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2009年11月30日月曜日

ライン河、マイン河の船旅(2) (Cruise on the Rhine and Main 2)

 旅の2日目の11月18日、午前中にはバイエルン州の州都・ミュンヘンの市で、ノイエ・ピナコテーク(新絵画館)とマリエン広場を見学し、午後、バスでセレナーデ号への乗船地・パッサウへ向かう。

 ノイエ・ピナコテークは、18世紀半ばから20世紀の作品約5千点を収集しており、特にドイツ・ロマン派やナザレ派などのドイツ近代絵画、さらにモネ、セザンヌ、ルノワール、ゴーギャンなど印象派の作品が充実している [1]。私たちは現地ガイドのエツコ・ニーチェさんの詳しい案内で、グスタフ・クリムトの『マルガレーテ・ストンボロー=ウィトゲンシュタイン』(1905年)、フィンセント・ファン・ゴッホの『ひまわり』(1888年)のほか、印象派の作品を多く見た(写真参照;館内は撮影自由であった)。

ノイエ・ピナコテークでセザンヌの『自画像』の説明をする
現地ガイドのエツコさん。

 マリエン広場にある新市庁舎には、ドイツ最大の仕掛け時計がついており、11時と12時に(夏季には17時にも)ほぼ人間の大きさの人形32体が現れ、鐘の音とあわせて昔の結婚式の様子を再現している [2]。私たちはエツコさんの説明を聞いたあと、しばらく待って12時の鐘の音を聞き、5分ほど遅れて人形が出て来るのを見た。人形の出る場所の上に金色のニワトリがついており、最後にひと鳴きした(写真参照)。添乗員さんたちによる「旅日記」には「きょうはいい声でニワトリが鳴きましたね」とあるが、私には男性がしわがれ声で叫んだように聞こえた。

マリエン広場に立つ新市庁舎。

新市庁舎の仕掛け時計に現れた人形。

文献

  1. 「ノイエ・ピナコテーク」, ウィキペディア日本語版 [2009年8月31日 (月) 23:47].

  2. 「ミュンヘン」, ibid. [2009年11月25日 (水) 19:14].

2009年11月29日日曜日

ライン河、マイン河の船旅(1) (Cruise on the Rhine and Main 1)

旅のコース(ニッコウトラベル社の旅行説明書面から引用)。

 さる11月17日から、ニッコウトラベル社(以下、NT社と記す)の催行による「古城渓谷と中世古都巡り:ライン河、マイン河の船旅」(12日間)に妻と参加した。私たちは関西空港のホテルで前泊して出発したので、合計13日間の旅であった。

 成田空港出発のグループ、1日先に出発してノイシュバンシュタイン城を訪れるコース(上掲の地図で「D2コース」)をとったグループ、下船後にアムステルダムやブリュッセルを訪れるコース(同上の「D3コース」)をたどるグループも船のコース(同上、「D1コース」の点線部分)では一緒になり、70余名が乗り合わせた。私たちのとった「D1コース」の全体は、点線部分の前に、ミュンヘン市内の観光とパッサウまでのバス移動が加わる(同上の赤線と平行している黒線部分)。

 船はNT社が建造したオランダ船籍の「セレナーデ II 号」(2007年就航)で、1,700トン、乗客定員136名、全長110メートル、全幅11.4メートルという仕様である(写真は旅行中に撮影したものをいずれ掲載の予定)。

 関西空港で搭乗したのはルフトハンザドイツ航空の741便(11:00 発)で、15:30(現地時間)にフランクフルト空港に到着。同空港の広い建物内をたくさん歩いて、ルフトハンザドイツ航空の978便に乗り、18:10 にミュンヘン空港到着。バスでマリオットホテルへ。

マリオットホテルから見たミュンヘンの朝、2009年11月18日。

2009年11月17日火曜日

笠池公園の秋色 (Autumn Tints in Kasaike Park)

 近くの笠池公園の東と北の周囲には桜並木があり、いまその木々の葉が紅葉の盛りである。写真は2009年11月12日に撮影。




 都合により、本ブログの更新は11月28日まで休む。

2009年11月16日月曜日

コギク (Hardy Garden Mum)

 コギク(小菊): 学名 Chrysanthemum morifolium (=Dendranthema morifolium)、キク科キク属の多年草。山野に咲くノギク(野菊)を交配させて様々な栽培菊が生み出されており、これらがコギク(小菊)またはイエギク(家菊)と呼ばれる。日本で改良された園芸品種の総称である。他方、ヨーロッパに渡って改良されたものはスプレー菊と呼ばれている。草丈は40~60センチくらい、開花時期は10、11月、花径は1~3センチくらい(以上 [1] を参考にした)。
 花言葉は「真実」「元気」[2]。

 写真は2009年11月12日、堺市・中の池公園で。

文献

  1. 「小菊(コギク)」, 花図鑑.

  2. 「コギク」, 花言葉・Floword.




 最近、自費出版書を初めて作ったばかりだが、引き続いて次巻の編集に取りかかっている。私は小学校6年生から中学1年生の頃、自分で雑誌風のものを作って遊ぶことが好きだった。いま本作りを楽しんでいるのは、その頃の気持ちへ逆戻りしたのかも知れない。先日記したようにホームページ作りに凝るのも、似たようなものである。先般、絵の展覧会に出品していた元同僚 F 氏も、子どもの頃に秋田県の田舎で見た天の川を、いまは街の光で見えなくなった夜空に上等の望遠鏡を向けて、また見たいと思っていると話していた。

 彼のその思いを聞いて帰った日に読んだ加藤周一の『高原好日』のページに、加藤が夢で一茶と語り合う話があった。その中に偶然にも、「いや、昔はよく見えた富士山もめったに見えなくなりましたね。夜は天の川も見えない。何かが見えるようになったのではなく、昔見えたものが見えなくなったのが、様変わりではないですか」という言葉が出て来た。

2009年11月15日日曜日

映画『沈まぬ太陽』 (The Film "Shizumanu Taiyō")

 昨日、山崎豊子の "事実を小説的に再構築したフィクション小説"『沈まぬ太陽』(1999年)をもとにした同名の映画を見た。国民航空社員で同社の労働組合委員長を務めた主人公、恩地元(渡辺謙が演じる)が受けたカラチ、テヘラン、ナイロビへの不条理な配置転換を中心に、大航空会社の安全軽視、事故遺族への冷淡さ、そして経営陣の政治との癒着と腐敗などを描き出した3時間22分の大作である。

 恩地の自己の信念をまげない生き方には心を強く打つものがある。日本航空元社員・小倉寛太郎(1930−2002)がモデルになっているという。小倉の「私の歩んできた道:駒場からナイロビまで」と題する、1999年の東大駒場祭での講演記録をウェブサイト [1] で読むことができる。

 この映画に対して日本航空は、社内報の中で「『フィクション』と断っているが、日航や役員・社員を連想させ、日航と個人のイメージを傷つける」「作り話で商業的利益を得ようとする行為は遺族への配慮が欠けている」と批判し、法的な訴えも辞さない姿勢を見せているという [2]。この作品から謙虚に学んで、安全重視、人命尊重の経営へ転換することこそが重要であろう。

文献

  1. 「民青同盟東大駒場班 1999年駒場祭講演会」.

  2. 「沈まぬ太陽」, ウィキペディア日本語版 [2009年11月10日 (火) 14:45].

2009年11月14日土曜日

わが家の秋色 (Autumn Tints in Our Yard)

 庭に二本あるハナミズキの木が、いま紅葉を見せている。白い花の咲く背の低い方の紅色がより美しい(写真)。イロハモミジはまだ、ほとんど色づいていない。



 私の仮想研究所の英文第2ウェブサイトを置いていたアメリカの Yahoo!Geocities がさる10月26日、突然サービスを停止した。そこで、別の会社の無料ウェブホスティング・サービスを利用することにして、ハードディスク上の控えから、2週間あまりを費やしてデータを送り込んだ [1]。

 最近提供されているサービスは、空白地のところに書き込むのでなく、何種類かの枠デザインの中から好きなものを選んで、その中へデータを入れる形式のものである。新しくウェブサイトを作るには便利であろうが、既成のものを復活させる目的では、スタイルの多少の変更を余儀なくさせられ、やや面倒である。

  1. IDEA & ISAAC 2.

2009年11月13日金曜日

イチョウの秋色 (Autumn Tints of Ginkgo)

 イチョウ(銀杏、公孫樹): 学名 Ginkgo biloba、裸子植物の一種。裸子植物門イチョウ綱の中で唯一の現存している種である。中国原産の落葉高木。高さは20~30m。色づいた時の美しさから、街路樹(銀杏並木)として、植えられているところも多い(以上 [1] から抜粋)。
 花言葉は「鎮魂」「長寿」「しとやか」[2]。

 写真は2009年11月3日、近くの小学校脇で。

文献

  1. 「イチョウ」, ウィキペディア日本語版 [2009年11月12日 (木) 11:52].

  2. 「イチョウ」, 花言葉事典.

2009年11月12日木曜日

サザンカ (Christmas Camellia)

 サザンカ(山茶花): 学名 Camellia sasanqua、ツバキ科の常緑広葉樹。秋の終わりから、冬にかけての寒い時期に、花を咲かせる。野生の個体の花の色は部分的に淡い桃色を交えた白であるのに対し、植栽される園芸品種の花の色は赤から白までさまざまである。漢字表記の山茶花は中国語でツバキ類一般を指す山茶に由来し、サザンカの名は山茶花の本来の読みである「サンサカ」が訛ったものといわれる(以上 [1] から抜粋)。
 花言葉は「困難に打ち勝つ」「ひたむきさ」(白)「愛嬌」「理想の恋」(桃・赤)「理性」「謙遜」[2]。

 写真は2009年11月3日、わが家の庭で。

文献

  1. 「サザンカ」, ウィキペディア日本語版 [2009年8月22日 (土) 12:29].

  2. 「サザンカ」, 花言葉事典.

2009年11月11日水曜日

ピアノ・リサイタル (Piano Recital)

 昨10日の19時から、ウェスティホール(堺市立西文化会館)で「ショパンの秋」と題して、スタニスラフ・ジェヴィツキのピアノ・リサイタルがあり、聞きに行った。

 ジェヴィツキは1987年にモスクワに生まれた。母はショパン国際コンクールで第2位となり、名うての「ショパン弾き」といわれた、ロシアのタチアナ・シェバノワ。父はポーランドのピアニストとして、また指揮者として活躍しているヤロスラフ・ジェヴィツキ。幼少時に親元を離れてピアノの研鑽を積み、わずか5歳でリサイタル・デビューした。2003年1月にニューヨーク・カーネギーホールで、同年11月に初来日リサイタルを開き絶賛された。21世紀ピアノ界の新星として注目の存在という。

 プログラムは「幻想即興曲」「バラード第1番」「英雄ポロネーズ」という名曲を中心に、練習曲、ワルツ、エコセーズなどの小佳品が散りばめられ、聞きやすく組み立てられていた。

 「幻想即興曲」は、大学生時代の初めまでピアノを習っていた長女がよく練習していた曲で、彼女自身の結婚式でも演奏したものである。そういう曲を聞いていると、当時のわが家の様子などがいろいろ思い出されたりするのは、不思議でもあり、面白いことでもある。

 雨の中を徒歩で会場へ行くことになったので、ぬれて傷んでもよいようにと、最近ほとんど使っていなかった古い革靴を引っ張り出して履いて行った。少し歩いたところで、靴のカカトがなくなったような感触になったが、雨水がしみ込んだせいだろうと思っていた。ところが、会場へ着いて足もとを見て驚いた。左足の靴底が1センチほども外側へ向けて、ずれてしまっていたのである。帰路の途中で、とうとう左足の靴底は、歩くたびにぺらんぺらんと、はためくまでになった。帰宅後、靴を脱いでひっくり返してみると、両足ともカカトはとっくになく、側面と底の接着が大部分外れて、水が侵入し放題の状態だった。芸術の宵に、とんだ災難であった。

2009年11月10日火曜日

ナンテンの実 (Fruits of Heavenly Bamboo)

 ナンテン(南天): 学名Nandina domestica、メギ科の常緑低木。中国原産。日本では西日本、四国、九州に自生しているが、古くに渡来した栽培種が野生化したものだとされている。先端の葉の間から、花序を上に伸ばし、初夏に白い花が咲き、晩秋から初冬にかけて赤色(まれに白色)の小球形の果実をつける。(以上 [1] による)。

 花言葉は機知に富む」「福をなす」「良い家庭」[2]。

 写真はナンテンの実。2009年11月3日、ウォーキング途中で撮影。

文献

  1. 「ナンテン」, ウィキペディア日本語版 [2009年10月28日 (水) 11:49].

  2. 「ナンテン」, 花言葉事典.

2009年11月9日月曜日

益川氏の勘違い (Maskawa's Wrong Guess)

 さる4日づけの私の記事に益川敏英氏の講演要旨を引用した。その中に、湯川秀樹が中間子第1論文中で符号の誤りをおかしたことに対して、湯川が坂田昌一と共著した第2論文では気づいて訂正したとして、次のように述べたところがあった。

 「間違えました。ごめんなさい」ではなく、「前のこの何行目の文章は、こう読まれるべきである」という表現になっています。実はこういった表現方法は、我々の分野の論文の特徴の一つでもあるのです。

しかし実際には、第2論文中に上記の表現での訂正文はない。

 私はこの点について、「第2論文では結果の相違を客観的に述べただけで、解決は先送りした」旨の解説を記した。これに対し、その記事のコメント欄で「議論の先送りを訂正といえることは、この分野ではよくあるのか」との質問があった。私は「論文の発表時点で間違いだと分かるような単純な間違いであれば、論文掲載誌に正誤表を掲載して貰うのが普通だが、湯川の間違いは、当時としてはそれほど容易に分かる間違いではなかった。第1と第2論文の間で符号が一致しないという問題を見つけて、それを記したことは、いまから見て一種の訂正になる(かなり特殊な場合である)」旨の答えをした。

 このとき「正誤表」にふれたことが、私に益川氏の説明の一つの不思議な点をふと理解させてくれた。「前のこの何行目の文章は、こう読まれるべきである」とは、英語の出版物に対する一般的な正誤表の上欄にある言葉の、いささか間違った(英語嫌いの益川氏らしい)和訳なのである。正誤表には、まずページと行を書き、ついで間違っていた表現(「誤」)と訂正表現(「正」)を記す。「誤」に相当する英語表現は "Now reads" であり、「正」に相当する英語表現は "Should read" である。この場合の "read" は「読む」という意味の他動詞ではなく、「〈文章が〉(…と)なっている、書いてある」という意味の自動詞である。

 ところが、益川氏は "read" を多くの場合にそうである「読む」という他動詞と見て、 "Should read" を "Should be read" のように解釈し、読者の側に責任を半ば押しつけるような冷たい訂正の仕方であり、日本の新聞などで見る「訂正し、おわびします」にくらべて、いかにもそっけなく、理論物理学専門誌ないしは自然科学方面の専門誌に特有の表現だと思ったようである。そこで氏は、もしも湯川が訂正文を書いたとすれば、そういう表現になっているはずだという「推測」を述べ、「こういった表現方法は、我々の分野の論文の特徴の一つでもあるのです」とつけ加えたのであろう。

2009年11月8日日曜日

松井秀喜が MVP (Hideki Matsui Won MVP)

 [概要]米大リーグのワールドシリーズで、ヤンキースの27回目の優勝に貢献した松井秀喜選手(35歳)が MVP に輝いた。彼のこの最も幸福な瞬間は、かつて甲子園で一試合五個の敬遠四球に見舞われながらも、泰然として一塁へ歩いたような心の広さと、たゆまない努力によってもたらされたものに違いない。本文(英文)へ

2009年11月7日土曜日

エム・ジュニア (M Junior)

 私の大親友の一人だった M 君は、1997年に他界した。クラスが隣同士だった中学3年生のときに親しくなり、高校は別になったが、高校の3年間には日記の交換を続けた(その大半をブログ "Ted's Coffeehouse" に掲載したが、プロバイダーの障害によりアクセス出来なくなっている)。彼がしっかりした文字で書き、文学的香りも漂っていた文章からは、学ぶところが多かった。

 私が最近まとめた自費出版書 "Passage through Spacetime" の巻末に収めた短編小説 "Vicky" には、Sam という名が出て来る。そのモデルは M 君であり、小説の冒頭には彼への献辞が記してある。そこで、先月その本を一冊 M 夫人へ送ったところ、アメリカ在住の息子さんが来月帰国する折に読んで貰う旨を記した礼状が届いていた。

 さる4日、その息子さん、 M Junior との面会が実現した。彼は在米すでに約10年、目下、南西部のある大学でナノテクノロジー関係の研究をしている学者である。 M Senior からは、M Junior が乳母車に乗っている赤ちゃん時代の写真を1枚貰っていただけだった。M Junior から当日の朝届いたメールには、昨年のクリスマスに家族で撮った写真を添付するとあったが、添付し忘れで、予め彼の顔を知ることは出来なかった。

 面会の場所は JR 新大阪駅、時間は18時10分。会ってみると、M Junior は父親に似て背が高く、元気な壮年(45歳)だった。顔は、私の高校の1年後輩である母親のほうに似ていて、話し好きである点も母親似かも知れない。かつて M Senior と私が二人で話していたときには、ふと話が途切れて、互いにしばらく沈黙していることもあったが(寡黙さからというより、われわれがどちらも、ありきたりの世間話をすることをいさぎよしとしなかったせいでもある)、M Junior とならば、その心配がない。

 M Junior と食事をしながらの1時間20分間には、主に M Senior の思い出を話しあった。M Senior は、家庭の事情のため高卒で JTB に就職したのだが、晩年には東京の大学で旅行業務関係の科目の非常勤講師をしていた。その前に通信教育で大卒の資格を取っていたとは、M Junior に聞いて初めて知った。私は M Senior が就職した当時、大学へ進学しなかったことをたいへん残念に思いながらも、日本の実社会にはまことに優秀な高卒の人もいるということをむしろ誇るべきだという理屈を考えて、残念さを慰めていた。しかし、その彼が、年をとっても向学心を捨てないで大学を卒業していたことに、改めて敬服の念を抱いている。

 M Junior は最近、もう故人となった中学同窓生もいることを聞き、出会いの機会を大切にしたいと思うようになったとのことである。それで、翌日に東京での国際学会に参加して、すぐにアメリカへ帰るという忙しい中にもかからわず、会ってくれたのだった。

2009年11月6日金曜日

柿 (Persimmon)

 カキノキ(柿の木): 学名 Diospyros kaki、カキノキ科の落葉樹。東アジアの固有種で、特に長江流域に自生している。雌雄同株で、5月ごろに白黄色の地味な花をつける。果実は柿(かき)と呼ばれ、秋に橙色に熟す。

 日本から1789年にヨーロッパへ、1870年に北アメリカへ伝わったことから、学名にも kaki の名が使われている。英語で柿を表す "Persimmon" の語源はアメリカ合衆国東部の先住民であるアルゴンキン語族の言葉で「干し果物」を意味する名詞「ペッサミン」であり、先住民がアメリカガキ (Diospyros virginiana L.) の実を干して保存食としていた事実に基づく。

 「柿」・「熟柿」・「木守柿」は秋の季語である。なおこの木守柿とはカキノキになった柿の実をすべて収穫せず、木になったまま残しておく数個の柿の実のこと。「こもりがき」、「きもりがき」、「こまもりがき」、「きまもりがき」と読む。この風習は来年の豊作への祈願であるとも、野鳥のために残しておくともいわれる。(以上 [1] による)。

 花言葉は「慈愛」「自然美」「美しい自然の中に私を埋めよ」「広大な自然の中で私を永遠に眠らせて」[2]。

 『ウィキペディア』の「カキノキ」の項 [1] は、柿の成る季節となって見直されたばかりのようで、昨日の日付がある。写真は2009年11月3日、堺市・鈴の宮公園の近くで。

文献

  1. 「カキノキ」, ウィキペディア日本語版 [2009年11月5日 (木) 11:37].

  2. 「カキ」, 花言葉・Floword.

2009年11月5日木曜日

サクラの紅葉 (Cherry Leaves Turning Red)

 堺市・鈴の宮公園のサクラの紅葉。さる11月3日には、赤みがかっている葉の割合は、進んでいる木でも、まだ5割程度で、平均3割というところだった。

2009年11月4日水曜日

益川講演要旨への補筆 (Additional Words to Maskawa's Lecture)

 『學士會報』(同誌は最近このような難しい漢字表記に戻っている)No. 879(2009年11月号)に、益川敏英氏が7月10日に学士会館夕食会で行った講演「七〇年代の素粒子物理学――混沌から収束へ――」の要旨が掲載されている。そこでは、湯川の中間子第一論文中の符号の間違いについて次のように述べられている。

 ただこの論文の中の計算式には、私が大学院生の時にその原文を初めて見た瞬間、「あっ、ここ間違えている」と思ったくらいの大きな誤りがあります。ハイゼンベルグ[原文のまま]やパウリが作ったばかりの量子場の理論をそのまま式に適用しているため、特殊相対性理論によって計算を行うと、時間と空間を一つのまとまりと考えるローレンツメトリック(四次元時空)にマイナスの符号がつくことから、ベクトル型の交換力では斥力になってしまうのです。この誤りは、私の恩師である坂田昌一先生と共著で発表した第二論文の中では訂正されていますが、どのような形でなおされているかというと、「間違えました。ごめんなさい」ではなく、「前のこの何行目の文章は、こう読まれるべきである」という表現になっています。実はこういった表現方法は、我々の分野の論文の特徴の一つでもあるのです。

益川氏のこの説明では、間違いの性質や原因が分かり難いと思う。湯川論文の筋道を踏まえて分かりやすくいえば、次のようになるだろう。

 湯川はハイゼンベルクやパウリが作った量子場の理論においてベクトル型の交換力に相当するものを仮定しながらも、特殊相対性理論による計算をしなかったので、その仮定では必然的に斥力になることに気づきませんでした。そして、重陽子の基底状態のスピンについての考察に頼って、ベクトル型の交換力としては、たまたま正しいけれども、問題の性質からは間違っている斥力の符号を選んでしまったのです。

 また、第二論文の中での「訂正」についての益川氏の表現も不正確である。実は、第二論文に「訂正」はしてなくて、次のように書かれている。

 非相対論的近似では (17) 式[得られた核力ポテンシャルの表現]は、符号を別として、第一論文の結果と同じになる。第一論文の結果と完全に一致させるには、H-bar_U [相互作用のハミルトニアン]の符合を変えなければならない。しかし、そうするとU場が負エネルギーになるという困難が生じる。スカラーでないU場を導入してこの欠陥を取り除けるかどうかは、第三論文で議論する。

上記の表現を分かりやすく紹介するならば、次のようになるだろう。

 「第二論文でスカラー場を仮定して場の量子論に従って計算したところ、第一論文の結果とは符号が異なる結果となった。この相違については、さらに次の論文で検討する」旨を記して、結果の相違を客観的に述べただけで、解決は先送りしました。

これを一種の「訂正」であると、いえなくもないが…。

 (2009年11月3日づけ「湯川秀樹を研究市民の会」会員宛の私のメールによる。引用文中の[ ]は私の注。)

2009年11月3日火曜日

返り咲き (Blooming Out of Season)

 今年、アカバナトキワマンサクの「戻り咲き」の写真を撮ったのは、9月18日のことだった。さる10月31日に、しばらくぶりで鳳公園へ行った折には、白花のトキワマンサクも戻り咲きしていた(上の写真)。

 戻り咲きは、「狂い咲き」のほかに、「返り咲き」「二度咲き」ともいうようだ。「返り咲き」は、スポーツなどでの首位奪還についてもよく使われる。

 この記事の英語題名も、「戻り咲き」の記事に使った "Unseasonable Flowering" から "Blooming Out of Season" に変えた。「二度咲き」に相当する英語は reblooming; second blooming; a second flush (of roses) [1]。

文献

  1. 新英和中辞典, 第7版 (研究社, 2003).

2009年11月2日月曜日

憲法9条を守る集会 (Meeting for Article 9)

不破さん? いや、開会挨拶を述べる実行委員長(T.U. 氏撮影)

 先にお知らせした堺市西区ウエスティホールでの集会「守り広げよう憲法9条」 が昨日開催され、500人収容の会場に約300人が集り、まずまずの成功だった。以下に集会実行委員長(不肖私)の開会の挨拶(制限時間2分)を掲載する。中で使用したオバマ大統領の得意の言葉 "Yes, we can!" は、集会の「まとめと行動提起」を述べた S 氏の原稿にも準備されていたので苦笑させられたが、開会挨拶の内容自体が行動提起的であった。(集会各場面の写真はこちら。)




 皆さん、きょうは大勢お集りいただき、ありがとうございます。お配りしましたプログラムの表紙にあります「ピース! ぴーす! PEACE! サインはピース!!」の「合言葉」のもとに集まった皆さんの中には、「戦争が好き」という方は一人もいらっしゃらないでしょう。

 戦争は人間同士が殺し合いをする野蛮な行為であり、素晴らしい芸術や科学を生み出している人類の英知には、全く似つかわしくないものです。いまも地球上には、小さな戦争が絶えてはいませんが、オバマ大統領の核兵器廃絶に向けたプラハ演説をきっかけに、平和への努力をする機運が世界で高まっています。そういう状況の中で、憲法9条を変えて日本を海外で戦争の出来る国にするとすれば、それはいかにも愚かなことです。

 昨年のノーベル物理学賞受賞者の一人の益川敏英さんは、「私はただ戦争が嫌いなだけです」と、理屈抜きで述べて、憲法9条を変えることへの強い反対が起こることを信じておられます。私たちは、益川さんのこの期待に積極的に応えて、日本の大多数の人々を、憲法9条を守る仲間に引き込み、そして憲法9条を世界に輝かせるよう、努めようではありませんか。

 そんな難しいことは自分には出来ない、と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、オバマ大統領の好きな言葉、"Yes, we can!" にならいましょう。私たちの近くに「戦争は嫌い」という気持ちを眠らせている人びとがあれば、その気持ちに目覚めて貰い、その気持ちを大切にするには何が必要かを考えて貰い、日本中を次第にこの会場の私たちようにして行けばよいのです。きょうの集会が、私たち自身のそうした努力への思いを強めるのに役立てば幸いです。

2009年11月1日日曜日

ツワブキ (Leopard Plant)

 ツワブキ(石蕗、艶蕗): 学名 Farfugium japonicum、シノニム Farfugium tussilagineumLigularia tussilaginea)、キク科ツワブキ属の多年草。イシブキ、ツワともいう。ツワブキの名は、艶葉蕗(つやばぶき)、つまり「艶のある葉のフキ」から転じたと考えられている(以上 [1] から抜粋)。
 花言葉は「謙譲」「困難に傷つけられない」[2]。

 さる10月27、28の両日、金沢へ親戚の葬儀に出かけたとき、斎場の庭にツワブキが二輪ばかり咲いているのを見て、もうそんな季節かと思った。堺へ戻ってから、31日に、しばらく足を向けなかった鳳公園へ行くと、ツワブキが満開であった。

文献

  1. 「ツワブキ」, ウィキペディア日本語版 [2009年10月5日 (月) 02:37].

  2. 「ツワブキ」, 花言葉事典.