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2009年12月24日木曜日

ライン河、マイン河の船旅(26) (Cruise on the Rhine and Main 26)

ネズミ塔。

 旅の9日目の11月25日午後、配布されたライン河流域の絵地図を手に、船内放送の案内を耳にしながら、船の甲板で古城渓谷めぐりを楽しむ。リューデスハイムの港を出てすぐ、左岸寄りの島に立つネズミ塔 (Binger Mäuseturm) が見える。この塔は 14世紀以来のものだが、1855年に再建されている。塔の名の由来にかかわる民話が [1] に記されている。マインツの大司教オットー2世は、飢饉の折、独占していた穀物を高価で売っていた。農民たちがこれに抗議すると、オットーは食物を配るといって彼らを空いている納屋へ集め、火を放って焼き殺した。彼が城へ帰ると、ネズミの大群に襲われ、海上の塔へ逃げたが、ネズミたちに生きながら食われて哀れな最期をとげた、という話である。

エーレンフェルス城址。

 ネズミ塔の写真を撮った7秒後には、右岸の丘の中腹に見え始めたエーレンフェルス城址 [Burg Ehrenfels (Hessen)] を撮っている(上の写真)。ここに残る城砦は厚み4.6メートル、高さ20メートルで、二つの角櫓(すみやぐら)は高さが33メートルある [2]。丘の上に古城が矢継ぎ早に見える合間にも、河辺には美しくたたずむ町の様子があり(下の2枚の写真)、カメラを構える手を休めるいとまがない。

ライン河のほとりの町 1。

ライン河のほとりの町 2。

 古城のありかを示したライン河中流域の地図(ドイツ語版)が [3] にある。いま、地図の右下を出発したばかりで、夕刻に地図の中央やや右寄りにあるコブレンツ (Koblenz) を通過するまで、中世の香りをただよわせる多くの古城を見ることになる。狭い地域に城がこれほど並んでいるのは珍しく、その理由は河を往来する船から通行税を取るために、領主たちがこぞって城を建てたためで、城はいわば税関であったという [4]。

文献

  1. "Mouse Tower", Wikipedia, the free encyclopedia (23 November 2009 at 01:09).

  2. "Burg Ehrenfels (Hessen)", Wikipedia, Die freie Enzyklopädie (4. Dezember 2009 um 19:21 Uhr).

  3. "Karte Mittelrhein", Wikipedia Commons (09:36, 3. Dez. 2009).

  4. 「ライン川」, ウィキペディア日本語版 [2009年11月18日 (水) 06:19].

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