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2013年4月23日火曜日

2013年3月分記事へのエム・ワイ君の感想 (M.Y's Comments on My Blog Posts of March 2013)

[This post is in Japanese only.]






写真は 3 月中に撮影しながら掲載する機会のなかった花々。上から、プリムラ(24 日撮影)、ハナニラ(同)、トサミズキ(26 日)、ゲンペイモモ(30 日)、
ベニバナトキワマンサク(左)とトキワマンサク(右)(31 日)。

 M・Y 君から "Ted's Coffeehouse 2" 2013 年 3 月分への感想を 2013 年 4 月 20 日付けで貰った。同君の了承を得て、ここに紹介する。



1. 鹿教湯温泉1~5

 5 回にわたる旅行記をところどころ省略して集めてみると、下記のようになっています。
 3 月 7 日に妻と長野県上田市の鹿教湯温泉を訪れ、10 日まで滞在した。[……]鹿教湯という名は、鹿に姿を変えた文殊菩薩が、信仰心の厚い猟師に温泉の場所を教えたという開湯伝説に因んでいる。南西から北東に向って伸びる温泉街の通りのほぼ正面に鹿教湯富士(1,029 m)が見える。[……]
 旅の 2 日目には、今月の毎金曜日に斎藤ホテルが催行しているバス旅行「養命酒工場見学と喬木村いちご狩り」に参加した。同ホテルのバス旅行は、昔の駕篭による旅にちなんで「斎藤駕篭屋」と名づけられている。[……]
 [養命酒駒ヶ根工場の]敷地内では、縄文・弥生時代から平安時代にかけての遺跡が発見され、縄文・弥生時代の住居を復元した場所もある。短距離ながら、4 通りの自然散策コースも設けられている。養命酒の製造工程はほとんど自動化されていて、作業している人々は少ない。[……]
 [……]「和みの湯宿 なかやま」[での昼食後、そこから]ほど近い光前寺へ自由散策。ここは杉の林の中にあり、樹齢数百年の巨木も多く、境内全域が「光前寺庭園」の名で国の名勝に指定されている。続いてバスで[……]喬木村のイチゴ農場へ。試食したイチゴの品種は「ゆめのか」、「紅(べに)ほっぺ」、「章姫(あきひめ)」。同日の夕食後はホテルでロビーコンサートを聞き、くつろいだひとときを持った。[……]
 旅の 3 日目は、[……]ホテルで貰った「鹿教湯温泉案内図」を頼りに、妻と付近の散策に出かけた。ホテルの横手へ少し行くと、内村川という細い谷川がある。そこにかかる五台橋のたもとの旧源泉地に、文殊の湯という共同浴場がある。五台橋を渡って右手へ進むと、「鹿教湯」の名にゆかりのある文殊菩薩をまつった文殊堂がある。また、左手には薬師堂がある。薬師堂の前の道を進むと紅葉橋があり、その少し先で右に曲がれば温泉街のメインストリートへ出る。このあと、われわれはメインストリートを隔てて文殊堂や薬師堂の反対側にある小山の上の月見堂や展望台を目指した。
 [……]月見堂と稲荷神社を経て展望台までの上り道は、登山が趣味の妻には散歩程度のものだが、私にとってはちょっとした登山であった。小石や落ちている小枝、松笠、ぬれているところなどを踏んで滑らないようにとの妻の注意に助けられながら到着した。[……]展望台[の]説明板には「鹿教湯温泉を眼下におさめ、四季折々、内村川、長沢川に沿った美しい田園風景が見られます。お腹の底から大きな声で叫んでみるのも一興です」とある。[……]
 温泉街へ下りて、「信州手打ちそば 辰巳屋」で、くるみそばの昼食をとる。[……]食後、内村ダムまで歩いてみようと思った。しかし、ホテルで貰った「鹿教湯温泉案内図」がその辺りについては不親切であり、たどった道が正しいかどうか分らなくて、途中で断念した。[……]——帰宅する日には少し寒くなったものの、温かい日々に恵まれたよい旅だった。
 記事中の写真とスケッチ、そしてリンクされている鹿教湯温泉周辺の案内図を見ながら読めば、付近の地形や名所などの風景がよく分り、ご夫妻が信州の山にかこまれた鄙びた温泉で、ゆったりくつろがれた様子がありありと伝わってきます。ホテルが、遠路の送迎の便宜を図り、客に滞在を楽しんで貰うようにいろいろと企画し、まち作りにもに努力している様子も感じられます。私は鹿教湯温泉を初めて知りました。インターネットで調べますと、湯治で人気がある温泉のようです。

2. 春一番
 [……]先日来、NHK BS プレミアムでジェームズ・ステュアート主演の映画を三本見た。『ハーヴェイ』(1950)、『グレン・ミラー物語』(1953)、『スミス都へ行く』(1939) である。[……]『グレン・ミラー物語』は大学 1 年のときに見て、自分もジューン・アリスン演じるヘレンのような女性と結婚したいと思ったものだ。その望みがかなったかどうかは、ご想像に任せる。きょうは妻の 77 回目の誕生日である。
 後半の文章にはユーモアを感じます。奥様の 77 回目の誕生日おめでとうございます。上述の「鹿教湯温」の展望台に登るくだりを読むと答えのヒントが得られるでしょう。

3.「花は花は花は咲く」
 [……]春になって、いろいろな花が一斉に咲き始めた。上掲の写真は、いずれもわが家やウォーキング途中で、3 月 11 日から 18 日の間に撮影したものである。[……]花々を見ていると、東日本大震災の被災地・被災者の復興を応援するために制作されたチャリティーソング「花は咲く」(作詞=岩井俊二、作曲・編曲=菅野よう子)の歌詞の一部分「花は 花は 花は咲く」が、頭の中を駆けめぐる。
 ところで、この歌詞はなぜ「花が 花が 花が咲く」ではないのだろうかと、ふと思った。古くからある歌の多くは、「何々が咲く」の形となっている。「みかんの花が咲いている」、「からたちの花が咲いたよ」、「この道はいつか来た道/ああ そうだよ/あかしやの花が咲いてる」など。昔(私自身の時代でなく、私の母か兄の時代だったか)の小学校一年生の国語の教科書には、「サイタ、サイタ、サクラガサイタ」があった。また、花ではないが、「出た出た月が」という歌もある。これらを思い合わせると、「花は咲く」は奇妙に思われたのである。
 大野晋の『日本語練習帳』(岩波新書、1999)を取り出してみると、助詞「は」と「が」の相違を説明したところに、ちょうど「花が咲いていた」と「花は咲いていた」を例文にしてある。その説明は、簡単にいえば、「が」の上には新情報が来るのに対し、「は」を使った文では「は」の下に新情報が来るということである。…中略…すなわち、「花」は「いつか生まれる君のために咲く」という新鮮な見方に基づく情報を述べている。[……]なお、2 番の最後の節は次のようになっている。
 花は 花は 花は咲く
 いつか生まれる君に
 花は 花は 花は咲く
 いつか恋する君のために
[……]「いつか恋する君のために咲く」という詩情豊かな情報が付加されている。
 筆者はこのように、「が」と「は」の用法の違いについて分りやすく説明しています。言葉の表現の繊細さをあらためて知り、大変勉強になりました。

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