2019年3月3日日曜日

「うれしいひな祭り」 [Ureshii Hinamatsuri (Happy Doll's Festival)]

[The main text of this post is in Japanese only.]


わが家にあるおだいり様の壁飾り。
Wall decoration of dairi dolls in our home.

 私の先のブログ記事に、次のように書いた。
サトウハチロー作詞の「うれしいひな祭り」では、男雛を「お内裏様」、女雛を「おひな様」と、正式ではない呼び方をしている。
昨 3 月 2 日の NHK 番組『チコちゃんに叱られる!』で、これに関連する質問が出た。

 チコちゃんや出演者たちが童謡「うれしいひな祭り」を歌ったあと、チコちゃんが「おだいり様とおひな様って誰?」という問題を出したのである。おだいり様は、「おびなとめびな両方」のことで、おひな様は、ひな段の人形全体のこと、というのが正解である。

 そして、おだいり様とおひな様のことを、男女一対のひな人形だと勘違いしている人が多い理由は、童謡「うれしいひな祭り」の 2 番の歌詞の影響と推測される、と大妻女子大学の是澤博昭准教授が説明した。「うれしいひな祭り」の作詞者、サトウハチローの息子さんの四郎さんも取材に対して、「おやじは間違い、勘違いがあったんじゃないかな」、「おやじの前で[この歌の]レコードをかけると、嫌がったよ」と証言した。

 なお、『ウィキペディア』の「うれしいひなまつり」のページにも同様の説明があり、その典拠として文献 1 の記事が挙げられている。この記事にも佐藤四郎さん(岩手県北上市にあるサトウハチロー記念館の館長と記されている)の、「父が自分の作品の中で一番嫌ったのが、この歌。わが家ではこの歌の話はタブーでした」という言葉が紹介されている。同記事によれば、歌詞の 3 番にある「赤いお顔の右大臣」も間違いで、赤い顔をしているのは左大臣の方だそうだ。

 また、チコちゃんの番組中での解説では、歌詞の「お嫁にいらした姉さまに、よく似た官女の白い顔」の部分に、サトウハチローは特別な思いをこめたそうである。ハチローには姉や妹がいたが、嫁ぐ前に亡くなってしまい、そのことに心を痛めた彼が、彼女たちをしのんだ鎮魂歌だというのである。そうと知ると、以前から好んでいたこの部分が特に強く心を打つ。私にも姉がいたが、私の生まれる前に幼くして死亡した。名前を悦子といった。小さな籐椅子に人形を乗せて、自らは傍らに立っているセピア色の写真が一枚残っているだけである。

文 献
  1. "うたの旅人:捨てたいのに広まった 「うれしいひなまつり」" 朝日新聞 be 欄(2012 年 3 月 3 日)(2012 年 3 月 2 日時点のアーカイブ)。

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