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2004年11月30日火曜日

Google Scholar Beta (グーグル学術論文検索テスト版)

 さる 11 月 18 日にグーグル学術論文検索エンジンのテスト版がウエブに登場したことを、Nature 誌 11 月 25 日号で知った。試しに自分のフルネームで検索してみると 15 件、ファーストネームの頭文字と姓に、元所属の名称の一部を加えての検索では、70 件余のヒットがあった。しかし、後者には他の類似の著者名のものがいくらか、まぎれ込んでいる。"Hideki Yukawa" で試すと 85 件。通常のグーグル検索エンジンにあるような advanced search(検索オプション)のページがまだ用意されていないので、検索の絞り込みなどを行うのに不便であるが、いずれ備えられるのであろう[後日の注記:その後用意された]。

 アブストラクトを公開している機関が調査した当該論文の被引用件数が、論文題名のあとに表示され、そこをクリックすると、引用している論文のリストが現れる。私の学位論文(Physical Review 誌掲載)の被引用件数は 4 とある。その引用論文を見ると、Physical Review 誌掲載のもののみが集められている。各種雑誌中での引用を合わせれば、数十件あるはずである。この検索エンジンがそこまでの情報を与え得るようになるためには、Science Citation Index 誌の協力が必要であろう。

 私自身のウエブサイトにおいてある元所属研究機関・大学の論文誌中の論文や報告書の PDF ファイルまでも出てくるので、かなり膨大なデータベースが構築されていることがうかがえる。退職者が大学等の図書館へ出かけて行かなくても、自宅で文献をある程度知ることができるようになったことは喜ばしい。各出版社が近い将来、アブストラクトだけでなく、論文本体の大幅な無料公開をして、インターネットによるデータ利用に協力することが望まれる。

コメント(最初の掲載サイトから転載)

S 12/01/2004 12:53
 Google は世界に冠たる検索エンジンで、学術論文も多数掲載されていることは知っていました。引用回数や重要性を考慮してデータベースの構築を行っているようですね。しかし、まだβ版ですから、これからも進化を続けるものと期待しています。Ted さんが言及されたニュースは、米 Google、学術論文サーチエンジン「Google Scholar」ベータ版発表 にも載っています。
 学術論文を広く開放することは、学生、教育者、研究者、企業、一般人にも有益なことであり、「各出版社が近い将来、アブストラクトだけでなく、論文本体の大幅な無料公開をして、インターネットによるデータ利用に協力することが望まれる」というご意見に賛同するものです。「無料開放」に関する問題は、コンピュータの世界にもあり、個人向けコンピュータの世界ではマイクロソフトが圧倒敵なシェアを確保しています。ただし、ソースは公開されていません。ベンダー側もマイクロソフトの要求する性能を飲まざるを得ない状況が起きています。
 そこで、登場するのが、Linux です。Linux は Operation System のソースを無料で開放していますので、世界中のエンジニアが寄ってたかって、よりよいものにしようと開発が続けられており、どんどん進化しています。アメリカのコンピュータ会社 DELL は Linux をプリインストールした PC を用意しています。企業が運用する大型サーバについても、OS の軽さと、その堅牢性から、Linux を採用するところが増えており、この分野でのマイクロソフトのシェアは落ち続けています。マイクロソフトが OS の公開をすれば、最初はシェアが落ち込んでも、長い目で見れば結果的にはマイクロソフトのためにもなると考える人は多いです。
 マイクロソフトの統合ソフト Office についても、Open.Office.Org がそれに対応して同等の機能を搭載した統合ソフトをフリーでダウンロードできるようにしており、これも日々進化を遂げています。

Ted 12/01/2004 13:47
Thanks a lot for writing much about related information.

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