、というものでした(このような文でなく、図での出題でしたが)。M 君も答を知らなくて、二人で放課後などに黒板にいろいろな式を書き合っていましたが、コンパクトな形の正解にはたどりつけませんでした(なぜか、n が偶数と奇数の場合に分けて、それぞれに 2 組ばかりの数列を与え、その和を計算すればよいとして、出来たつもりでいました)。

 ただ、そのとき、研究する喜びとはこういうものだろうかという思いをしたことをいまでも覚えています。高 1 で習った解析 I の教科書に同じ問題があって、たしか、自然数の和とその二乗和の、習った公式を使えば、容易に奇麗な答が出たのでしたが。

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 貴君が数学などについて他にも書かれたものがありましたら、また読ませて下さい。私のこの手紙には、昨年『日本物理学会誌』の「会員の声」欄に投稿して、10 月号に掲載された文の原稿を同封します。ご笑覧の上、「コメント出来る立場ではありません」などといわないで、率直なご感想を聞かせて貰えれば幸いです。

 長い手紙になり、失礼しました。

草々

T・T

  1. "Pascal's pyramid," http://en.wikipedia.org/wiki/Pascal's_pyramid (last modified on 16 July 2014).
  2. 加藤一郎,「パスカルの三角形拡張」, http://www1.c3-net.ne.jp/kato/pascal/index.html (2002).

2014年7月18日金曜日

2014年3月分記事へのエム・ワイ君の感想 (M.Y's Comments on My Blog Posts of March 2014)

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アガパンサス。2014 年 7 月 1 日、鳳公園で撮影。
Agapanthus, taken in Ōtori Park on July 11, 2014.

2014年3月分記事へのエム・ワイ君の感想

 M・Y 君から "Ted's Coffeehouse 2" 2014 年 3 月分への感想を 2014 年 4 月 21 日付けで貰った。同君の了承を得て、ここに紹介する。(私が肩の痛みでブログを休んでいたので、掲載が大幅に遅れた。今後も、当分の間、新記事はまれにしか書かない予定である。)



1. バス旅行「愛知県美術館:印象派を越えて——点描の画家たち」
 さる 3 月 6 日、朝日旅行社催行の日帰りツアー「愛知県美術館:印象派を越えて——点描の画家たち」に妻と参加した。『点描の画家たち』展は、「分割主義」という理念に着目し、この理念の核となるスーラ、シニャック、ゴッホ、モンドリアンなどの作品を、オランダのクレラー・ミュラー美術館の協力で、相当数ずつ展示している。最初に美術館学芸員による約 10 分間の説明を聞いた。その中で、モンドリアンの絵を、「デジカメの画素数を減らして行った極限」に例えていたのが興味深かった。
と述べられ、[後日の追記]に、この記事を掲載したことを告げたツイートがクレラー・ミュラー美術館によってリツイートされたことが報じられています。クレラー・ミュラー美術館は、同美術館自体のツイートのフォロワーを増やすという熱心な公報活動の一環として、同美術館名の出てくるツイートなどを検索しているのでしょう。興味深い記事でした。

2. 堺市民会館でのクラシック・コンサート
 昨日午後、妻と堺市民会館小ホールで開催された「ヴァイオリン・チェロ・ピアノで奏でるクラシック・コンサート:室内楽・美しきロマン派時代」を聞きに行った。プログラムは次の通り。
[第1部]
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第 5 番「春」ヘ長調 op. 24
ショパン:バラード第 3 番 変イ長調 op. 47
シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 op. 70
[第2部]
ベートーヴェン:ピアノ 3 重奏曲「大公」変ロ長調 op. 97
[出演]
ピアノ 森下奈美、ヴァイオリン 寺西一巳、チェロ 日野俊介
 […中略…]堺市民会館はこの 4 月から建て替えのため、向こう 5 年間休館となり、少なくともここでは、しばらくこのような演奏会を聞けないのが残念である。「大公」は妻の好きな曲の一つで、結婚間もない頃、そのレコード(ヴァイオリン=ダヴィッド・オイストラフ、チェロ=スヴィアトスラフ・クヌーシェヴィツキー、ピアノ=レフ・オボーリン)を買い、よく聞いていたものだ。第 1 楽章の特徴ある旋律が、大阪の団地で暮らした若い時代を想起させてくれた。
 このように述べられています。近くのコンサートホールでよいコンサートを聴くことができるのは、音楽を楽しむための大きなメリットです。5 年間の休館とは残念ですが、思い出深いピアノ 3 重奏曲「大公」を聴けてよかったすね。ご結婚間もない頃よく聞かれたレコードの演奏家のヴァイオリン=ダヴィッド・オイストラフ、ピアノ=レフ・オボーリンについては、私の学生時代にこの二人の演奏したベートーヴェンのヴァイオリンソナタのレコード「クロイツェルソナタ」を本当によい演奏だと思い、何回も聴いたものです。チェロ奏者のスヴィアトスラフ・クヌーシェヴィツキーは知りませんでしたので、インターネットで検索しましたところ、なんと、筆者のこのブログそのものが現れました。クヌーシェヴィツキーに関する他のよい情報はありませんでした。貴ブログの知名度の高さに感心した次第です。

3. わが家の3月初旬の花々、3月中旬の花々、春の花々が一斉に咲くレンギョウ、ヒヤシンス、アセビローズマリー、サンシュユなど白花のジンチョウゲ、ヒュウガミズキなど堺でサクラ開花三日見ぬ間に

 筆者の庭で咲く花々やウォーキングで見た花々を、3 月初旬から中旬にかけて、さらに春の花が一斉に咲き御地でのサクラ開花までの一か月にわたって、美しい写真に撮り、計画的に連載されています。日々楽しく見ながら春が足早に訪れる様子を感じることができました。ありがとうございました。トサミスキとヒュウガミズキが見られたのは参考になりました。また御地での桜開花判断の標準木を独自に決め観察しておられることに筆者らしさを感じました。

4.「9 条にノーベル平和賞を」の署名運動に協力しよう! に関する先月の記事への補足

 1 月に本ブログに掲載された表記の件に関連して、4 月 20 日付けの朝日紙朝刊に「『9 条にノーベル平和賞を』実行委、推薦受理を報告」という記事が報道されました。要約すると、次の通りです。
戦争放棄を定めた憲法 9 条をノーベル平和賞に推薦した「憲法 9 条にノーベル平和賞を」実行委員会が 19 日、東京代々木であった環境を考えるイベント「アースデイ」で、ノルウェーのノーベル委員会から 9 日、「候補に登録された」とのメールが届いたと報告した。運動を呼びかけたメンバーらが参加。その後の記者会見では「受賞した際は誰に式に出席してほしいか」との質問を受け、発案者の神奈川県座間市の鷹巣直美さん(37)は、「日本代表として(安倍晋三)首相に喜んで行ってほしい」と答えた。
 なお 4 月 2 日の朝日紙(夕刊)に大きく、「9 条にノーベル賞を、神奈川の主婦ネットで呼びかけ、受賞者「日本国民」、委員会に推薦」との見出しで、鷹巣さんが思いつきで始めた取り組みに共感の輪が広がり、集団的自衛権の行使や改憲が議論される中、「今こそ平和憲法の大切さを世界に広めたい」との願いをこめて、ノルウェーのノーベル委員会への推薦に至った経緯が詳しく報道されています。本来ならば政府関係者が「積極的平和外交の一選択肢」として、外交努力により憲法 9 条の意義を世界に周知しなければならないことを、神奈川の主婦がよくぞ行ったことだと、勇気ある行動力に厚く敬意を表します。

2014年7月18日