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2005年3月8日火曜日

おとましい / その星へ行くロケットは…

おとましい

 昨 7 日は快晴となった。風はまだ少し冷たかったが、久しぶりに大阪の気温は 13 度まで上がった。ウォーキングは、津久野方面へ足を向けた。きょうも快晴、気温はもっと高くなりそうだ。午後は病院での検査予約があり、この好天気はおとましい。

 「おとましい」とは、金沢弁で、もったいない、の意である。『広辞苑』第 1 版には、金沢での実際の用例からみてあまりぴったりしないと思われる「身分不相応な」という説明をつけて載っていたが、いま持っている第 3 版には、このことばが載っていない。ちなみに、先日テレビで、「けなるい」という古い大阪弁があり、「うらやましい」という意味だといっていた。これは金沢でも同じ意味で使う。『広辞苑』には「けなるい」を方言とすることなく、この意味を記して載っている。

その星へ行くロケットは…

高校時代の交換日記から。

(Ted)

1952 年 3 月 22 日(土)晴れ

 昨年のきょう、Sam と ME 君を招待したのだった。翌日は仮入学式。雨が降っていたようだ。翌々日は晴れていた。プールの縁に Minnie が友人たちと腰かけていた…。NK 先生に教室で習う最後の日となったのは、それからもう数日あとだった。そのとき、これまでの最低が 95 点と自負していた英語において、非公式の試験ながら、95 点満点の 48 点という破天荒な成績を取った [1]。英作文では、「窓を閉めて下さいませんか」を "Please shut the door." としたり、「私はリンカーン公園の池へ行くところです」を "I am going to the Lincoln park." と "the pond of" を抜かしたり、単語では、数学を mathematic、砂糖(このことばをつぶやきながら [2])を shugar などと書いたりしたのだ。この試験問題は、NK 先生が 1 年生の補習授業に使われたプリントの余りだったそうだが、ぼくの成績がこれではと、他の誰のも採点されなかった。

 クラブの時間、運動場でソフトボールをした。阪急もきょうは第 1 戦をするのだ、と思いながらバットを振っていたが、オリオンズにもう 1 敗したではないか。
 『千曲川のスケッチ』。描写ばかりで、躍動的、刺激的、感動的なところが少ないためか、多くの色彩と情緒が巧みに盛られている作品であるにもかかわらず、いまのぼくには気乗りのする読み物でないことを、読みながら発見した。しかし、無理に押し進めて、読み上げた。「枯々した」だの「籾」だの「蓬」だのという文字ばかりが印象に残っている。
 多くの時間を費やした。2 枚描いて、あとのは破った。粗っぽい下描きのときは、どうなるともいえないながら、どことなく、よくなりそうに思えた。何となく似ているように描けた。ひとまず成功だ。だが、何だか悲哀に満ちているようだ。Marie Sklodowska Curie … おう、夢だ。いや、理想だ。そして、その星へ行くロケットは …。こうしてはいられない。[3]

 引用時の注
  1. これに先立つ高校の仮入学式の日に英語の試験があり、私は一人、満点を取った(この満点のおかげで、高校 1 年のときの英語の I・S 先生から神童扱いされて困った)のだが、そのあと気が緩んだのか、遊び心になってしまったのか。
  2. つぶやいたのは、隣の席の KJ 君に聞かせ、彼を面白がらせるのが目的だったことと、この 2、3 日前から中学皆出席の Minnie が珍しく補習授業を休んでしまっていたことを記しておく。なぜこのことばをつぶやけば KJ 君が面白がったかは、読者のご想像にまかせよう。
  3. 写真を参考にして誰かの似顔絵を描いたことを記しているが、誰の似顔絵だったかは、これも読者のご想像にまかせよう。

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