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2017年8月15日火曜日

ディオプトリー (Diopter)

[The main text of this post is in Japanese only.]


ハマユウの花。わが家の庭で、2017 年 7 月 16 日撮影。
Flower of spider lily; taken on July 16, 2017 in my yard.

ディオプトリー

 私は近年、強度近視に老眼が加わり、読書用、屋内用、外出用の 3 種類の近眼鏡を使い分けていたが、白内障手術後、屋内ではほとんどメガネが不要になった。しかし、外出にはメガネがあった方がよい。そこで、さる 8 月 9 日に眼科医でメガネの処方箋を作って貰った。両眼とも "−1.75 D" とある。いままで何度もメガネを作り替えながら、度数の意味を調べたことがなかったが、インターネット検索を使うと、容易に理解出来た。

 D は、昔高校の物理で習ったディオプトリー(米語表記 diopter、独語表記 Dioptrie)という単位を表している(単位の名称を習ったということは、その意味も習ったのだろうが、覚えていなかったということになる)。その単位のつく数値は、焦点距離(メートル単位)の逆数で、マイナスは「眼前」を意味し、近視の場合にはマイナスになる(レンズの種類としては凹レンズ)。1.75 の逆数は 0.571で、 "−1.75 D" は裸眼の焦点が眼前 57.1 cm の場合に適合するレンズの度数ということである。

 看護師の最初の測定では、多分 −2.00 D だったのだ(度数は通常 0.25 刻み)。これだと白内障手術で入れて貰った眼内レンズの焦点距離 50.0 cm とよく一致する。しかし、医者は「…75…も調べてみなさい。屋内でも使えるように」というような指示を看護師にしていた("…" の部分はよく聞き取れなかった)。

 視力検査表の、最初の時より上の段までしか見えないレンズで再測定してくれたあと、看護師は「一番よく見えるので処方箋を書きましょうか」といった。私は、それでは医者の指示が活かされないように思い、「お医者さんは何とおっしゃったのですか」と看護師に尋ねた。すると彼女は、片目ずつで 1.0、0.9、0.8 の視力が出ているレンズを左右に入れたテスト用メガネを並べて、「念のため、度数の低い場合の検査もしました。片目で 0.9 でも、両目で見ると 1.0 のところまで見えるはずです。0.9 あるいは 0.8 ずつのでもよいかも知れません。どれにしますか」といった。

 そして、視力検査表の、普通は一カ所ずつ点灯するランプを、1.0 に対応する段の全てに点灯して見せてくれた。なるほど、0.9 ずつのレンズでも、両目で見ると、その段のすべての輪(「ランドルト環」というそうだ)の切れ目がほぼ見えている。そこで、0.9 ので処方箋を書いて貰った。これがちょうど、医者のいった "…75…"、いま思えば −1.75 D に対応していたのだ。私は看護師に対して、最初に「外出用のメガネを作りたい」といったので、彼女は医者の「屋内でも使えるように」という言葉を重視しないで、検査表が一番よく見えるのでよいと思ったのだろう。

 しかし、家の中でテレビを 2 メートルあまり離れたところから見る時や、自分の描いた水彩画を離れた場所から眺めて印象を確かめる時には、メガネの必要を感じている。これらの場合の対象物は、5 メートル離れて見る視力検査表よりは近くにあるので、弱めの度数のレンズでむしろよく見えるはずである(白内障手術で私が入れて貰った固定焦点の眼内レンズは、肉眼のように調節が効かない)。したがって、−2.00 D よりも −1.75 D を選んでよかったと思う。