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M・Y 君から "Ted's Coffeehouse 2" 2012年7月分への感想を2012年8月11日付けで貰った。同君の了承を得て、ここに紹介する。
1. 7月4日はヒッグスの日
世紀の物理実験結果の報告を視聴された様子が次のように書かれています。
素粒子に質量を与える原因と考えられる仮説上の素粒子「ヒッグス粒子」を探しているジュネーブの欧州合同原子核研究所(CERN)が、7月4日の午前9時(現地時間)から、超大型粒子加速器 LHC による実験の報告会を行なった。会の様子はウェブで放映されたので、高エネルギー物理学の熱心なファンである私は、丸2時間、パソコンに釘付けになって見ていた。[…]
最初に CMS 実験グループを代表して、カリフォルニア大学の J. Incandela 氏が、続いて ATLAS グループを代表して CERN の F. Gianotti さんが報告した。両者それぞれの高精度の結果が示された瞬間には、聴衆から大拍手が巻き起こった。どちらの発表もまだ予備的なものだが、質量領域 125〜126 GeV のところに新しい粒子の存在する可能性が十分高くなったということであった。この粒子の存在を理論的に予言したピーター・ヒッグス氏が会場に招かれていたが、「このようなことが私の生きている間に起こったとは信じ難い」と語った。
ウェブ放映に平行して、その放映を見ている専門家たちのツイートも、私はパソコンの別ウィンドウで眺め、ときどきリツイートした。[…]
昨年12月14日付けの「昨夜は聖夜気分」にも、両実験チームがこれまでに得た結果をセミナーで発表した内容のメディア・ニュースを楽しみにして、サンタクロースが枕元に置いて行ったプレゼントを期待する子どもさながらの気持ちで床に入った、と書かれています。今回は高精度の実験結果の報告に対する聴衆の反応が臨場感豊かに描写されています。今年中にデータを積み重ねて発見を確定すること、CERN の巨大加速器には日本企業の先端技術がつめ込まれていること、世界的な発見は日本の技術力なしでは実現しなかったこと、などが新聞に報道されました。
2. 大津で
筆者ご夫妻と女医Nさんとの再会について、次のように書かれています。
さる7月15日、2007年に日本一周クルーズで知り合った埼玉の女医・Nさん(83歳)が、一昨年に続いて大阪で行なわれた高野山大学主催の講演会を聴講に来られた。高野山大学はNさんの夫君が2008年秋に最後の日々を過ごした場所だったのである。Nさんは15日の晩、京都の都ホテルに泊まられたので、翌日、妻と私はそこへ会いに行き、大津へご案内した。[…]
大津プリンスホテルの36階和食堂で、琵琶湖の風景を見ながら昼食。次いで、ホテルの前の大津プリンスホテル港(におの浜観光港)から、外輪船「ミシガン」に乗り、90分の湖上遊覧をする。[…]ミシガン号は南湖を一周して、大津港へ。[…]再びホテルへ入り、ロビーラウンジでコーヒーを飲みながら、しばしくつろいだ。
さり気なく書かれた短編ですが、優しい物語です。
Nさんの夫君の最後の日々については、2008年11月25日の「見舞う」、30日の「祈る」に書かれています。私はこの時、次のような感想を書きました[引用者注:両ブログ記事は、目下リンク切れ]。「クルーズで邂逅した老夫妻とのわずか1年余という短い期間に起こったこの物語は以下の理由で、現代離れした宿縁的な感じがします。昨年クルーズで知り合い、その後メールで付き合っていただけで、住所も知らなかったのに、ご主人が晩秋の高野山での大学院のスクーリングに参加される出発前に、体調を心配された奥様から、筆者宛てに万一のことがあれば相談にのって下さいと、あたかも虫の知らせでもあったようなメールが届きました。万一のことはないだろうと思いながら、ご心配なくと返事を出した後、その万一が起こり、奥様から電話があり、筆者ご夫妻は行ったことのない方面の病院に電車とバスを乗り継いで出かけました。その数日後にご主人は亡くなられました。」
3. オランダ、ベルギー運河の船旅
オランダ、ベルギー運河の船旅は、完結に近づきました。多くの立派な写真とスケッチ入りで簡潔にまとめられた中には、新たに知ったこと、私の過去の経験の認識を深めたこと、将来の持続社会に示唆的な生活様式など、多くのことがあり、興味深く読ませていただきました。完結を待って感想をまとめます。
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