水彩画『北岳』
My watercolor "Mt. Kitadake"
私の出身高校は 10 年間「金沢菫台高校」の名だったが、その前の旧制中学時代には「金沢商業」で、後には「金沢商業高校」となった。そこで、同窓会は「金商菫台同窓会」の名を持つ。先日、その関西支部から、総会、懇親会、年会費徴収を廃止し、「一筆箋・関西そくさい便り(仮題)」を小冊子にまとめて会員に送付することで、会員交流のツールにしたいとして、議案書等の書類と返信用ハガキが送られて来た。コロナ禍が続いた影響である。ハガキ表面下部に議案への賛否回答欄があり、裏面が「一筆箋 . . . 」原稿記入欄になっているが、書類によれば、絵・写真などもよく、文章の長短も気にすることなく送って欲しいとのことだ。そこで、返信用ハガキとは別便の封書で、私が最近「美交会展」に出品した絵の写真とそれに関する文を投函した。以下は、その文を若干修正したものである。
私は堺市内で毎年 1 回開催されているアンデパンダン方式の美術展「美交会展」に、不透明水彩画 1 点を出品することを趣味の一つにしている。この展覧会の開催時期は昨年まで秋だったので、作品を 7、8 月頃にゆっくり準備していた。現場での写生でなく、写真を参考にして細かく描くため、F6 サイズ(410 mm × 318 mm)という小さな作品ながら、制作に 1 ヵ月程度かかる。
ところが、今年は開催期間が 6 月 7 日から 12 日までと急に変更になり、あわてて 4 月から取り掛かった。かねがね写実的な描き方から脱皮したいと思っていたので、「細部ポスター化手法」(私的命名。実は写真をコンピューター加工した結果の真似)を新しく試みた。その結果、例年より長い制作期間を要し、画材屋に額装を依頼する時間的余裕がなくなり、家に飾ってあった過去の作品の額に代入して出品することとなった。
ここ数年は、山岳写真家たちが撮った日本百名山の写真の中から気に入ったものを選び、それをもとに描いている。妻が 2011 年に百名山の全山登頂を達成しており(妻の山行の日々、私はもっぱら留守番をしていた)、その苦労をせめて作画で味わいたいという思いと、彼女の思い出を助けたいとの考えもあってのことだ。
上掲の写真は、今回の出品作『北岳』である。『朝日ビジュアルシリーズ 最新版日本百名山 No. 13 北岳 間ノ岳』(朝日新聞出版、2008 年)の表紙に使われている、中西俊明氏の写真をもとにした。ロシア軍のウクライナ侵攻や長引くコロナ禍による最近の暗い気持ちを吹き飛ばそうと、中西氏の写真よりも色彩をぐっと明るく変えた。画材としては、ホルベイン不透明水彩絵具とホルベイン ウォーターフォード水彩紙を使っている。
着彩をしながら、「近くで見ると、色の塊の奇妙な並びのようだが、遠くから見れば、立体感が出ている」と思っていた。このたび美交会展の世話人代表役につくことになった H・T 氏からも、「遠くから見るのが良いという絵になっている」と評されたのは嬉しかった。
私は堺市内で毎年 1 回開催されているアンデパンダン方式の美術展「美交会展」に、不透明水彩画 1 点を出品することを趣味の一つにしている。この展覧会の開催時期は昨年まで秋だったので、作品を 7、8 月頃にゆっくり準備していた。現場での写生でなく、写真を参考にして細かく描くため、F6 サイズ(410 mm × 318 mm)という小さな作品ながら、制作に 1 ヵ月程度かかる。
ところが、今年は開催期間が 6 月 7 日から 12 日までと急に変更になり、あわてて 4 月から取り掛かった。かねがね写実的な描き方から脱皮したいと思っていたので、「細部ポスター化手法」(私的命名。実は写真をコンピューター加工した結果の真似)を新しく試みた。その結果、例年より長い制作期間を要し、画材屋に額装を依頼する時間的余裕がなくなり、家に飾ってあった過去の作品の額に代入して出品することとなった。
ここ数年は、山岳写真家たちが撮った日本百名山の写真の中から気に入ったものを選び、それをもとに描いている。妻が 2011 年に百名山の全山登頂を達成しており(妻の山行の日々、私はもっぱら留守番をしていた)、その苦労をせめて作画で味わいたいという思いと、彼女の思い出を助けたいとの考えもあってのことだ。
上掲の写真は、今回の出品作『北岳』である。『朝日ビジュアルシリーズ 最新版日本百名山 No. 13 北岳 間ノ岳』(朝日新聞出版、2008 年)の表紙に使われている、中西俊明氏の写真をもとにした。ロシア軍のウクライナ侵攻や長引くコロナ禍による最近の暗い気持ちを吹き飛ばそうと、中西氏の写真よりも色彩をぐっと明るく変えた。画材としては、ホルベイン不透明水彩絵具とホルベイン ウォーターフォード水彩紙を使っている。
着彩をしながら、「近くで見ると、色の塊の奇妙な並びのようだが、遠くから見れば、立体感が出ている」と思っていた。このたび美交会展の世話人代表役につくことになった H・T 氏からも、「遠くから見るのが良いという絵になっている」と評されたのは嬉しかった。
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