2009年9月29日火曜日

初秋の風景1 (The Scenery of Early Autumn 1)

 写真は2009年9月23日、ウォーキング途中で。1枚目は、まだ撮影の構図を探し求めている途中で、うっかりシャッターボタンを押してしまったものである。しかし、傾きを修正してトリミングすると、その付近で構図を定めてから撮った2枚目や3枚目よりも、むしろ面白味のある出来ばえになっている。

2009年9月28日月曜日

秋空 (Autumn Sky)

 秋の語源の一説は、この季節の空がアキラカ(清明)であることから、という(『広辞苑』)。それほどに、秋といえば、空の澄んでいることに思いが行く。「秋の空」は、変りやすいことの例えにもなっているのだが。写真は秋空にたなびく雲。2009年9月21日、ウォーキング途中で撮影。

2009年9月27日日曜日

ヒガンバナ (Hurricane Lily)

 ヒガンバナ(彼岸花): 学名 Lycoris radiata、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の全草有毒な多年性球根性植物。クロンキスト体系ではユリ科。リコリス、曼珠沙華(マンジュシャゲ、またはマンジュシャカ—サンスクリット語 manjusaka の音写—)とも呼ばれる。学名の種小名 radiata は「放射状」の意味。散系花序で6枚の花弁が放射状につく(以上、[1] を参考にした)。花言葉は「情熱」「悲しい思い出」「独立」「再会」「あきらめ」[2]。写真は2009年9月21日、ウォーキング途中で。

文献

  1. 「ヒガンバナ」, ウィキペディア日本語版 [2009年9月25日 (金) 15:19].
  2. 「ヒガンバナ」, 花言葉事典.

2009年9月26日土曜日

タマスダレ (Fairy Lily)

 タマスダレ(玉簾): 学名 Zephyranthes candida、ヒガンバナ科。クロンキスト体系ではユリ科。別名はレインリリー。ペルー原産の球根草で、夏から初秋にかけて花を咲かせる。葉は細長く、土から直接出ている。一本の花茎に対して、花は一つだけである(以上、[1] による)。花言葉は「汚れなき愛」「潔白な愛」「期待」[2]。写真は2009年9月21日、わが家の庭で。

文献

  1. 「タマスダレ」, ウィキペディア日本語版 [2009年9月16日 (水) 19:43].
  2. 「タマスダレ」, 花言葉事典.

2009年9月25日金曜日

ヨルガオ再登場 (Moonflower Again)

 さる10日にわが家の庭に咲いたヨルガオの写真を掲載したが、その後、朝夕の涼しさが増して、一日に二、三輪ずつ、調子よく咲くようになった。そこで、ヨルガオ嬢に再度の登場を願うことにした。カメラもこの花を美女の顔と思ったのか、「顔認識」のときに出る四角い枠を花のところに表示した。撮影は、2009年9月18日。

2009年9月24日木曜日

戻り咲き (Unseasonable Flowering)

 「狂い咲き」のことを「戻り咲き」ともいうことを、ごく近年になって知った。どこで見たのだっただろうか。私の持っているどの辞書にも「戻り咲き」は載っていない。「狂い咲き」より上品で、よい言葉だと思うのだが。

 写真は、2009年9月18日に堺市・鳳公園で見かけたアカバナトキワマンサクの戻り咲きである。

2009年9月23日水曜日

ハギ 2 (Bush Clover 2)

 写真は2009年9月18日、堺市・鳳公園で撮ったマルバハギ(丸葉萩)、別名ミヤマハギ(深山萩)、学名 Lespedeza cyrtobotrya。葉は3出複葉で、先が丸いため、丸葉萩と呼ばれる。ヤマハギ(山萩)に似ているが、マルバハギは葉の脇に葉より短い総状花序を出して花をつけるので、容易に区別できる(以上、[1] を参考にした)。

文献

  1. 「マルバハギ(丸葉萩)」, ウェブサイト「植物園」.

2009年9月22日火曜日

ハギ (Bush Clover)

 ハギ(萩): マメ科ハギ属(Lespedeza)の総称。落葉低木。秋の七草のひとつで、花期は7月から10月。分布は種類にもよるが、日本のほぼ全域。古くから日本人に親しまれ、『万葉集』で最もよく詠まれた花である。秋ハギと牡鹿のペアの歌が多い。別名、芽子・生芽(ハギ)。(以上、[1] による)。花言葉は「思案」「思い」「柔軟な精神」[2]。写真は2009年9月17日、京都・百万遍智恩寺の前で撮ったヤマハギ(Lespedeza bicolor)。

文献

  1. 「ハギ」, ウィキペディア日本語版 [2009年9月13日 (日) 14:41].
  2. 「ハギ」, 花言葉事典.

2009年9月21日月曜日

ハナトラノオ (Obedient Plant)

 ハナトラノオ(花虎の尾): 学名 Physostegia virginiana、別名カクトラノオ(角虎の尾)。シソ科。北米東部原産の宿根草。日本では園芸植物としてよく見られる。花期は8、9月頃。性質が強く、一度植えると放置しても地下茎でよく増え、半野生化することもある(以上、[1] による)。花言葉は「達成」[2]。写真は2009年9月16日、わが家の庭で。

文献

  1. 「ハナトラノオ」, ウィキペディア日本語版 [2009年1月5日 (月) 14:13].
  2. 「ハナトラノオ」, FFJ 今日の誕生花.

2009年9月20日日曜日

サフランモドキ? (Zephyr Lily?)

 よく見るサフランモドキの花弁は全体にピンク色だが、この花の花弁はおおむね白く、先端だけがピンク色という優雅な風情である。これもサフランモドキだろうか。2009年9月16日、ウォーキング途中で撮影。

2009年9月19日土曜日

ハナミズキの実 (Fruit of Flowering Dogwood)

 写真は2009年9月16日、ウォーキングの途中で撮影したもの。そろそろハナミズキも紅葉を見せ始める頃である。当地では例年、秋分までは30度を超える日が続くのだが、今年はずいぶん早く涼しさがやって来た。

2009年9月18日金曜日

京都散策 (Walking in Kyoto)

 昨17日、京都市美術館で開催中の展覧会に友人の絵が出品されているのを見に行った。円や渦巻く曲線が人の心をどこかへ優しくいざなうような抽象画2点で、題名は「DAIREN−虚空−(A)−2009」、「DAIREN−虚空−(B)−2009」である。郷里・大連への思いをこめて描き続けて10余年、本展覧会への出品はこれで最後にするそうだ。

 美術館を出たあと、南禅寺から哲学の道へと散策した。さらに、京大理学部横の、昔下宿していた辺りを眺め、百万遍まで歩いた。哲学の道は、哲学者・西田幾多郎がこの道を散策しながら思索にふけったことから、この名がついたといわれている。「思索の小径」と呼ばれていたものが、いつしか、この名で呼ばれるようになり、1972年には正式な名称になたというから、それより10年以上前になる私の学生時代には、どちらの名だっただろうか。桜や紅葉の季節には多くの観光客で賑わうらしいが、いまの季節には人通りも少なく、心地よく歩ける。

 南禅寺側から哲学の道に入るとすぐ、左手に1枚目の写真の光景が広がる。屋根が見えている寺は、光雲寺だろう。哲学の道に沿って続く水路(2枚目の写真)は普通、単に「疎水」と呼ばれているが、詳しくは「琵琶湖疎水分線」ということになるようだ。疎水分線は銀閣寺町で哲学の道を出はずれたのち、白川疎水通りに沿って北進している。その脇にも散策によい道が続く(3枚目の写真)。

 かつて下宿していた辺りは、家々も建て変わり、当時の面影はとぼしい。下宿時代には滅多に入ってみることのなかった百万遍智恩寺の境内でも写真を撮ってきた(4枚目)。

2009年9月17日木曜日

マタケタケの森で 5 (Mataketake Forest 5)

 三本の細い幹が紡錘形のものを支え、さらにその上へも伸びているようだ。おとぎの国のような風景である。[ニュージーランド旅行の写真 (111);2004年1月12日]

 ニュージーランドの写真 (110) へ

2009年9月16日水曜日

イチローの記録は日常の節制から (Ichiro's Record Based on Daily Care)

 [概要]大リーグ・マリナーズのイチロー外野手がさる13日、9年連続の200安打を達成し、108年前にウィリー・キーラーが樹立した8年連続の記録を更新した。私はイチローの記録自体よりも、チームメイトの一人・城島選手が語ったイチローの日々の節制ぶりに感嘆するのである。本文(英文)へ

2009年9月15日火曜日

2009年9月14日月曜日

マタケタケの森で 3 (Mataketake Forest 3)

 シダの間から大きな木々がそびえ立ち、その幹にはコケや他の植物がまつわりついて、森全体が共生している。[ニュージーランド旅行の写真 (109);2004年1月12日]

 ニュージーランドの写真 (108) へ

2009年9月13日日曜日

サルビア・インディゴスパイヤ (Salvia 'Indigo Spires')

 サルビア・インディゴスパイヤ:別名ラベンダーセージ。シソ科アキギリ属(サルビア属)の半耐寒性多年草。開花時期は7~11月。花言葉は「家族愛」[1]。写真は2009年9月11日、わが家の庭で。

  1. 「ラベンダーセージの紹介」, 花の魅力発見.

2009年9月10日木曜日

ヨルガオ (Moonflower)

 ヨルガオ(夜顔): 学名 Ipomoea alba(シノニム I. aculeataI. bona-nox、Calonyction aculeatum)、ヒルガオ科の植物の一種。白花で,熱帯アメリカ原産のつる性植物。原産地においては多年草であるが、日本では春まきの一年草として扱う。4、5月頃に種をまくと、7~10月頃(暖地では11月頃まで)に開花する。花はロート形で夕方から咲き始め翌朝にしぼむ。日本には明治の始め頃に渡来し、観賞用として栽培された。ヨルガオのことを「ユウガオ」という人も多いが、標準和名のユウガオ(学名 Lagenaria siceraria var. hispida)はウリ科のかんぴょうを取る植物で全く別種である。花言葉は「夜」。(以上、[1] による。)

 春に、「ユウガオ」として売られていた苗を買って来た。先月来、ツボミが大きくふくらんでも、夕方にはまだ開かないで、朝になるともう閉じて、しぼみ始めている。真夜中にひっそりと咲いているようだ。正式名はヨルガオと知って、合点がいく。

 一枚目の写真は8月15日の朝に撮ったものである。そのあと、この花はどんどんしぼんで行った。閉じた形があまりにも整然としていたところを見ると、夜の気温が高いままだったので、開ききらなかったのかも知れない。細いツボミのままで枯れ落ちるものもあった。当地の暑さが苦手なのかと思うが、原産地が熱帯アメリカであれば、不思議な気もする。

 それでもやはり、いくらか涼しいほうが気に入るのか、夕方の気温がかなり下がった昨日、6時40分頃に出かける用事があって、ふと見やると、二輪が全開になっており、もう一輪もかなりふくらんでいた。二枚目の写真は全開していた花の一つである。つるが巻きついているのはモッコウバラのシュートで、これは切り落としたいのだが、ヨルガオの季節がすむまで待たなければならない。

文献

  1. 「ヨルガオ」, ウィキペディア日本語版 [2009年9月9日 (水) 22:29].

2009年9月9日水曜日

エコツァーガイドのアンディさん (Andy, the Tour Guide)

 シダの生い茂るマタケタケの森へ一行を案内したエコツァーガイドのアンディさん(左端)と、その説明を通訳している日本の旅行社の吉田さん(中央)。[ニュージーランド旅行の写真 (106);2004年1月12日]

 ニュージーランドの写真 (105) へ

M.Y. 君からの感想(2009年8月分)

 M.Y. 君から "Ted's Coffeehouse 2" 2009年8月分への感想を9月8日づけで貰った。同君の了承を得て、ここに紹介する。青色の文字をクリックすると、言及されている記事が別ウインドウに開く。

×     ×     ×

1. 「9日は9条宣伝の日」

 福泉・鳳地域憲法9条の会が毎月9日に行っている宣伝・署名活動が、残念ながら雨天のため中止になった、ということで、マイク宣伝に使う予定だった文章の一部が掲載されています。時の話題をまとめて説得する情熱がこもったものだと思います。オバマ大統領がさる4月プラハで行った核兵器廃絶を訴えた演説を援用して、「歴代政権が、広島・長崎への原爆投下を正当化し続けてきたアメリカでさえ、このように政策を変えようとしているときに、日本がもしも憲法を平和に反する方向にかえて、海外で戦争をする国になるならば、それは歴史の歯車を逆転させる、まことに愚かな行為といわなければなりません」と結んだことばの重さをかみしめる必要がありましょう。文中にある政府の「安全保障と防衛に関する懇談会」の防衛計画の大綱については、当時の鳩山民主党代表は「政権をとったら、われわれの視点で見直す」と述べています。新政権で、憲法の原則をふまえた論戦を展開させてほしいものです。

2. 「ボルト選手の百メートル走新記録と限界値」「100m走の曲線当てはめがテレビ番組に」

 ベルリンで開催された第12回世界選手権の男子100m決勝で、ボルト選手が驚異的な世界新記録9秒58を樹立したあと、TVでスポーツ解説者が、限界は9秒09くらいで、ボルト選手はこれからも新記録更新して行くでしょう、というように解説していたのを聞き印象に残りました。その後、貴ブログ「100m走の曲線当てはめがテレビ番組に」を見たとき、合点が行きました。「ボルト選手の百メートル走新記録と限界値」で説明された修正値に関する本文(英文)には、2005年まで、2008年まで、今回の新記録を含む2009年まで、の記録データにフィットした3曲線が示されてあり、限界値はそれぞれ、9.66、9.43、9.09秒(最後の場合には誤差が±0.49秒)になるとし、「ベルリンでのただ1点の新記録が限界値にこれだけ影響することを考えると、男子 100 m データに指数関数の当てはめをするのは全く不適切であるとともに、ボルト選手の走る能力が特別にすばらしくまた例外的であるものと考えるべきであろう」と結んでいます。

3. 「真夏のウォーキング」

 「晴れた日の日課にしているウォーキングは、当地の真夏にはいささか苦行である。しかし、近年近くにできた大型商業施設まで行き」、その涼しい中でウォーキングをしている。「ただ、まったく買い物もしないで商業施設内をたびたび歩き回るのは、いささか気が引ける。ところが、最近NHK TVで、夏季の気温が50度(湿度はしばしば100%にも)を超える」ドバイで、「住民が大挙してショッピングモール内をウォーキングするようにな」り、「店の人たちは賑わいになるとして、ありがたがっているという」ことが報じられた。「日本の商業施設でもそうであれば…」と、いう微笑ましい話題です。ことに高齢者は、足腰が弱らないように、ウォーキングなどを日ごろ実践することが大切でしょう。

4. 『アマルフィ:女神の報酬』

 西谷弘監督によるサスペンス映画の内容が簡単に書いてあります。「全編世界遺産、全編イタリアロケ」の広告文が見たいと思わせた映画とのこと。本人役で登場する、北京オリンピックの開会式で歌ったソプラノ・ディーヴァのサラ・ブライトマンが歌う、原題が「君とともに旅立とう」という、結婚式で歌われることの多いという歌のことや、紀元前5世紀にアマルフィの町を作った伝説のことなどを差し挟み、主人公が巻き込まれた事件の背景には「重厚な筋書きもあり、ロケーションの見応えと相まって、十分楽しめる作品であった」とのこと。見たくなる気がします。新聞を振り返って見直すと、7月に関連記事(朝日新聞)があり、それには、名所旧跡がふんだんに、しかしさりげなく背景につかわれている。安藤裕康駐イタリア大使*が「在外公館で最も重要な仕事は邦人保護だというメッセージがよく伝わった」と、評してありました。

 * 引用者注:これは映画の中の大使でなく、現実の大使です。

2009年9月8日火曜日

木の上に… (On the Tree …)

 木の上にレッドビル・ガルがとまっている。マタケタケ砂丘湖付近で。[ニュージーランド旅行の写真 (105);2004年1月12日]

 ニュージーランドの写真 (104) へ

2009年9月7日月曜日

マタケタケ砂丘湖 (2) (Mataketake Dune Lake 2)

 マタケタケ砂丘湖 (Mataketake Dune Lake) は、タスマン海に面する海岸の砂丘の後方に広がる真水の湖である。[ニュージーランド旅行の写真 (104);2004年1月12日]

 ニュージーランドの写真 (103) へ(目下、103番以前の写真を掲載したブログ記事へは、当時使用していたプロバイダーの障害により、アクセス不能となっている。)

2009年9月6日日曜日

ケイトウ (Plumed Cockscomb)

 ケイトウ (鶏頭): 学名 Celosia argentea、ヒユ科の一年生植物。夏から秋にかけて、赤・桃色・黄色などの花穂ができる。その形状がニワトリの鶏冠(とさか)に似ていることからこの名がついた。花期は6月から9月頃。原産地はアジア、アフリカの熱帯地方と推定され、日本には古くに渡来した(以上,[1] から抜粋)。花言葉は「おしゃれ」「風変わり」「感情的」「個性」「色あせる恋」「情愛」[2]。2009年9月日、堺市・笠池公園で撮影。

文献

  1. 「ケイトウ」, ウィキペディア日本語版 [2009年7月27日 (月) 08:05].
  2. 「ケイトウ」, 花言葉事典.

2009年9月5日土曜日

おられる (The Honorific Expression Orareru)

 先週の日曜だったか、朝日紙の読書欄に日本語についてのコミックエッセイの本『日本人の知らない日本語』 [1] が紹介されていた。——日本語学校へ入学してきた上品なフランス人女性が、自己紹介をするようにいわれて、「おひかえなすって!」といったという。フランスで任侠映画を見て日本語を覚えていたのだった。——このような、思わず吹き出すような話がいくつも書いてあるということだった。

 私は言葉から生じるおかしさを好むので、さっそくアマゾンで注文しようと、その本の詳しい情報を見た。コミックエッセイとはコミック風な内容のエッセイ本かと思ったのだが、そうでなく、エッセイをコミックスタイルで書いたものと分かった。一瞬、ちゅうちょしたが、注文した。洋書と一緒に注文したので、昨日ようやく届いた。

 その本の中に、「おられます」という言い方は、「文法的に間違い」とある。「おる」は「居る(いる)」の謙譲語なので、「られる」をつけて尊敬の形にしようとしてもダメ、という理由である。私は高校時代には、まさにそのように思って「いられる」と書いていた。しかし、5年ほど前に、一流の随筆家が「おられる」を使っておられるのを見て、辞書でもそれが可能であることを確かめ、いまは大いに使っている。

 その随筆家が誰だったかは覚えていないが、辞書では、たとえば、インターネットで見られる『大辞林 第二版』に「おる」の補助動詞としての用法として、「おられる」の形で尊敬の言い方として用いられることが書いてある [2]。「先生はすでに知っておられるようだ」の用例も挙げてある。「いられる」より「おられる」のほうが、語呂的に落ち着くように思う。

 なお、『日本人の知らない日本語』には文化審議会答申「敬語の指針」[3] を、文化庁のホームページで読むことができるとして推薦してある。しかし、文化庁のホームページ内で探すことがさほど容易ではなかったので、以下の文献リスト中にリンクしておく。PDFファイルになっており、ダウンロードすることができる。

文献

  1. 蛇蔵 & 海野凪子,『日本人の知らない日本語:なるほど〜×爆笑!の日本語 "再発見" コミックエッセイ』(廣済堂, 2009).
  2. 「おる をる」, 三省堂提供「大辞林 第二版」(goo辞書ウェブサイト).
  3. 「敬語の指針」, 文化審議会答申, 文化庁ウエブサイト (2007).

2009年9月4日金曜日

湯川をモデルにした小説 4 (The Novel Modeled on Yukawa 4)

 前回は、『山頂の椅子』の著者・澤野久雄について記した『ウィキペディア』のページの「湯川秀樹夫妻との確執」の項が引用していた二つの文献 [1, 2] のうち、[1] に見られる湯川夫妻のコメントと澤野の弁を紹介した。今回は、その後図書館から借り出した [2] の本に見られる『山頂の椅子』関連の記述を紹介する。(上記『ウィキペディア』のページへの [2] からの引用は、湯川夫妻と澤野の対立を強調する形に歪曲されていることが分かったので、私は昨日、同ページを修正した。したがって、以下において「『ウィキペディア』のページ」と呼ぶのは、私が修正する前のページを指す。)

 文献 [2] 『現代家系論』の著者・本田靖春(1933−2004)は読売新聞記者として活躍したのち、ノンフィクション作家として受賞もした人であるが、この本には引用原典や取材元の記載もなく、信頼性を欠く。もっとも、日本のノンフィクション作品に、西欧の著作並みに引用文献の記載がなされるようになったのは、比較的近年のことのようである。本書は「羽仁五郎一家」「美濃部亮吉一家」など10家系の話の中に、「湯川秀樹一家」の話も含んでいる。『山頂の椅子』の件は「湯川秀樹一家」の章に、「余談になるが」として、2ページ近くにわたって記されている。澤野が『旅人』を代筆し朝日紙に連載するにあたって、かなりの悪戦苦闘を「したらしい」、夫妻から表現その他で、いろいろと注文がついたという「話である」、「伝えられているところでは、」秀樹が神童だったかどうかをめぐって、激しい対立があった「といわれる」、スミ夫人の反対の言葉に対して、自分の主張をやめない澤野に、秀樹はチラと[夫人の肩をもつ言葉を]いったのだ「そうである」、など、第三者(朝日新聞社の澤野の同行者か)からの伝聞のように書いてある。

 これをもとにした『ウィキペディア』のページの記述は、「少年時代の秀樹を神童として描くか否かを巡って湯川夫妻と澤野の間に激しい対立が発生した」、「秀樹は澤野に向かって…(中略)…と連載中断をほのめかして脅しをかけた」などと、対立をきわだたせる形に書き換えてあった。[2] には、「この小説が発表されると、秀樹が激怒しているという噂が飛んで、湯川家の前に新聞社の車が並んだ。きっと澤野を告訴するだろうというわけである」とあるところも、『ウィキペディア』のページでは、「秀樹は激怒して澤野を告訴しようとしたといわれる」となっていた。噂であった「激怒」が事実のように書かれていたのである。事典の記述が、このように歪められた引用を含んでいてはならない。

 『旅人』の連載終了(1957年)のあと、湯川夫妻から澤野へお礼のハガキ一枚届かなかったことが [2] に記されてはいるが、その少しあとの1960年に出版された角川文庫版には、本随筆シリーズ (1) の冒頭にも記したように、澤野の協力が記され感謝されているのである。対立をいまさら誇張してまで記しておく必要がどこにあろうか。

 また [2] には、[1] と同様に、澤野の弁が次のように記されている。

この小説を書くにあたって、湯川氏を知ったということが一つの契機にはなってますが、あくまできっかけであって、書くまでの10年間のうちに、ぼくの中で発酵しているわけですから、これは今日でも創作だと確信していますね。

つまり、作者自身は『山頂の椅子』がモデル小説であることを否定しているのである。私も主人公の環境の設定は湯川のそれに酷似しているものの、小説の流れは創作であると見た。したがって,私のこの随筆シリーズの題名「湯川をモデルにした小説」は、「湯川をモデルにしたといわれた小説」としたかったのだが、長くなるので、「といわれた」を省略した形にしたことを、読者諸氏は了解されたい。

 さらに、 [2] 自体の不正確さを指摘しておくならば、「主人公の天堂がお茶屋の女性と親しくなる話が出て来るが、これはまったく澤野の創作で」とあるところの、「お茶屋」は「鳥料理屋」が正しい。続いて「彼が妻に向かって『化けものめ』という気持ちを抱くところも、同様にフィクションだそうである」とあるところの「化けものめ」は、作中の表現では「このお化け!」である。些細な相違ではあっても、このようにいい加減な記述が続けば、他の記述の正確さも疑われるというものである。もっといえば、フィクションは、この2点にとどまらないにもかかわらず、2点だけがフィクションであるかのように記しているのも不正確といえよう。

 なお、『ウィキペディア』の「澤野久雄」のページ [3] 中、私が書き換えた部分は、「湯川秀樹夫妻との関係」(もとの題は「湯川秀樹夫妻との確執」)の項である。誰かがまた書き換える可能性もあるので、ご覧の節は、ページ最下部の日付け・時間が 2009年9月6日 (日) 12:54 から変っていないかに注意されたい。(完)

 後日の注記:上に記した項の題名と日付け・時間は、私自身が再度修正したときのものと書き換えた。そのため、日付けが本記事の投稿日より後という、一見矛盾した形になっている。さらにその後、日付けは更新されているが、「湯川秀樹夫妻との関係」の項は書き換えられていない。(2011年2月21日)

文献

  1. 「小説『山頂の椅子』と湯川博士の憂鬱」,『サンデー毎日』1967年4月16日号, pp. 22–25.
  2. 本田靖春,『現代家系論』pp. 105–106 (文藝春秋社, 1973).
  3. 「澤野久雄」, ウィキペディア日本語版 2009年9月6日 (日) 12:54].

2009年9月3日木曜日

ジャノヒゲ (Mondo Grass)

 ジャノヒゲ(蛇の髭): 学名 Ophiopogon japonicus Ker-Gawler、ユリ科(APG植物分類体系ではスズラン科)の常緑多年草。リュウノヒゲ(竜の髯)ともいう。日本を含む東アジアの森林に広く分布し、また、よく植え込みに用いられる。根は所々太く紡錘形になり、これを麦門冬(ばくもんどう)と称して鎮咳・強壮などに用いる。日本薬局方に収録の生薬である(以上、[1] から抜粋)。花言葉は「変わらぬ想い」[2]。2009年9月2日、堺市・鳳公園で撮影。

文献

  1. 「ジャノヒゲ」, ウィキペディア日本語版 [2009年2月6日 (金) 17:44].
  2. 「リュウノヒゲの花言葉」, 50音でさがす花言葉.

2009年9月2日水曜日

ヤブラン 2 (Lilyturf 2)

 葉が斑入りのヤブラン(藪蘭)。2009年9月2日、堺市・鳳公園で撮影。

2009年9月1日火曜日

ヤブラン (Lilyturf)

 ヤブラン(藪蘭): 学名 Liriope muscari、ユリ科(最新のAPG植物分類体系ではスズラン科)の植物の一種。別名リリオペ、サマームスカリ。多年草で開花期は夏~秋。花は紫色の小さいもので、穂状に咲く。葉は、細長く、先は垂れる。葉は斑入りのものがあり、庭の木陰で栽培される。園芸品種には葉に斑入りのものがあり、花期以外にも鑑賞される(以上、 [1] )。花言葉は「謙遜」[2]。写真は2009年8月31日、わが家の庭で。

文献

  1. 「ヤブラン」, ウィキペディア日本語版 [2009年8月25日 (火) 20:25].
  2. 「藪蘭」, 季節の花 300.