2004年11月19日金曜日

恐るべき改憲大綱原案

 さる 17 日、自民党憲法調査会がまとめた改憲案大綱の原案が明らかにされた。

 「平和主義および国際協調」の項では、「戦争放棄」の言葉を残しながらも、「自衛または国際貢献のための武力の行使であっても、行使は究極かつ最終の手段」と述べ、事実上、武力行使を可能にすることを狙っている。「国際貢献のため」や「究極かつ最終」という言葉は、まことにあいまいであり、これでは、いかなる武力行使も行われかねない。恐ろしいことである。

 さらに、強力な武力行使を可能にするため、「自衛軍を創設」し、その任務に「国際貢献のための活動(武力の行使を伴う活動を含む)を行うこと」を入れている。これは、「戦争放棄」の言葉を形骸化するものである。このような原案にそった「改正」の動きが進められることに対し、国民は、あの暗い第2次世界大戦の日々を思い起こし、また、現在イラクで続いている泥沼化した戦争に注目し、注意深い目をそそぎ続けなければならない。

関連サイト
  1. 「軍」明記、海外で武力行使 自民が改憲大綱原案
  2. あたらしい憲法のはなし / 憲法9条 戦争と平和

コメント(最初の掲載サイトから転載)

C 11/19/2004 16:59
 Ted さんの「戦争や紛争をなくすため、力を合わせて行きましょう」という言葉、その通りだとおもいます。力を合わせて行きましょう!

2004年11月18日木曜日

What Little I Observed(私のささやかな感想)



Dear Y-kun,

 先日ご連絡いただいた M 氏の訳本の一冊の和訳題名「何と少ししか覚えていないことだろう」が、ちょっと気になっていました。原題は What little I remember (注)です。和訳題名のような意味であるためには、原題は How little I remember! となっているはずです。しかし、私が従来思い込んでいた意味が間違いということもあろうかと、いま Longman Dictionary of Contemporary English の "little" の項を念のため引いてみました。そこには、
what little the small amount that there is, that is possible etc: We did what little we could to help. | The firemen recovered what little remained of the bodies.
とあります。"little" はふつう「ほとんどない」の意味になりますが、what little という成句のときは、「わずかながらある」のです。"What" は先行詞を兼ねた関係代名詞であり、"little" はそれを後ろから修飾している形容詞です。したがって、原題は、私がいままで思っていた通り、謙遜も込めて「私のささやかな思い出」を意味していると考えられます。

 M 氏訳は、これとくらべて、意味上の大差はありませんが、厳密に言えば誤訳です。英語をよく知っている人がこの題名を見れば、原題名を推定し、これが誤訳であることにすぐ気づき、中身の翻訳の正確さを疑うことにもなりかねません。M 氏に "What little I observed(私のささやかな感想)" としてお伝えいただければ幸いです。すでに出版されているので、訂正はできないでしょうが。なお、この本は、物理学者の自伝中では私の最も好きなものの 1 冊なので、日本語訳が出たことを、大いに歓迎している旨も、合わせてお伝え下さい。

 先日、京都の高雄山と嵐山へ紅葉見物に行きました。その時の写真(高雄山神護寺)を 1 枚添付しますので、ご笑覧下さい。

Best wishes,
Ted

 P.S. 私はファインマンに関する随筆をホームページに掲載していますが、その一つの英語版の題名を "What little I can talk about Feynman" としています(日本語版は「ファインマンさんと私の無関係な関係」)。これは、もちろん、What little I remember をもとにしたものです。(T)

 注:Otto R. Frish, What Little I remember (Cambridge University Press, 1979).
 オットー・フリッシュ(1904–1979)はオーストリア生まれの物理学者。1939 年、伯母のリーゼ・マイトナーとともに、核分裂の発見に関わり、のちに英国で研究を続けた。


効き過ぎたインパクト

 上記のメールで、Y 君から M 氏へ私の考えを伝えてもらうことを頼んだが、それに対して M 氏から Y 君当てに送られた返信のコピーが、直接私へも届いた。そこで、M 氏宛に次のメールを送った。

M 様

 Y 君へのメールのコピーをお送りいただき、ありがとうございました。

 「私の覚えている少しのこと」では題名としてインパクトがないので、「何と少ししか…」にされたとのこと、たしかにインパクトのある題名でした。ありすぎて、失礼を申し上げる結果となりました。 翻訳書の題名は正確な訳でなくてよいでしょうが、誤訳とまぎらわしいのは避けていただいた方がよいかと存じます。

 Y 君は、私がご翻訳二書の原書をどちらも読んだようにお知らせしていましたが、パイエルスの方は買ってあるだけで、まだ読んでおりません。英語の好きな私でも、原書を読むのは、和書を読むのに比べればスピードがずっと遅く、理解も不十分なところがあったりします。翻訳のご苦労は並大抵ではないとお察しし、二つの良書のご翻訳を出されたことに敬意を表します。

Ted

2004年11月17日水曜日

「憲法 9 条を世界に輝かせる」

 一昨日、元同僚のK君が堺市教職員組合役員の Y 氏を連れて、私を訪ねてきた。K 君は「自由と自治・進歩と革新をめざす堺市民懇話会」の事務局長をしている。訪問の目的は、日本国憲法 9 条の「改正」を阻み同条を守り生かすために、創意をこらして行動に立ち上がることを堺市民に訴え、とりあえずは、2005 年 1 月 11 日に「九条の会」メンバーの一人・小田実氏の堺での講演会を成功させるための、呼びかけ人の一人になって欲しいということであった。

 私はホームページに「九条の会」へのリンクを設けていることでもあり、二つ返事で承諾した。

 「九条の会」は、井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の各氏が呼びかけ人となって、2004 年 6 月 10 日に発足したもので、そのアピールには、「平和を求める世界の市民と手をつなぐため、あらためて憲法 9 条を世界に輝かせたい」という言葉がある。私はいまアピールを読み返して、ここに引用した部分に最も魅力を感じたのだが、「九条の会」ホームページのトップへ戻ってみると、そこに、この言葉が抜き書きされていた。英語版では次のようになっている。
The "Article 9 Association" strives to shine the light of Article 9 upon this turbulent world, in order to join hands with the peace-seeking citizens of the world.

コメント(最初に掲載したサイトからコピー)

S 11/17/2004 18:25
 世界の平和を求める人たちが手を携えて、平和憲法、特に、九条を守り抜くことは大変意義深いことと思っています。私は仕事柄、政治色は表に出せないので、陰ながら応援したいと思います。

Ted 11/17/2004 19:52
 ありがとうございます。

2004年11月16日火曜日

Autumn Leaves


Wolfgang is a physicist who retired from Max Planck Institute, Garching, Germany. He is a common friend of my former colleague, Kenji, and me; and he is now working at the National Institute of Fusion Study in Toki, Gifu, as a visiting scientist. Kenji and I wanted to show Wolfgang the beautiful scenery of autumn leaves in Kyoto.

So, the three of us met at JR Kyoto station at 10:00 a.m. and went to Takao and Arashiyama. Luckily it was rather fine today. It was a little early to see the full red color of maple leaves. However, it was also good to see the mixture of red, yellow and green colors. In spite of a weekday, there were many people at both the places we visited. The photo shown here was taken at Jingo Temple, Takao.

Wolfgang brought me a gift from Germany. It was a small book written in English, "Pinakothek der Moderne, Munich: Guide to the Collections" (Prestel, Munich, 2003). Pinakothek is the name of the art museums in Munich. There are Alte (Old) Pinakothek and Neue (New) Pinakothek. I visited the former when I went to Munich in 1989. They seem to have built a new building, Pinakothek der Moderne, as part of Neue Pinakothek.

Comments (Copied from the original site of this article)

J 11/17/2004 00:27
Hi, Ted,
The photograph is very beautiful. Red and yellow and green leaves are mixed. If you visit there next time, you may see the full red color of maples.

S 11/17/2004 07:42
紅葉狩りに行かれたのですね。きれいな写真です。Ted さんの水彩画も見てみたいものです。

Ted 11/17/2004 08:36
Hi J and S,
Thanks for your kind comments. I've added a new paragraph after you had read this story.

M☆ 11/17/2004 17:56
Wow! That's a good situation! I went to Lake Kawaguchi last week. There was also beautiful scenery with red leaves. This photo makes me feel relaxed. I felt happy. Thanks, Ted!

Ted 11/17/2004 19:51
Do you live near Lake Kawaguchi? Or did you make a trip of a few days there?

M☆ 11/18/2004 10:35
I live in Chiba Prefecture. It was a nice trip to go to the Lake Kawaghcuhi.

Ted11/18/2004 11:05
I see. Thanks.

2004年11月13日土曜日

京都議定書

 京都議定書とは、1997 年 12 月に京都において採択された、地球温暖化を防止するための国際条約である。さる 11 月 4 日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が批准法案に署名したことから、来年2月にその発効が決まったことは喜ばしい。日本は 2002 年に批准したが、アメリカはブッシュ政権下で 2001 年に脱退を表明している。最大の温室効果ガス排出国であるアメリカの協力が得られないのは、きわめて困ったことである。

 京都議定書で日本に課せられた義務は、二酸化炭素を中心とした温室効果ガスの総排出量を、2008–2012 年の間に、基準年(1990)比で6%削減するというものである。しかし、2002 年度の総排出量は 1990 年比 7.6 %増、2003 年度の速報値は 8 %増となっており、これから数年のうちに約 14 %削減しなければならない、と報じられている [1]。たいへん厳しい状況だが、国民の生活にしわよせするのではなく、大企業等、大口の排出をこそ、大幅に減らすべきだと思う。

 後日の注記:以下のリンクはどちらもリンク切れとなった。
 文 献
  1. 東京新聞ウエブサイト 11 月 8 日付け「核心」記事
 関連サイト