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2011年9月18日日曜日

2011年8月分記事へのエム・ワイ君の感想 (M.Y's Comments on the Posts of August 2011)

[In Japanese only]

 M・Y 君から "Ted's Coffeehouse 2" 2011年8月分への感想を2011年9月15日付けで貰った。同君の了承を得て、ここに紹介する。青色の文字をクリックすると、言及されている記事が別ウインドウに開く。




 7月に聖岳登頂で日本百名山全山の登頂を達成された奥様の撮影された、可憐な高山の花を加えられ、身近で見る風物や花の写真を毎日掲載され、びわこゆり園(近江妙蓮寺)と二つの美術館へのバス旅行、金沢散策、小学校同窓会、近所で大いに楽しめたウェスティ・ワンコイン・コンサートの鑑賞、展覧会に出品される水彩画の作制、外国から来日して京都に滞在中の学究一家との天神祭本宮の日の見物を兼ねた再会など、ことのほか暑かった8月にもかかわらず、元気で日々の生活を享受されている様子がリアルに描かれています。郷里や古き友との絆を大切にされる筆者の気持ちが伝わります。近江妙蓮での、筆者の伯母が、大連で大賀一郎と親交があったことまつわる不思議な縁の話などがあり、この他、仏教と神道での供養の相違に関する考察などもあり、興味深い随筆のシリーズとなっています。

1. 小学校同級会

 […]「旧金沢市立石引町小学校6年2組の同窓会に参加した。[…]A 先生を初め、女性8名、男性10名が参加した。[…]ドイツ語でクラッシックの歌を歌う合唱団に入って各国を歌い歩いているという元気な女性(旧姓 O さん)[…]のリードで皆で何か歌を歌おうということになった。私は先生のために「仰げば尊し」を提案し、それが採用になった。続いて彼女の案で「花(隅田川)」を歌ったが、[…]。各人それぞれの75~76年を生きて、皆、立派になっているという思いを抱いた夕べだった。

と書かれています。このような同窓会が今も続いていることに感銘を受けました。Oさんのドイツ語でクラシックの歌を海外で歌っていらっしゃることに関連して、今は亡きドイツのテノール歌手エルンスト・ヘフリガーさんが、83年から草津音楽祭に講師として招かれ、90年代には山田耕筰や中田喜直の日本歌曲をドイツ語で歌ったことが想起されます。その録音は後に3枚のCDになって世に出ました (1)。このCDには、「この道」、「花」、「早春賦」、「浜辺の歌」、「荒城の月」など美しい日本の歌があります。Oさんの海外公演の時に、これらを選んで歌詩を配布して歌われたら、聴衆に日本の美しさを知って貰うのによかろうかと思いました。

 日本国籍を取得することを決意し、最近来日されたドナルド・キーンさんは、「日本文学との決定的な出会いは『源氏物語』でした。ヨーロッパでの戦線が日増しに悪化する中で、タイムズ・スクウェアで安価に売られていたアーサー・ウェイリーの訳本を見つけ、なんとなく手に取ったのが、全ての始まりです」と述べています (2, 3)。20世紀初頭に彼がこの物語を翻訳したことが、源氏の世界的な認識を促すことになりました。ロンドン・タイムズが「紫式部は恐らく最初の女流作家であるとともに、最も偉大な作家の一人である」と報じました。グローバル化する中で、相手がわかる言葉で、その美しさを感じて貰うことが、益々重要になるでしょう。かつて鎌倉芸術館長であった、なかにし礼氏がベートーヴェンの合唱、シラーの「歓喜に寄す」の日本語詩版を作りました。鎌倉市は毎年、日本語で歌う「第九」合唱団員を募集し、年末に鎌倉交響楽団と演奏しています。

2. 二つの美術館へのバス旅行 1

「フェルメール 《地理学者》 とオランダ・フランドル絵画展」は、東京で私も見ましたので、興味深く拝読しました。「フェルメール・ブルー」については、最近の NHK の日曜美術館での「フェルメールからのラブレター展」の解説で、彼の最高傑作ともいわれる「手紙を読む青衣の女」の上着の同・ブルーについて、人間国宝の染織家の志村ふくみさんが、「私達の染めている藍色に非常に近い。しかも薄くなっているのは、みずあさぎ、かめのぞきに近い色。抑えた中からにじみでてくる色だ」と語っていました。


  1. テノール歌手 エルンスト・ヘフリガーさん、朝日新聞、惜別欄 (2007年4月13日).

  2. ドナルド・キーン、なぜ、今「日本国籍」を取得するか、文芸春秋、2011年8月号.

  3. 平川祐弘、アーサー・ウェイリー :『源氏物語』の翻訳者 (白水社, 2008).

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