2015年1月27日火曜日

2015 年 1 月 1 日までの記事へのエム・ワイ君の感想 2 (M.Y's Comments on My Blog Posts until January 1, 2015 -2-)

[The main text of this post is in Japanese only.]


わが家の植木鉢に咲いたロウバイの花。2015 年 1 月 27 日撮影。
Flowers of wintersweet blooming on a flowerpot in my yard; taken on January 27, 2015.

2015 年 1 月 1 日までの記事へのエム・ワイ君の感想 2

 M・Y 君から貰った "Ted's Coffeehouse 2" 2015 年 1 月 1 日までの記事への感想の続きを紹介する。



2.K・F 氏へのメール

 K・F 氏が昨年 10 月に出かけた、米国に西海岸のヨセミテ公園への旅について、出発直前と帰国後の報告に対する筆者のメールが掲載されています。

(1) K・F 氏へ:心がぐらつく
2014 年 10 月 2 日
K・F 様
 10 月 1 日付けメール、ありがとうございました。
 ResearchGate[ブログ記事にした際の注:研究者の交流のためのウエブサイト]は登録して、後は放っておいて、気の向くときに眺めるだけでもよいので、ひるまないで参加されることをお勧めします。無理にとはいいませんが。
 秋田大学の地球科学コース受講やアメリカ西部海岸への旅行など、お元気なご活躍ぶりに感服しています。アメリカの土産話を期待しています。
 私は、今月 10 日に東京で、大連にいたときの小学校の同窓会総会(一同が高齢化し、今回が最終回)が開催されますので、前日に上京します。その夕方、逗子市から Y 君、我孫子市から M 君が来てくれて、木村研のミニ同窓会を持つ予定です。
「Y 君」とは私のことで、M 君と F さんは、私たちが実験原子核物理学講座・木村研の修士過程 2 年になったとき、同研究室に入って来ました[引用者の注:F さんも男性で、Y 君と私の 1 年後輩ですが、教職を経験した後に大学院へ入ってきたため、年齢は上であり、一同が大学院修了後には「さん」づけで呼んでいます]。1 年間同じ研究室で研究や勉強をした仲で、F さんの近況にふれて懐かしく読ませて貰いました。
 F さんは anthropic cosmological principle(人間原理)が提唱されたばかりの頃、それに興味を持っておられましたね。私は、その考えはコペルニクス以来の宇宙観・物理観に反すると思っていました。 最近、science writer の Jim Baggott が著した "Farewell to Reality: How Modern Physics Has Betrayed the Search for Scientific Truth" という本を読みました。Baggott はその本において、multiverse、anthropic cosmological principle、super-symmetric particles などの現代の宇宙物理学・物理学の理論には観測的、実験的根拠がない、もしくは原理的に得られない、として、それらの説を "fairy-tale physics" と呼んでいます。これを読んで、私はわが意を得たりと思いました。
 しかし、続いて、John Brockman 編の "The Universe" という本を読み始めたところ、"fairy-tale physics" は、必ずしもそう呼ばれるべきものではないのではないか、と心がぐらついています。この本には 20 名近くの著名な宇宙物理学者、物理学者たちが最近の理論を分かりやすい言葉で述べていて、super-string theory で無数の解の存在が予想されることは、multiverse や anthropic cosmological principle につながる、といわれると、なるほどと思わされるのです。
 では、ご旅行の無事を祈っています。
 T・T
 F さんが「人間原理」の提唱されたばかりの頃からそれに興味を持っていたのに対し、筆者はそれに疑問を感じていたのです。しかし、筆者は最近の読書から、この原理は正しいのかもしれないと、心がぐらついていることを告白しています。このメールのタイトルが「心がぐらつく」であり、筆者は、F 氏の好奇心と秋田大学の地学コース受講が動機になっていると思われる旅へのはなむけに、F 氏の先見の明を讃えたように思われます。このような筆者の読書による旺盛な探究意欲には感心させられます。(つづく)

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