2015年5月7日木曜日

英語の試験に出た名前 (A Name in English Language Exam)

[The main text of this post can be read in English here.]


カラーの花。2015 年 5 月 6 日、ウォーキング途中で撮影。
Flower of calla; taken on my way of walking exercis on May 6, 2015.

英語の試験に出た名前

 フェイスブック上のイタリアの友人、キアラ・マイエロンさんの新しい書き込みを見に行くと、サビノ・チヴィタという名の彼女の友人によるコメントが書き込まれていた。チヴィタという名は、大学教養課程時代の英語の試験問題にあったレヴィ-チヴィタという名の数学者を私に思い出させた。それはアインシュタインについての文を和訳する問題で、英語の先生は、理学部の学生ならその話を好み、ほとんどの学生がうまく訳せるだろうと思って出題したのだが、大学 2 年生にはかなり難しかった。

 まず、Levi-Civita というイタリア名の読みが「レヴィ-チヴィタ」のようになることに気づかず、私は「レヴィ-スィヴィタ」と書いた(ここで減点されたかどうかは知らない)。しかし、のちに著名な物理学者(超電導理論専門)になった親友の真木和美君は、「レヴィ-チヴィタ」と正しく書いたと言っていた。

 また、私は英語が結構得意だったにも関わらず、"mechanics" という単語が「力学」のことであるとは当時まだ知らず、mechanical engineering を連想して「工学」と訳してしまった。これも真木君は正しく訳したようだった。(高エネルギー加速器や GPS がまだ出現しない時代に、相対論による「工学」とは、私は何を想像したのだろう。)

 レヴィ-チヴィタの名に再び出会ったのは、同じ大学 2 年生の間に、有志仲間で相対論の本を輪読していたときのことだったと思う。ある日、その輪読を、教室でなく、その輪読のアドバイザーをお願いしていた田村松平先生(湯川博士の先輩にあたる)の部屋ですることになった。のちに広島大学教授になった鷲見(すみ)義雄君というのが、先生の書棚にレヴィ-チヴィタの著書を見つけて、「レヴィ-チヴィタ、けったいな名前やな!」といった。しばらくして、田村先生が「鷲見君は、将来結婚するときに不都合があるだろう」といった。鷲見君は驚いて、「どうしてですか」といった。先生は答えた。——「湯川君の奥さんはスミという名だ。鷲見君が同じ名の女性と結婚すると、その女性は "すみスミ" という、いともけったいな名になる。」

 [注]この記事は、英語版の概要として書き始めたが、かなり詳しくなってしまった。それでも、英語版とは多少異なる。最後のパラグラフの話は以前どこかに書いたように思う。友人宛のメールに英語で書いたのだっただろうか。

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