2007年11月25日日曜日

憲法学者・鈴木安蔵

 昨11月24日の午後、なかもず じばしんホールで、映画「日本の青空」堺上映実行委員会が開催した上映会に参加した。同映画は、監督=大澤豊、企画・製作=「日本の青空」政策委員会・有限会社インディーズの作品である。雑誌編集部の派遣社員・沙也可(田丸麻紀)が、特集企画「日本国憲法誕生の原点を問う!」のため、憲法学者・鈴木安蔵(高橋和也)の取材を行うという形で映画は展開する。

 鈴木安蔵(1904~83)は、さまざまな国の憲法や明治の自由民権憲法案に精通していた憲法学者で、民間の「憲法研究会」案を通して、日本人の心にかなった日本国憲法の基礎を作り上げた中心人物である。憲法公布直後に、憲法普及会の理事を務め、のちに大学で憲法学の教鞭をとり、日本国憲法の普及に尽力している。

 敗戦の年である1945年の10月25日、政府は憲法問題調査委員会(松本委員会)を設置したが、民間では、いち早く、鈴木安蔵、高野岩三郎、岩淵辰雄、室伏高信、森戸辰男、杉本幸次郎らによる「憲法研究会」が11月5日に発足し、12月26日までに6回の会合をもった。そして、12月26日に同会は「憲法草案要綱」を GHQ と政府に提出し、28日に各新聞が一面で草稿内容を報道した。1946年1月11日、GHQ 民政局法規課長ラウレル陸軍中佐が「憲法研究会」案を「民主主義的で賛成できる」と高く評価する所見を民政局局長と連名で総司令部に提出し、同案が GHQ 案に反映されることになったのである。(以上、上映会のちらしを参考にした。)

 このような、日本国憲法誕生の真相を知れば、改憲論者たちの「アメリカから押しつけられた憲法」との見方が無根拠であることがはっきりする。憲法問題を考える上で、多くの日本国民に見て貰いたい映画である。

 追記:同じ11月24日、東京・日本教育会館で「九条の会第2回全国交流集会」が開かれ、北海道から沖縄まで47都道府県、520の「九条の会」から1020人の参加があったそうである。なお、全国の「九条の会」は24日現在で、6801を数えているということである。(九条の会オフィシャルサイトによる。)

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