2014年12月31日水曜日

電気ツリーまたはリヒテンベルク図形 (Electrical Tree or Lichtenberg Figure)

[The main text of this post is in Japanese only.]


冬姿の木の枝。
Branches and twigs in winter.


アクリル樹脂ブロック中の電気ツリー(リヒテンベルク図形)。
Electrical tree (Lichtenberg figure) in an acrylic block.

 電気ツリー[リヒテンベルク図形 (Lichtenberg figure) とも呼ばれる]とは、絶縁体内で絶縁破壊による放電が生じたときにできる模様のことである。その模様が樹枝状をしているところから、電気ツリーの名がある。しかし、樹枝自体が、いわゆる樹枝状を呈するのを見ることが出来るのは、葉を落としている冬に限られる。

 昨日のウォーキング中に、これぞリヒテンベルク図形に近い樹枝の姿だ、と思って撮影したのが、1 枚目の写真である(2 枚目の写真との比較のため、反時計回りに 90 度回転した)。2 枚目の写真は、1998 年にウクライナのハリコフ国立大学放射線物理学研究所を訪れた際に土産として貰った、アクリル樹脂ブロック中のリヒテンベルク図形を撮ったものである。この図形は、ブロックに電子線照射をしたのち、放電を起こさせて作られている。撮影の際には、後方に黒い紙を当て、撮った写真をイメージ処理ソフトで白黒反転させた。

 2 枚の写真を比較してみると、1 枚目の樹枝のほうが、直線的な部分がより多く、また、枝分かれ頻度がより少ない図形になっている、といえるようだ。ただし、いま述べた二つの相違のうち、第 1 のほうは、第 2 のほうが原因となって生じているのかもしれない。

 これらの図形は、どちらも、その一部分が全体に似た形をしている。難しくいえば、「部分と全体が自己相似になっている」ということである。このような図形に対して、フランスの数学者ブノワ・マンデルブロ (1924–2010) は、「フラクタル」という幾何学の概念を導入した。いまやフラクタルの研究や応用は、工学、生物学から美術にいたるまで、広範囲に及んでいる。同じフラクタル状の図形でも、1 枚目と 2 枚目の写真に見られる相違については、どのような計量的表示方法があるのだろうか。フラクタル次元という量があるが、これは必ずしも図形の形を一義的に決めるものではないという(Fractal dimension, Wikipedia, The Free Encyclopedia 参照)。

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