ページ

2005年3月23日水曜日

川のほとりに兄妹のように / 春の憂うつ


川のほとりに兄妹のように

 南行きのウォーキング・コースを少しはずれた川のほとりに、緑色とオレンジ色の屋根の2軒の家が、兄妹のように寄り添って立っている。実際に兄妹の家族たちが住んでいるのかも知れない。その配色の妙に惹かれて、カメラに収めてみた(2005 年 3 月 19 日)

春の憂うつ

高校時代の交換日記から。

(Ted)

1952 年 4 月 5 日(土)晴

 昨年のきょうも今と同じように、晴れ渡った空の天心から次第に遠い部分が、思いにふけるような紫がかった色に見えるほどの好天気だったに違いない。確かにそうだった。忘れもしない、あの頬のけいれんを経験した最初の日だったではないか。
 講座決定表の記入に行って帰った午後の 4 時過ぎ、これでは …。例え自分がどのように輝かしい存在でも、それを忘れたくなるような春の自然だ。といっても、その中に抱かれて、それを身の隅ずみまで味わっているのではない。手の届かないところへひたひたと、からかうように押し寄せて戯れている。それを感じるだけである。
 Funny が二つ歌ったって? HN 君と AR 君に出会って聞かされ、驚いたのだ。彼らは天徳院の墓地の中を歩き回って、青空に背伸びしている木々の梢へ向けて空気銃を発射する遊びに余念がなかった。Sam は歌えたかい? KZ 君の頭髪がきれいに撫でつけられて光っていた。彼は昨日と同じく、『学生の哲学』を小脇にかかえていた。

コメント(最初の掲載サイトから若干編集して転載)

Y 03/23/2005 10:56
 これは本当に素敵なブログですね。冒頭の兄妹のように建つ家たちを撮影された Ted さんのひそやかな温かいご性格から次を読みたくなりますし、また日記のほうも、まず最初の一段落が素晴らしいです。「… あの頬のけいれんを経験した最初の日だったではないか。」このようにまで繊細に、自分に誠実に「空の体験」ができる高校生が、当時でも今でもどれだけいるでしょうか。皆、もっと大事にみえそうな「華やかなこと」に毎日の眼を向けすぎて、自然を自分の言葉で豊かに描写する力量も余裕もないはずです。
 第二段落も第三段落も、まるで梶井基次郎などの純文学小説のように、味わいがありますね。
 実は Ted さんが黙っておられる際の、たとえば KZ 君をみる Ted さんの描写が、私にはとても貴重に思われるのですよ。自然描写だけではありません。

Ted 03/23/2005 11:13
 いつもながら、いろいろお褒めいただき、恐縮です。実は、「頬のけいれん」は「空の体験」ではなく、「恋心の体験」だったのです。

Ted 03/23/2005 11:26
 追記:Y さんは、それに気づいた上で、「空の体験」と、カッコ付きで書かれたのでしたか。

M☆ 03/23/2005 21:58
 本当に兄弟が住んでいるのかも・・・と想像したくなるような家ですね。青い空が、なんだか心地よい風を想像させますね。もう春なんだなぁ

Ted 03/24/2005 07:49
The cold wave has come repeatedly this year, but spring will finally rule over the country with cherry blossoms.

Y 03/24/2005 08:19
 そうですか。何かの特別性は感じましたね。もちろん、「忘れもしない、…」ということで、昨年の体験とかかわらせていらっしゃるのですから。
 それでも、このような表現ができる人が、高校生どころか、どんなおとなになってもやはりそうそういるものではないと思うのです。また、物静かであってもここはやはり男性的で、女性の私に書ける文章ではないのですね。
 Ted さんはご自身の HP(ウェブサイト)について、今後このようにしていきたい、といった方向性やアイデアは何かありますか?

Ted 03/24/2005 10:05
 私の HP についてですが、あと5日足らずでアクセス・カウンターが 10 万になりそうなので、その機会に改めて、紹介や今後の抱負をブログに書く予定です。私の場合、研究所名を付けてはいても、それで商売をしているわけではないので、どんなものでも載せられるようなところがあります。しかし、公開のものである以上、アクセスする人たちにとって、できるだけ役立つもの(少なくとも何らかの意味で)でなければならないと思っています。

Y 03/24/2005 11:09
 10 万ですか、それはすごいですね。今後の抱負のブログ、楽しみにしています。HPに関するご紹介のブログでは、ぜひ一般的な方のご感想だけでなく、何でもよいので専門分野にいる方のその方の立場や観点からのご感想など、お手元にお受け取りでしたら何らかの形でご紹介いただければと思います。転載・引用でなければ、お時間なければその方がたに正式な許可を得る必要はなく、このあたりは臨床や現場の論文を書く際の鉄則・責任事項であり、上手く書くコツがあるのですが…。また追加コメントをご希望でしたらおっしゃってください。

Ted 03/24/2005 13:35
 「転載・引用でなく紹介するための上手く書くコツ」を、簡単に述べていただければ幸いです。

Y 03/24/2005 17:31
 正式な方法なので、お話していいと思うのですが。
 もちろん本名から実在する事物・場所などすべてアルファベットイニシャル(A さん)や変名日本語名表記なんですが、つまりイニシャルさえ、元の名前と無関係のイニシャルを作ってもいいんです。そして、重要な点、核となる点は貫いていいのですが、「細部」を紹介者(執筆者)が「適宜」変えて書くんです。もちろん大事な要素は失わないように、上手く自然なように。末尾に、「本文中の○○に関する内容は、細部を適宜変えて記述(紹介)してあります」といった断り書きを入れるのが、完全に鉄則を守ったやり方ですが、これは私たちの分野では基本規則なので、この断り書きは省く執筆者も多いです。もちろんプライバシー保護のためなのですが、当然のことなので、その言葉も入れる必要が実はないくらいなんです。私も今手がけている論文から、すでにこれをやっています。今後のためにも、ご参考になさって下さいね。

Y 03/24/2005 17:36
 ブログや HP での、しつこくない簡単なやり方は、「田中さん(仮名)からは、…というご感想をいただいています」という、(仮名)のほうが、イニシャル表記よりもずっと多いですね。新聞の現場・現実的社会問題に関するレポートや個人的体験をご覧になってもそうだと思います。
 専門領域どうしの論文提出レベルになればなるほど、鉄則を書く必要性が低くなるのですから、ブログや HP の場合は断り書きを自然な形で末尾に入れられるといいですね。あくまで「自然さ」や「現実感」を薄れさせることを「事実」に対してしない、というのが重要なコツなんです。

Ted 03/24/2005 20:01
 たいへん有用なお話をいただき、ありがとうございました。

M☆ 03/25/2005 10:40
Do you have time for blossoms party? (^__^) I'd love it! (だろうな;)

Ted 03/25/2005 16:55
I used to have the cherry party of our division at our workplace because there were many cherry trees there. After retirement, the members of the division invited me to the party. But at the beginning of April this year, the division will be divided and the members will belong to different divisions because of the reformation of the university. So we cannot have the usual party. It's sad!

M☆ 03/27/2005 13:39
Oh, it's a pity that you cannot have it. I hope you have a good time with your friends under those many cherry trees (^__^)/

Ted 03/27/2005 16:36
Thanks for your kind wish.

0 件のコメント:

コメントを投稿