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2005年3月5日土曜日

"Free!" と叫ぶ気はない

高校時代の交換日記から。

1952 年 3 月 17 日(月)晴れ

(Sam)

 きょうのホームルーム時の利用に対する評価は、どんなことがあっても4を下るまい。最後のホームとしては、成功したといえる。まるで自分で自分をほめているようでおかしい。しかし、とにかく、満足に値する。メンタルテストの問題はそんなに難しくないと思っていたのに、とても時間がかかった。ワーズ&ワーズをするための時間を長くすれば、さらに面白かったのではないかと思う。
 体操は篭球の簡易ゲームをする。英語では、和訳問題がなかなか難しかった。


(Ted)

 100 の穴を埋める作業をしたのだとすれば、その全部を少しの隙もなく埋め尽くしたことにはならないけれども、——はなはだ心残りもするが、——終るだけは終った。しかし、1 学期のこれが終ったときに KZ 君がいったように「すべてが終った」とか、アブウが鉄の瓶から出してやった巨人が叫んだ [1] ように "Free!" とかいう気はない [2]。
 明日、明後日が休み、それに木曜も午後の授業はないそうだ。たくさんのことが習えないままに残ってしまう。
 頭が痛い。KJ 君、HN 君、IS 君(あとの二人とは途中で一緒になった)と歩き過ぎたのだ。兼六園庭球場の上から、金沢大学の校舎を回って、その正門から出て来たりした。
 図書館の Life 誌で、スターリンの通信簿を見た。写真の中のロシア語はもちろん、下の英文説明も完全には理解できなかった。5 が最上の点を表すと書いてあった。そして、数字が、タワシでこする音を形容する副詞状に並んでいた。Sam の通信簿は、タワシの音よりもむしろ、投手がけん制をする気遣いのないときに、コーチャーがランナーに向かって叫ぶ声に近いだろう。

 引用時の注
  1. 映画『バグダッドの盗賊』の一場面。
  2. 2 年足らず先に大学入試が控えていることを考えていたのだろう。

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