2016年2月27日土曜日

数列の謎 (Number Sequence Riddle)

[The main text of this post is in Japanese only.]


わが家の白花のシンビジウム、2016 年 2 月 27 日撮影。
Cymbidium with white flowers in my home; taken on February 27, 2016.

数列の謎

 最近読了した Calvin C. Clawson の "Mathematical Mysteries" (Plenum, New York, 1996) という本の文末に下記のようなパズルがあった。私は少し考えたが、分からなくて、最終ページにある答えを見てしまった。皆さんなら分かるだろうか。
Below is a simple number sequence. Think about it, ponder on it. When you have discovered the key, turn to the last page and confirm your answer …
1
11
21
1211
111221
?
 最終ページにあったのは以下のもので、疑問符のもう一つ下までの答えも含まれているものの、次の数を導く式あるいは説明文はなく、ヒントのような形でもある。これをにらんでみると、演算を考えたのでは、答えが見つからないはずだと分かる。

one
one one
two ones
one two and one one
one one, one two, two ones
three ones, two twos, one one
one three, one one, two twos, two ones

 私はこれを見て、「前の数の数字の並びを説明しているのが次の数。説明といえば、普通、説明されるものと同等と思いがちだが、この例では、説明がどんどん変化して、また長くなっていく。説明されるものと説明とが必ずしも同等ではないことを示す教訓的な例か」と思った。

 上記の問題のところで「…」として省略した箇所には Conway sequence という名称が書いてあったので、これでインターネット検索をすると、'Look-and-say sequence' という、『ウィキペディア』英語版のページが出てきた。私が思った教訓については書いてないが、この数列の数学的な性質について書いてあって驚いた。

 なお、上記のページに相当する日本語版はまだないが、日本語でこの数列について書いたインターネット上の文は、「ルック&セイ数列」で検索するといくつか出てくる。例えば、こちら(2013 年の記事)には、『クーリエ・ジャポン』誌に載っていた、グーグルの入社面接試験に出た問題の一つとして紹介し、簡潔に説明してある。

2016年2月22日月曜日

113 番目の元素と私のささやかな関係 (Small Relationship between Element 113 and Me)

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今年もわが家に咲いたセイロンベンケイの花。2016 年 2 月 14 日撮影。
Flowers of air plant bloomed in my home also this year. The photo was taken on February 14, 2016.

113 番目の元素と私のささやかな関係

 2016 年元旦の新聞を開くやいなや、「おっ、知っている人だ!」と思った。原子番号 113 の新元素をめぐって 10 年にも及んだ命名権争いについて、理化学研究所の研究チームに軍配が上がったことを報じた記事が目に入り、その記事の写真を見てのことである。写真には、同研究チームのリーダー、森田浩介・九州大教授が、元素周期表の 113 番目の位置を笑顔で指さす姿があった。

 私が森田氏を知ったのは、インターネット・サイトの間違いによる偶然からであった。このところ毎日のように活用している研究者の交流サイト ResearchGate への参加を勧めて下さったのが森田氏だった。ResearchGate サイトは、各個人登録者のサイト内ページに、発表論文や発表論文を引用した論文を自動的に集めてくれる(未登録者のページも仮に作られて、そこに同様なデータが集められている)。そして、自分の論文の共著者宛に登録勧誘メールを発送することを、登録者が「望む」という意味のボタンを押すだけで、サイトが代行してくれる。その勧誘メールが森田氏から ResearchGate 経由で私に届き、その有用なサイトを使い始めることになったのである。

 実際には共著論文のない関係でありながらも森田氏からの勧誘が届いたのは、私の共著者の一人にファースト・ネームを頭文字だけ書くと森田浩介氏と同じになる森田健治氏がいて、後者との共著論文数編が間違って前者のページに集められており、共著者への一斉発送の宛先に私も含まれることになったからである。

 私は勧誘メールに対して ResearchGate 経由で、英文のお礼メールを森田浩介氏に送り、その中で、「ただし、私は貴殿の共著者ではありません。森田健治氏との共著論文が貴殿のところに紛れ込んでいるのです」と連絡しておいた。しかし、森田浩介氏は、忙しくて ResearchGate から頻繁に届くメールはまとめて無視しておられるのか、森田健治氏の論文をそのままにしておられた。それで、私の ResearchGate サイトのプロフィール・ページに、同サイトを使用している中で共著論文の多い人として、森田浩介氏の名と顔写真が存在し続けていた。

 元旦の新聞を見た私は、森田浩介氏宛に、原子番号 113 の新元素の命名権獲得をお祝いするメールを早速送るとともに、その機会を利用して、「森田健治氏と私のこれこれの共著論文が ResearchGate サイトの貴殿の論文リストのこれこれのページに誤って集められているので、お暇の折に削除していただきたい」ということを、新年早々ながらお願いした(これも英文で)。1 月中頃にふと気がつくと、私のプロフィール・ページから森田浩介氏の写真が消えていた。返信はないながら、森田浩介氏は私の依頼に応じて下さったのである。2013 年に ResearchGate サイトを使用開始して以来の、間違った共著関係が整理出来て、ようやくすっきりした次第である。(プロフィール・ページに影響はないものの、他にもいくつか、共著者でない同名の人のところに論文が誤って集められているらしいふしがある。)

(2016 年 2 月 23 日、一部修正)

2016年2月19日金曜日

荒山公園のウメが見頃 (Best Time to See Japanese Apricot Blossoms of Kozen Park)

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 午前中は晴れていて、暖かくもなりそうだったので、わが家から徒歩約 1 時間の荒山公園へ妻と出かけた。約 1400 本の木があるというこの公園の梅林は、ちょうど見頃だった。帰途はバスを利用したが、歩数計は 1 万 2 千歩近くを数えていた。

2016年2月15日月曜日

画家・堀文子さんの新聞投稿 (Painter Fumiko Hori's Post on a Newspaper)

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ロウバイ。2016 年 2 月 12 日、ウォーキング途中で撮影。
Blossoms of wintersweet; taken in the course of my walking execise on February 12, 2016.

堀文子さんの新聞投稿

 M・Y 君が私のブログ記事への感想を添付して送って来た先日のメールには、もう一つのものが添付されていた。彼は最近、田中整一著『虹の橋を渡りたい:画家・堀文子九十七歳の挑戦』(幻戯書房、2015)を図書館から借りて読んだところ、その中に、 2014 年 1 月、堀文子さんが東京新聞に投稿した、平和憲法擁護の観点から特定機密保護法に反対する文が引用されていたとして、そのコピーを送ってくれたのである。

 私はその投稿記事が東京新聞のオンライン版で見られないだろうかと検索してみた。オンライン版の投稿記事は見つからなかったが、堀さんの甥御さんで画家の内海信彦氏がフェイスブック上にその記事の写真を掲載しているのを見つけた。そのフェイスブック記事を私のフェイスブックのタイムラインで、遅まきながらシェアした(投稿の題名は「政府の暴走止めよう」。こちらでご覧になれる)。すると、内海氏からすぐに、「どうもありがとうございます!」とのメッセージが寄せられた。私はそれに対して、「叔母上様を尊敬しております」と返事を書いた。

 昨年 12 月 14 日に堀さんのインタビュー番組(10 月に放映)の再放送を NHK テレビで見て、画業もさることながら、政治に対しても鋭い批判の言葉を述べておられて、感服したのだった。堀さんの父君が歴史学者で、子供の時から世の流れを客観的に見る目を養われて来られたとのことであった。

2016年2月13日土曜日

2016 年 1 月分記事への M・Y 君の感想 (M.Y's Comments on My Blog Posts of January 2016)

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ほぼ満開のウメ。2016 年 2 月 12 日、ウォーキング途中で撮影。
Blossoms of Japanese apricot nearly in full bloom. The photo was taken
in the course of my walking execise on February 12, 2016.

2016 年 1 月分記事への M・Y 君の感想

 M・Y 君から "Ted's Coffeehouse 2" の表記期間の記事への感想を 2016 年 2 月 10 日付けで貰った。この期間に私は 2 編しか記事を書かなかったにもかかわらず、同君はその両方について長文の感想を書き送って来たので、そのまま掲載したのでは元記事よりも感想の方が多くのスペースを占めそうである。そこで今回は、私が主に感想の要点を拾って紹介することにする。

1.新年のごあいさつ

 この記事に私は、李白の詩「早に白帝城を発す」の一部を引いて、「中国の猿声は高く澄んだ美しい音色だそうです。その音色にあやかって、世界の平和を求める声を発し続けたいものです」と書いた。これに関連して Y 君は、「安倍内閣はわが国を戦争のできる国へ進めようとしているように感じられてなりません」と記し、2 月 8 日に九条の会が首相の改憲積極発言に抗議する緊急アピール文を発表した報道(詳細はこちら参照)にふれている。さらに、2 月 7 日に行われた北朝鮮の事実上の長距離弾道ミサイル発射に対して、政府が過剰なまでの防備体制をとったことについて、昨年 7 月に強行決定された安全保障関連法を実施するための演習ではないか、との見解を述べ、「国民が知らず知らずのうちに海外で戦争する国になることを憂え」ている。表記の記事を飾る写真として、妻が昨年 12 月に登った猿投(さなげ)山頂上の標識の写真を載せたことについて、Y 君は妻の行動力を褒めてもいる。

2. 「鑑みる」の用法 2

 この記事は、先の記事、「『鑑みる』の用法」のコメント欄で、2015 年 12 月 22 日から 2016 年 1 月 9 日までの間に神楽さんという方と交わした意見交換をもとに、「鑑みる」の用法について再考したものである。Y 君はこれについて、「貴重な資料であり興味深く拝見」した、神楽さんの意見を「謙虚に受け止め」、「よく議論を交わし、このようにまとめ上げられたとに感銘を受け」た、と記している。

 Y 君はついでに、この記事で思い出した、当用漢字と旧漢字の両字体使用にかかわる問題(異体字問題)を次のように述べている。
 私たちの中高校時代に国語審議会が当用漢字を定め、漢字を制限し復雑な漢字は略字に変えた(例えば學→学)当用漢字を使うよう指導されましたが、どちらを使ってもよいという、おおらかな時代を経験しました。大学入試の国語の試験問題の中に漢字のテストがありましたが、この際も旧漢字、当用漢字いずれを使ってもよいと注記されていたことを覚えています。私の名前は本物の漢字が略字に変わった分類に属していたので、それ以来、当用漢字の略字を使って生活していたのですが、いつの間にか、公的に使う名前は戸籍の文字通りにすることとなって、不都合を感じています。というのは、昭和 40 年代に取得して当用漢字の略字で登録した運転免許証を身分証明書にしていますので、公的な書類が関係する時(銀行通帳など戸籍の字を使うようにと言われて変更した場合)、身分証明を求められると、字が違うじゃないかといわれ、時々不都合が生じています。おおらかな時代のつけが回ってきたようです。もちろん、免許更新の時に名前の変更手続きをすれば済む問題ですが。
これに関連した説明が、「印鑑証明書に異体字が含まれる氏名の人物が正字で法務局に登記されている場合の問題点的なもの」という長い題名のウェブページ(2013 年 8 月 19 日付け)にあり、「役所によって異体字の扱われ方は違う」などの実態が記されている。。