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2005年1月20日木曜日

学生服

 ここに引用する Sam の日記には、学生服を買いに行ったことが述べられている。私たちの高校時代、通学は学生服と決まっていた。頭は丸刈り。卒業近くになって、ようやく長髪にする準備をしたものだ。私の同じ日の日記は、翌日のものと関係が深いので、次回に両日分をまとめて掲載する。

高校時代の交換日記から。

(Sam)

1952 年 1 月 20 日()雨

 二十日正月の雑煮を昼に食べてから、母と祖母と一緒に、ぼくの学生服を買いに出かけた。まず片町の自由市場。せまい路の両側に、一坪ばかりの露天市が並んでいる。あちらから、こちらから、声がかかる。二着ほどの服を見せてくれる。算盤に一珠三つと隣に五珠一つを置いた。そのあとで、これだけにしましょうといって、五珠をはじいて一珠を三つ置いた。母が祖母に「いま、お金持っておいでんがやネ(と肯定させて)。ではまたよろしく。あとで…。」このようにして二、三の店を素見して歩いた。さも買うように思わせて、店の人にあれこれと出させ、さっと肩すかしをしてバイバイする母は、なかなかの外交官だ。尾山商店街で、最初の値を七百円値下げさせて買った。

 大和デパートのアマチュア展を見に行く。ひじょうに沢山の出品物に驚いた。人に押され押され、呆けつつ、目に入るものを見つめていた。作品と職業の間に、いかにもつながりを感じさせるものがある。

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