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2011年5月28日土曜日

ミノガメ (The Turtle with a Straw Raincoat)

Abstracrt in English: A childhood friend of mine once draw a picture of a turtle with a broad, brown, wooly tail. Wondering what species of turtle it had been, I made search on the Internet today and found a picture similar to his drawing, i.e., the right side one of two pictures on a Web page of Gyochūfu (a picture book of fish and worms published in Edo period) Vol. 2. The turtle drawn there is called minogame, which means a turtle with a straw raincoat. According to Wikipedia Japanese Edition, minogame is a turtle to which green algae is attached. I have learned the identity of the turtle with a wooly tail only nearly seventy years after seeing the friend's drawing. (The main text is given only in Japanese.)

 消滅した別サイトのブログ記事を本サイトのアーカイブヘ回復させる作業を続けている。昨日回復させた記事の一つは、高校2年の初めの日記を引用したもので、そこには、七尾の小学校(当時は国民学校と呼ばれた)で隣のクラスの級長だった HZ 君が金沢の高師付属高校(のちに金沢大付高)へ通っていて、私を訪ねて来た話が記されていた。その日記への引用時の注として、小学校時代の彼の思い出を二つ書いていたが、もう一つあることに気づいた。

 運動会(いまの体育祭)か何かで頭につけるためにカメの面を作って行く宿題があったとき、私は面というものは顔の部分だけを大きく描かなければならないものと思い込んでいて、大いに困った。持っていた本を見てもそのような絵の参考になる絵や写真がなかったからである。母の入れ知恵でしぶしぶ、背側から見た略画風の全身像にしたと思う。翌日学校へ行ってみると、HZ 君は大型のカメのずいぶん立派な全身像を描いて来ていた。いまでも、その絵が微かに目に浮かぶが、ふさふさとした茶色の尾状のものがついていたようだった。

 そのようなカメは何という種類のものかと、「カメ」と「毛」をキーワードにして、いまインターネットで調べたところ、「亀毛兎角」という熟語が出た。その意味は、「この世にあり得ないもの、実在するはずがない物事のたとえ。もとは戦争の起こる兆しをいった。かめに毛が生え、うさぎに角が生える意から」と説明されている。そうすると、HZ 君の描いたカメはあり得ないことになる。

 しかし、粘ってさらに調べると、「魚蟲譜 第二巻 『(左)緑毛亀(右)緑毛亀 ミノガメ』」というウェブページが見つかった。そのページの右の絵は、後部全体から全部で4束の、ふさふさとした、こげ茶色の尾状のものが出ている。彼が描いたのはこの種のものだったのだ。『ウィキペディア』には「蓑亀」のページがあり、それによれば、ミノガメとは緑藻類が付着したカメのことで、古くからさまざまな文学作品や芸術作品に記述が見られるという。HZ 君の絵を見てから、70年近く経って、私はようやくその正体を知った。

 HZ 君と私が再会出来たきっかけも、絵に関係がある。中学3年のとき、私の絵が金賞になった水彩画展を金沢のデパートへ見に行くと、七尾の中学から出品した彼の絵も入選していたのである。彼は阪大理学部へ進み、ガラス製造で有名な A 社へ入ったと聞いたが、その後の消息を知らない。

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