2024年1月1日月曜日

2024年初めのごあいさつ (Greetings for the New Year of 2024)

[The main text of this post is in Japanese only.]
妻の年賀状の挿絵として、彼女が登った思い出の山の一つである赤石岳
(標高3,120m)を私が描いたもの。
『最新版 日本百名山』No. 15(朝日新聞社、2008)の表紙写真を参考にした。
A picture I made for my wife's New Year card, showing Mt. Akaishidake,
one of the mountains she climbed.

新年おめでとうございます

ゆっくりと浮力をつけてゆく凧に
の字が見ゆ字は生きて見ゆ
               ——岡井 隆

歳を重ねても上昇する気持ちを失いたくないものと思います
そして世界中の空が凧揚げにふさわしい平和な状態であることを願うものです

皆様のご健康とご幸福をお祈りします

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2023年6月11日日曜日

水彩画『白山』 (My Watercolor "Mt. Haku")

不透明水彩画「白山」
My gouache painting, "Mt. Haku"

 上掲のイメージは、堺市内で毎年開催されている美術展「美交会展」の本年度展(2003年5月30日〜6月4日)に出品した不透明水彩画である。白山は、石川県出身者には親しみのある山で、私の出身高校である旧・石川県立金沢菫台高校(現・石川県立金沢商業高校)の校歌2番1行に「朝日に映ゆる白山や」と詠まれてもいる。しかし、私自身は近くまで行ったこともない。描くに当たっては、『最新版週刊日本百名山No.44』(朝日新聞出版、2008年)の表紙写真(吉澤康暢氏による)を参考にした。その説明によれば、大汝峰から南東に剣ヶ峰(左手前、直下に翠ヶ池を擁する)と主峰・御前峰(右奥)を望む風景である。方角や陰影から、まさに「朝日に映ゆる白山」と分かる。写真をコンピューター加工したものを真似る手法を使い、元の写真より大幅に明るく描いた。

This is a gouache painting, "Mt. Haku," which I presented at this year's art exhibition of "Bikokaiten," which we have annually in Sakai City. Mt. Haku is a mountain that people from Ishikawa Prefecture are familiar with. The school song of the former Shikindai Senior High School (presently Ishikawa Prefectural Kanazawa Commercial High School), which I graduated from, includes the phrase "Mt. Haku shining in the morning sun." But I've never been anywhere near it myself. When drawing, I referred to the cover photo (by Yasunobu Yoshizawa) of "100 Famous Mountains in Japan Weekly, Latest Edition, No. 44" (Asahi Shimbun Publishing, 2008). According to the explanation attached to the photo, it is a view from Ōnanjimine to the southeast, namely, Kengamine (front left, with Midorigaike Pond directly below) and the highest peak, Gozengamine (back right). From the direction of the view and shadows, we find that the scenery is just "Mt. Haku shining in the morning sun." Using the technique of mimicking a computer-modified version of the photo, I made the painting significantly brighter than the original photo.

2023年1月13日金曜日

夢と記憶の妙 (Mystery of the Dream and the Memory)

[See the English version of this post.]E. U. コンドン、G. H. ショートレイ著「原子スペクトルの理論」、Amazon のウェブサイトから
"The Theory of Atomic Spectra" by E. U. Condon & George H. Shortley, taken from the Web site of Amazon
(I made links to the book title as an Amazon Associate and earn from qualifying purchases.)

 覚醒時には何十年も思い出したことのなかった一冊の本に関する記憶が、突然、夢の中に出て来た。Condon–Shortley(コンドン と ショートレイ)という2人の共著者の名前としてである。目覚めてから考えても、その本の題名は覚えていなかったが、多分、物性物理学関係の本だろうと思った。著者名でインターネット検索してみると、"The Theory of Atomic Spectra"(原子スペクトルの理論)という1935年発行の名著だと分かった[注1]。物理学を二つの分野に大別すれば、物性物理学と素粒子・原子核物理学分野になり、原子スペクトルは確かに前者に属する。

 私の大学生時代は戦後比較的まもない混乱期で、物理学の各分野の名著が海賊版でいくつも出版されていた。そして、それらを出版業者から取り次ぐアルバイトをしていた 1 年先輩の学生が、私たちの講義を受ける教室へもよく宣伝に来ていた。この本の海賊版についても彼が、「今度 Condon–Shortley が出ます。 原子スペクトルの理論についての名著です」というように宣伝したのが、頭のどこかにこびりついていたのだろう。原子スペクトルに関する講義の中でも、教官が「これについては、Condon–Shortley の本に詳しく書いてあります」と話したかも知れない。また、同期生の誰かが「Condon–Shortley(の海賊版)を買おうかどうしようか迷っている」と言っていたのも聞いたかもしれない。

 私が大学で専攻したのは「原子核」で、「原子」スペクトルについては関心がなかったので、その本を読みたいと思ったことはなく、その本のことを思い出したことも卒業以来 65 年余り全くなかった。それにもかかわらず、著者名だけながら、夢の中で思い出すとは、まことに奇妙で不思議なことである。


 注
  1. 発行所のウェブサイトに次のように書いてある:最初に出版されたとき、"Nature" 誌の批評家は次のように述べている。「人類の既存の知識が巧みに統合してあり、何年にもわたって今後の研究の出発点となるとともに、研究者たちにインスピレーションを与え続けると思われる、強力かつ完全な、第一級の本であるという印象を受ける。」(英文から筆者が意訳。
    https://www.cambridge.org/jp/academic/subjects/physics/atomic-physics-molecular-physics-and-chemical-physics/theory-atomic-spectra)

2023年1月1日日曜日

2023年初めのごあいさつ (Greetings for the New Year of 2023)

[The main text of this post is in Japanese only.]
妻の年賀状の挿絵として、彼女が登った思い出の山の一つである白山[主峰・御前岬(右奥、標高2,702m)と、直下に翠ヶ池を擁する剣ヶ峰(左手前)]を私が描いたもの。『最新版 日本百名山』No. 44(朝日新聞社、2008)の表紙写真を
参考にした。
A picture I made for my wife's New Year card, showing Mt. Haku,
one of the mountains she climbed.

新年おめでとうございます

亀は歩みは眠る長閑かな ——尾崎紅葉

この句がどういう状況で詠まれたかを知りませんが 真の長閑さは世界中から戦争がなくなってこそ得られると思います そのための努力が亀の歩みのようであっても 大切にしたいものです

皆様のご健康とご幸福をお祈りします

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2022年12月17日土曜日

失礼な言葉「勇気を与えたい」(Rude Japanese phrase "yuki o ataetai")

[The main text of this post is in Japanese only.]
失礼です。

 近年、スポーツ選手たちがよく使っている「(自分が活躍することによって、皆さんに)勇気を与えたい」という言葉が気になる。子供たちを前にしての発言ならばよいが、災害などにあった一般の人々をも対象にしている場合が多い。文献 [1] の「与える」の説明には
自分の物を他人に渡し、その人のものとする。やる。▽現在では上の者が恩恵的な意味で授ける場合に使う。
とある。最近、「〜してあげる」という言葉が「上から目線」だと感じる人が増えているようだが(これについては別途記事にしてみたい)、「与えたい」こそは「上から目線」なのである。「勇気を差し上げたい」とでも言って貰いたい。

 なお、文献 [2] に「与える」の使い方について、『デジタル大辞泉』(小学館)を引用しての親切な説明がある。


 文献
  1. 西尾実ほか編、岩波国語辞典第5版 (1994)
  2. 井上明美、第32回「感動を与える」、Web日本語:日本語マナーの歳時記 (2013) [https://www.web-nihongo.com/j_manner/jm_p032/]
(2022年12月17日一部追記)