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2011年4月12日火曜日

遅いレベル7引き上げ (Belated Raising of Alert Level to 7)

 東日本で強い余震の続く中、政府は昨11日、これまでの避難区域設定(福島第1原発から半径20キロ)の圏外にある5市町村について、「計画的避難区域」指定を発表した。また、きょう12日、同発電所の事故の国際的な基準に基づく事故の評価を、最悪のレベル7に引き上げることを決めた。

 レベル7の評価は、国際的な環境保護団体グリーンピースの核安全専門家によって、すでに3月25日になされている [1]。3月23日までに放出された放射性核の総量から導き出したものである。

 これを見ても、政府の全般的な対応の遅さが推し量られる。迅速さは、事故処理の最も重要な因子の一つである。このような遅さで、住民の安全を守りきれるのか、不安を抱くのは私一人ではあるまい。

Yesterday (April 11), amid strong aftershocks in the region of eastern Japan, the government announced the "planned evacuation" for five areas outside the initial 20-km zone of Fukushima Daiichi nuclear power plant. Today, in addition, they decided to raise the severity level of the nuclear crisis at the power plant to the highest ranking of 7.

The rating of level 7 was already made by a nuclear safety expert of an international environmental protection organization Greenpeace on March 25 [1]. This assessment is based on the analysis of the total amount of radionuclides released until March 23.

This belatedness of the Japanese government's evaluation indicates the slowness of the government's overall response. Rapidity is one of the most critical factors of the treatment of the accident. I am certainly not alone to wonder if they can well protect the safety of the residents by such slowness.


  1. "Fukushima – INES scale rating." Greenpeace International (March 25, 2011).


 後日の追記:asahi.com は、2011年4月13日10時35分付けで "「レベル7に達したのは3月15~17日」政府高官" という記事を掲載し、「3月12日から15日にかけて相次いだ水素爆発や火災が、放射性物質の大量放出の主な原因だったと判断していると見られる」と報じた。他方、「原子力安全・保安院と原子力安全委員会は、レベル引き上げが4月12日になった理由として (1) 各種データの整理・蓄積が必要だった (2) 保安院と安全委が異なる手法で試算し、付き合わせた――の2点を挙げている」ことも報じている。

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