上:にっぽん丸、来島海峡を通過。来島海峡大橋がかすかに見える。下左:塩俵の断崖。下中:カトリック紐差教会。下右:平戸ザビエル記念教会の尖塔と麓の三つの寺院の瓦屋根。各写真の拡大版はこちら。
Upper: Nippon Maru passes the Kurushima Strait, the Kurushima Kaikyo Bridge being faintly visible. Lower left: cliffs of Shiodawara. Lower middle: Catholic Himosashi Church. Lower right: the steeple of Hirado Xavier Memorial Church in the back; the tiled roofs of the three temples, Shoju-ji Temple, Komyo-ji Temple, and Zuiun-ji Temple, in the foreground. Click here to see a larger version of each photo.
9 時頃、にっぽん丸は来島海峡を通過(写真・上)。運動のため、4 階のデッキを 5 周ばかり歩く。10 時 45 分から 45 分間、4 階メインホールでの「みんなで歌いましょう~春と海に寄せて~日本歌曲」に参加。講師・日比野 幸(みゆき)さん、ピアノ伴奏・相田久美子さん。
11 時 30 分から昼食(和食)。14 時から 45 分間、6 階カジノコーナーで、夜のカジノに備えて、ブラックジャックとルーレットの遊び方の紹介を聞く。15 時から 1 時間弱、「4(フォア)ドルフィンズ」(本船専属の楽団)の演奏を聞きながら、アフタヌーンティーでくつろぐ。
17 時から 30 分間、船長主催カクテル・パーティー。ペルーサ・タクナウ トリオの演奏つき。ドレスコードは「フォーマル」と指定されている。船は関門海峡に接近中で船長は手を離せず、欠席。引き続きウェルカム・ディナー。
19 時 45 分から 45 分間、6 階ラウンジで林屋染雀さんの落語を聞き、笑い転げる。21 時 30 分から 1 時間、4 階メインホールで「千の風になって」で有名になった「テノールの貴公子」秋川雅史さんのコンサート。伴奏は田澤恭子さん。開場 1 時間前から行列ができるほどの人気で、優雅でエネルギッシュな歌声が多くの船客を魅了した。
4 月 30 日(月)午前 8 時、にっぽん丸は平戸・川内港沖で錨泊。9 時前に通船で上陸し、マイクロバスで「隠れキリシタンの島・生月島と平戸満喫」と称するオプショナルツァーに出かける。生月(いきつき)島は平戸の北西に位置し、緑と海の大自然に囲まれている。隠れキリシタンの文化が長い迫害に耐えて受け継がれてきた場所である。
港の岸壁を出発したバスは生月大橋を渡って、生月島に入る。まず、生月町博物館・島の館を訪れる。青年学芸員から、江戸時代にこの島で盛んだった捕鯨や、隠れキリシタンについて分かりやすい説明があった。この地の隠れキリシタンは、16~17 世紀の祈りのことばであるオラショを唱えるなど、古いキリシタン形態を残す一方で、潜伏時代に土着の信仰・宗教と習合した独自の形態を持つそうだ。
続いて、塩俵の断崖(写真・下左;中ほどに柱が並び立つような奇岩が見える。南北に 500 m、高さ約 20 m。玄界の荒波が刻んだ壮大な彫刻である)と大バエ灯台を見物したあと、漁師料理の昼食をとる。午後は、生月大橋を再び渡って平戸へ戻り、カトリック紐差教会を見学(写真・下中)。現在の大天主堂は 1927 年に着工し、2 年後に完成したもので、東洋でも指折りのロマネスク様式の堂ということである。
次に、平戸ザビエル記念教会と松浦史料博物館を訪れる。同教会は 1913 年に「カトリック平戸教会」として建てられ、1931年に現在地に建設されたもの。教会の麓には正宗寺、光明寺、瑞雲寺の三つの寺院の瓦屋根が見える(写真・下右)。松浦史料博物館は、1983(明治 26)年、旧平戸藩主松浦氏が住まいとして御殿風に建てた「鶴ヶ峯邸」を、そのまま博物館として使用しているものである。鎌倉時代から松浦家に伝承秘蔵された、平戸の歴史を物語る資料が展示されている。
17 時頃、船へ帰着。18 時 15 分、大社へ向けて出港。夕食後は、20 時から 30 分間、林屋染雀さんの落語を再度聞く。21 時 15 分から 1 時間のメインショーは「日比野 幸 ソプラノコンサート part 1」。日比野さんは、イタリアでの第 5 回 TITTO GOBBI 国際声楽コンクール最高位受賞、2005 年に第 6 回藤沢オペラコンクール第 1 位と福永賞受賞の経歴を持ち、二期会会員。その表現力豊かな歌声を楽しむ。