2015年8月6日木曜日

政池君の調査が朝日紙記事「湯川博士の手帳、何語る:原爆研究史に向き合う学者たち」に (Masaike's survey was reported in The Asahi Shimbun Article "Scientists Mining New Trove of Information on Japan’s Wartime A-Bomb Program")

[The main text of this post is in Japanese only.]


朝日紙・大阪版 8 月 4 日付け夕刊記事の一部。
Part of the article appeared in The Asahi Shimbun.

 大学研究室の同窓生で友人の政池明君(京都大学名誉教授、高エネルギー物理学)は、かねてから核開発の歴史について調査しているが、このほど、ウラン 235 の遠心分離装置開発に関する資料を、清水栄・京大名誉教授の遺品のノート中に見つけたことが報道された。『朝日新聞』大阪版 8 月 4 日付け夕刊記事(上掲の写真)、『朝日新聞デジタル』8 月 5 日付け記事「湯川博士の手帳、何語る:原爆研究史に向き合う学者たち」(見出しは異なるが、内容は前記夕刊記事と同じ)、同英語版記事、『産経ニュース』7 月 26 日付け記事「戦中日本、原爆研究の新図面:京大でウラン濃縮装置、「完成 昭和 20 年 8 月 19 日」と記載」などである。

 政池君は朝日紙記者の取材に対して、「真理を探求すべき科学者が、原爆開発にどうかかわったのか知りたい。すべての科学者は、自分の研究がどう使われるのか真剣に考える必要がある」と語っている。

 『朝日新聞デジタル』の記事は、「湯川博士の手帳」を見出しに取り上げているが、こちらは記事の後半に述べられている、小沼通二・慶応大名誉教授(素粒子論)による調査のことで、「最近も湯川博士の自宅で三十数冊の手帳が見つかった」ことが報じられている。

 私は先日「藤岡の原子液滴模型からアインシュタイン・荒勝関係まで」(下記の修正後の題名の和訳)という記事を英語版のブログサイトに載せた折に、政池君にそれを知らせたところ、彼から忠告の電話を貰ったばかりである。彼も以前、その記事に登場するアメリカのフリー・ジャーナリストから接触を受けたが、日本でも原爆研究が行われていたことを喧伝して、アメリカの原爆投下をあくまでも正当化しようとする修正派歴史家の一人と思われるので注意するようにとのことだった。いわれてみれば、そのジャーナリストと私のやりとりの間にもそうした危険性が確かにうかがわれたので、政池君の忠告を尊重して、その記事の一部を削除するなどの修正をした。

 なお、政池君の今回の調査結果の記事を検索している間に、彼の「戦時下の日独の原子核研究」と題する講演(NPO 法人「知的人材ネットワークあいんしゅたいん」主催「サロン・ド・科学の探索」第 2 回、2015 年 1 月 25 日)のスライドが、こちらから、文末の「政池資料」をクリックしてダウンロード出来ることを知った。スライドは三千代夫人との共著になっている。

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