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2018年8月5日日曜日

2018 年 2 月 10 日〜7 月 18 日分記事への M・Y 君の感想 3 (M.Y's Comments on My Blog Posts from February 10 to July 18, 2018 -3-)

[The main text of this post is in Japanese only.]


わが家の庭で夏の花たちの共演、その 2。2018 年 8 月 2 日撮影。
Co-starring of summer flowers in my yard (2); taken on August 2, 2018.

2018 年 2 月 10 日〜7 月 18 日分記事への M・Y 君の感想 3

7.「花鳥風月」ではなくて「九条」:故・加藤周一氏の言葉(7月4日)

 「九条の会」発足当時の 9 名の呼びかけ人の 1 人で、その会で中心的な役割を果たした加藤周一さんの没後 5 周年に記念出版された『加藤周一最終講義』(かもがわ出版、2013 年)を、筆者がそろそろ処分しようかと書棚から取り出したところ、1 カ所にポストイットを添付してあることに気づきました。
 そこには、加藤さんが「九条の会」にかかわった理由が次のように述べられている。
前の戦争のとき、[...]どうして止められなかったのか。[...]はたして東京は焼け野原になった。もういっぺん焼け野原になるのを黙って待っているのですか。あるいは、できるだけの力をふるって、また戦争できるように日本の経済と制度を変えていこうという動きに対抗しようとするのか。それ[引用者注:対抗しようとする運動]が「九条の会」です。[...]書くだけではなくて、もう一歩踏みだした組織に初めてコミットしました。
 そして、昨今の「いよいよ憲法九条を変えて、軍備を大々的に強めようという考え方が前面に出て来て」いる情勢を憂えた老・加藤さんは、次のように力強く宣言している。
私はいま、少なくとも歩行できる程度の力が残っていれば、呼応したいと思います。私は時々新聞に書きますから、書く時は「花鳥風月」ではなくて、「九条」に触れる。そこには一種の倫理的な意味があると思います。
と、筆者は加藤さんの「九条」を守る強い意志を引用し、
安倍9条改憲への指向が、2005 年当時よりもさらに前のめりになっている現在、私たちにも、いまは「花鳥風月」ではなくて「九条」、の心構えが必要であろう。
と警告しています。

8. G・オーウェルの「絞首刑」など(7月7日)

 オウムの死刑囚 7 名が処刑されたというニュースが流れた翌日、筆者は十数年前に買った本の中で、たまたま、G・オーウェルの「絞首刑」を読みました。そこには、処刑される囚人を絞首台へ連れて行くのに立ち会った「わたし」が、その囚人が「途中の水たまりを軽く脇へよけた」のを見て、「まだ盛りにある一つの生命を絶つことの深い意味、言葉では言いつくせない誤りに気がついた」とありました。このことから、『今回の 7 名の処刑について、EU 加盟 28 カ国とアイスランド、ノルウェー、スイスが、「被害者やその家族には心から同情し、テロは厳しく非難するが、いかなる状況でも死刑執行には強く反対する。死刑は非人道的、残酷で犯罪の抑止効果もない」という共同声明を発表したそうだ。人が人を殺すことの肯定は、戦争の肯定につながる。わが国も死刑制度の廃止を真剣に検討すべきである』と、早々と論評された手腕に感心しました。

9. 金沢、2018 年夏 -1-同 -2-同 -3-(7月16日~18日)

 筆者の例年の行事であるお盆の金沢での墓参に、昨年と同じく長女ご夫妻同伴で行かれた旅の様子が、辻家庭園(前田家家老横山家迎賓館)観賞を中心に述べられています。同迎賓館本館の群青の間は四周の壁が絢爛豪華なコバルトブルー(群青)仕上げ。群青色は、現在再現の困難な青金石(ラズライト)を主成分とする石(ラピスラズリ)を色素とし、色鮮やかで、たいへん美しいものです。金沢のホテル 13 階テラスで撮った写真には、金沢駅へ出入りする列車の線路や駅西口近くに広がる市街が見え、端の 2 本のレールは 2015 年 3 月に開業した北陸新幹線用とのことで、東京方面から金沢に出かけるのも便利になったものだと感じました。筆者が元気に金沢の旅を楽しまれた様子を興味深く拝読しました。
(完)

2018年8月3日金曜日

2018 年 2 月 10 日〜7 月 18 日分記事への M・Y 君の感想 2 (M.Y's Comments on My Blog Posts from February 10 to July 18, 2018 -2-)

[The main text of this post is in Japanese only.]


わが家の庭で夏の花たちの共演。2 階から、2018 年 7 月 30 日撮影。
Co-starring of summer flowers in my yard; taken from the second floor on July 30, 2018.

2018 年 2 月 10 日〜7 月 18 日分記事への M・Y 君の感想 2

4. 東京、2018年 春(5月21日)
 さる 5 月 17 日に東京で開催された金沢菫台高校第5期生の集まりに参加するため、16 日に上京した。その晩、私の定宿・学士会館へ同期会の幹事君が会いに来てくれ、同会館の和食堂「二色」でコース料理を楽しみながら話し合った。[…略…]
 翌朝、学士会館においてあった冊子『ふらっと おさんぽ神保町:神保町レトロ建築さんぽ特集号』の地図を参考に、さくら通り付近を少し散策してから、同期会の会場へ向かった。会場は昨年と同じく、銀座 1 丁目「キラリト銀座」6 階にある「銀座の金沢」で、11名(うち女性 4 名)が集まった。遠路参加の私が乾杯の発声をさせられた。[…略…]参加者が昨年よりも 4 名増加したのは、高齢者の同窓会にしては珍しく喜ばしいことだった。[…略…]12 時から 15 時 20 分頃まで、郷土料理を食しながらたっぷり楽しみ、幹事ほか一同も記念写真の撮影を忘れてしまったまま解散した。
と高齢者の同窓会について、同窓生の近況や活動など(上掲の引用では省略)もよくまとめられた記録であり、興味深く拝見しました。最後は校歌(同窓会誌『金商菫台プレス』近着号に載っていたので、筆者がそのインターネット版のコピーを幹事君に送っておき、当日、ハードコピーを参加者分だけ用意して貰ったとのこと)の斉唱で閉めくくられました。歌詞が準備されていたので、皆が元気よく歌えて盛り上がったことと思います。

5. 気になる外来語カタカナ表記(6月13日)
 先日、NHK ニュースで中央アメリカ北部にある国の名を「グ・ア・テ・マ・ラ」のように発音し、字幕でも「グアテマラ」と表記していた。私の記憶では、この国は「グァテマラ」である。いつから「グアテマラ」になったのかと思ったが、先日買ったばかりの『広辞苑 第七版』の付録を眺めていると、内閣告示第 2 号による「外来語の表記」の項が目に入った。その中に
「グァ」は、外来音グァに対する仮名である。
として、まさに「グァテマラ」が例として挙げられている。そして、
一般的には、「グア」は「ガ」と書くことができる。
という注がある。「グアテマラ」化は、この内閣告示(1991 年に出されている)の注書きに由来するようだ。結構古いことなのだ。しかし、この注書きやこれに類似の注書きは、外来語を本来の外国語の発音から遠ざけ、日本人の英語発音を外国人に分かりにくくし、わが国の非国際性を増大させるものではないだろうか。「グア」と書いてもその音は「グァ」だと理解すればよいようなものの、先の NHK アナウンサーの例のように、「グ・ア」という型の発音が定着して来ているのである。
 [他の例、略]
 まだまだ書きたいが([その例の短い記述、略])、長くなるので、これくらいにしておく。
 外来語カタカナ表記について根気よく調べ、内閣告示第 2 号による「外来語の表記」に、気になる点の原因を見つけられました。「この注書きやこれに類似の注書きは、外来語を本来の外国語の発音から遠ざけ、日本人の英語発音を外国人に分かりにくくし、云々」は注目すべき見解でありましょう。例えば英語については、発音のみならず、アクセントも重要なことです。これらを総合して native の人にも何とかわかる方便であればよいと思います。

 最近、近所にお住まいの某・都立大学名誉教授から、『あとらす (ATLAS)』No. 38 (2018) を貰いました。同氏は「言葉雑記帳 第12:外国語のカタカナ表記をめぐって」を同誌に投稿していました。本記事と同種の表題でしたので、興味深く読みました。「表題をご覧になって、(またかよ、もういい加減にしてくれないか)と、うんざりされる向きもあろうかとは存じますが、このところまたしても気になっている外国語の名詞・固有名詞のカタカナ表記について、いくつかのことを書きとめさせていただくことにします」と前置きして、いろいろの例をあげ、自説を書いていました。例えば、市議選で「鎌倉駅にホームドアを」という主張が理解できなかったという話。「ホームドア」と聞けば、住家の入口・玄関が思い浮かぶ。「乗り場ドア」ではどうか。カタカナ表記ならば、「ホーム」でなく「フォーム」とすべきだ、と。[引用者の注:より正確には「プラットフォーム」]

6.「『鏡映反転』に一言」(6月23日)

 筆者は先般、表記の題名で『大阪民主新報』紙に投稿文を送ったが、掲載されなかったとして、下記のようなその投稿文をブログ上で紹介したものです。
 6 月 3 日付本紙「今週の一冊」欄に、高野陽太郎著『鏡映反転』が絶賛されていましたが、これには異議があります。私はその本の中で批判されている「左右軸劣後説」の提唱者の 1 人です。高野氏の最初の論文に対する反論として提唱されたこの説に、国際的な専門誌上では軍配が上がり、これに対する高野氏の再反論は却下されたという経過があります。
 「左右軸劣後説」は鏡像の左右逆転を単一の原理で説明する明快なものですが、高野氏の批判は誤解に基づいます。氏がその後、別の専門誌に発表した実験も、被験者が何を基準として左右を判断しているかが曖昧で、受け入れられない面があります。
 [以下略]
 私は市図書室に『鏡映反転』を借りる予約をしました。第 6 章に「他説を反証する」として、「鏡像と重なる」という説明、物理的回転説、左右軸劣後説の 3 説についての批判が述べられているそうです。(つづく)

2018年8月2日木曜日

2018 年 2 月 10 日〜7 月 18 日分記事への M・Y 君の感想 1 (M.Y's Comments on My Blog Posts from February 10 to July 18, 2018 -1-)

[The main text of this post is in Japanese only.]


わが家の植木鉢に花咲いたパイナップルリリー。2018 年 7 月 3 日撮影。
Pineapple lilies blossoming in the flowerpot of my house; taken on July 3, 2018.

2018 年 2 月 10 日〜7 月 18 日分記事への M・Y 君の感想 1

 M・Y 君から "Ted's Coffeehouse 2" の表記期間の記事への感想を 2018 年 8 月 1 日付けで貰った。同君の了承を得て、ここに紹介する。(M・Y 君の感想には「筆者」の語が多く出てくる。この語は文を書いている自分自身を指す場合にも用いられるが、ここでは感想の対象になっているブログの筆者 T・T を指していることに留意されたい。)



1. 孔子の政治観と現日本の政治(20018 年 2 月 10 日)
 昨 2 月 9 日に放送された「NHK 高校講座・国語総合」の講義は、「論語:政治を考える」というテーマだった(講師:東京都立戸山高等学校教諭・渡辺恭子)。『論語』中の「子貢問政。子曰『足食、足兵、民信之矣。』...」という章を学び、「孔子が重視した為政者の心構え」について考えるものである。
と述べ、「学習メモ」にある『論語』のこの章の現代語訳を少し書き直して、その内容を簡潔に分りやすく紹介しています。そして最後に、
いま、日本の政権は、防衛費の極端な増大を行い、平和憲法を変えようとし、疑惑にはまともに答えようともしない。まさに、孔子の考えの逆を行っているといわなければならない。
と時宜を得た警告を発しています。筆者の見識と文章力はさすがだと感心しました。

2. サクラのわが標本木、開花 1 日後(3 月 21 日)

 個人的に標準木を決めて、毎年近所のサクラの開花を観察し、春の訪れを感じられるとは、優雅なことと思っています。昨年の貴ブログによると昨年のサクラ開花は 3 月 30 日頃で、今年は 3 月 20 日と、かなり早かったようです。いまの猛暑と考え合わせると、地球の温暖化が確実に進んでいるといえそうです。

3. 政池氏へ:著書恵贈に対する礼状(4 月 5 日)

 政池さんから著書を貰ったことに対する下記のような礼状を紹介し、脚注 1 に荒勝文策博士の業績を中心とするその著書の要点をまとめ、また、脚注 2 に筆者の提供した資料に言及しています。
政池明様
 本日、ご著書『荒勝文策と原子核物理学の黎明』[注 1]が届きました。ご恵贈に感謝いたしますとともに、膨大な資料を読みこなして整然とした 400 ページを超える立派な正史にまとめ上げられたご力量に敬服いたします。ご序文中に不肖私にまで謝辞を述べて頂き[注 2]、恐縮しています。まだ部分的にしか拝読していませんが、どこを開いても興味深い内容が読みやすい文で綴られていると思いました。[…略…]本書が広く普及・活用されることを願っています。[…略…]なんらかの機会を利用して、またお目にかかることができれば幸いです。
 以上、とりあえず、余談を含めて、お礼をしたためました。
 T・T
[以下、脚注を省略]
(つづく)