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2013年10月11日金曜日

戦争する国へ進む危険と愚かさ (Danger and Stupidity of Proceeding to Heavily Armed Country)

[Te main text of this post is in Japanese only.]


マツバボタン。2013 年 9 月 28 日、ウォーキング途中で撮影。
Moss-rose Purslane. Photo was taken on my way of walking exercise on September 28, 2013.

戦争する国へ進む危険と愚かさ

 最近、ブログサイト「平和の浜辺:福泉・鳳地域『憲法9条の会』」に掲載した二つの記事に若干手を加え、以下にまとめて転載する。


死刑のおどしで戦場に駆り立てる「軍法会議」:自民党改憲案の危険

 今年4月のテレビ番組で、自民党の石破幹事長が、憲法「改正」によって国防軍が創設された場合、戦場への出動命令を拒否すれば軍法会議で「死刑」「懲役300年」などと発言した(たとえばこちらの記事)。

 この「石破発言」が、自民党「日本国憲法改正草案」(2012年4月)に明記された「軍法会議」創設(同案9条の2第5項)の危険性を如実に示すものであることを、飯島滋明・名古屋学院大学准教授(憲法学)が指摘している(文献 1)。

 飯島さんは次のように分析している。——「軍の理論」からすれば、「敵前逃亡は死刑」といったおどしで隊員を無理やりに戦場に行かせる必要があり、そのために軍法会議が必要になる。(現憲法76条は、軍法会議のような特別裁判所は設置できない、としている。)軍法会議では、「軍の利益」が優先され、個人の生命や「基本的人権」は無視されるのである。

 飯島さんはまた、テレビ番組「太田光の私が総理大臣になったら」(2006年12月)で、太田氏から「政治家は戦場に行かない」と批判されたとき、いつも饒舌な石破氏が黙ったことにふれ、こうした石破氏の態度は、敗戦までの日本の権力者と同じように無責任ではないかと問いかけている。

 最後に飯島さんは、次のように訴えている。——海外での武力行使、国民の「徴兵」や「徴用」を可能にし、権力者は戦場に行かないのに、国民が戦場に行かなければ「死刑」を科する軍法会議を設置する自民党改憲案。そして、同じような内容の「日本維新の会」や「みんなの党」の憲法改正を私たちは認めるのか。主権者として適切な判断が求められる。——

文 献
  1. 「死刑の脅しで戦場に駆り立てる:自民・石破氏の軍法会議発言」、『しんぶん赤旗』(2013年8月13日)。


はからずも「日米『2+2』ガイドライン見直しへ」のニュースが戯画になる:元兵士の重い発言で

 2013 年 10 月 3 日、NHK 午後 7 時のニュースは、「日米の外務・防衛の閣僚協議が東京で開かれ、日米防衛協力の指針、いわゆるガイドラインの見直しに着手し、来年末までに作業を終えること…などを盛り込んだ共同文書を発表し」たことを伝えた。

 このニュースの中では、「日本では、安倍政権の下で集団的自衛権の行使を認めるかどうかや、自衛隊が敵の基地を攻撃できる能力、いわゆる敵基地攻撃能力の保有を巡り議論が始まってい」ること、「こうした状況を踏まえた日米の役割分担についても意見が交わされるものとみられ」ること、などが述べられた(NHK NEWS WEB「日米『2+2』ガイドライン見直しへ」)。

 これに続いて、「先の大戦で負傷や病気をした元兵士でつくる『日本傷痍[しょうい]軍人会』が、会員の高齢化[35 万人いた会員は 5000 人に減り、残った会員も平均年齢は 92 歳]で解散することにな」ったと報じられた。

 このニュースの中では、同会が「戦時中から戦後を通じた厳しい生活の体験を基に平和の大切さを訴え続け、7年前には体験を後世に伝える史料館[ しょうけい館]が東京都内に開設され」たことや、同館には「元兵士ら 140 人の証言映像が集められてい」ることが伝えられた。

 また、これらの元兵士の 1 人で、「戦後、中国で抑留中に右目を失明したという北海道恵庭市の武田豊さん(84)は、解散式のあと、『解散するのは、日本が再び戦争をせず、新たな傷痍軍人を出さずに済んだからで、うれしい気持ちだ。…』と話してい」たことが紹介された(NHK NEWS WEB「『日本傷痍軍人会』が解散へ」)。この NHK NEWS WEB 記事には記録されていないが、武田さんは「戦争は絶対にしてはいけない」というような発言もしていた。

 後者のニュースの中の、戦争を嫌ほど体験した元兵士の重い言葉には、はからずも、前者のニュースの中の、戦争を知らない日本の政治家たちの計画の軽々しさを浮き立たせ、これを戯画化するような効果があったように思われた。「憲法9条を守り生かし、戦争は絶対にしてはいけない」の声を、もっともっと広めなければならない。

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