Abstract: I prepared a draft for one of the statements that were planned to be made at the 23rd General Meeting of "Sakai-Shimin Kon" held on April 23. It was about the Fukushima nuclear accidents. I did not attend the meeting, so that I do not know the final form of the statement. Considering that the draft might be of use for those who prepare similar statements, I post the draft here. (The main text is in Japanese only.)
最近私が世話人の一人に依頼された「堺市民懇」の事務局から、先日早速仕事を頼まれた。その内容は、さる4月23日開催の同会の総会で福島原発の事故についての声明を出すか決議をするかしたいので、その原案を作成して欲しいということだった。私は4月16日付けで案を送っておいたが、総会には参加しなかったので、最終的にどのような形で発表されたかをまだ知らない。しかし、同様な声明を準備する人びとの参考になればと思い、ここに私の作った案を掲載しておく。
東北地方太平洋沖地震を契機とする福島原発の事故に関する決議(案)
2011年3月11日に発生したM9.0の巨大地震(平成23年東北地方太平洋沖地震)を契機に、東京電力(東電)福島第一原子力発電所は、非常用電源関連設備の損傷によって、原子炉 と使用済み核燃料プールの冷却システムが働かなくなり、炉心の部分的溶融、水素爆発、大量の放射性物質漏れという大きな事故を起こしました。政府は当初出していた半径20キロ圏内の避難指示を一ヵ月後の4月11日に見直し、その外側で放射性物質の累積量が高い地域を「計画的避難区域」に指定する方針を発表するに至り、住民の不安をつのらせています。次いで4月12日、経済産業省原子力安全・保安院は遅まきながら、この事故が「国際原子力事象評価尺度」で最も重大な「レベル7(深刻な事故)」に当たるとの暫定評価を発表しました。この評価は、大気中に放出された放射性物質の量が37万ないし63万テラベクレルの放射能に相当するとの推定によるものですが、この他に放射性物質は海水中へも放出され、海外からの非難も浴びています。冷却機能回復の作業は高い放射線量等に阻まれて難航しており、事故収束の見通しもいまだに立たない状況であり、周辺住民の暮らしから、農業、水産業、中小商工業にいたるまで、深刻な影響が出ています。また、この事故が、原発の設計について専門家が求めていた地震と津波の大きさの想定の引き上げを反映していなかった人災であることが各方面から明らかにされています。さらに、政府の初期対応に大幅な遅れのあったことが事故拡大のもとになっと、国会でも指摘されています。
このような状況に対し、本総会は政府、東電、その他関係機関に次の要請をするものです。
1.東電は事故に関する情報や生データを、原子力三原則の精神にのっとり、いっさい隠したり過小評価したりすることなく、常に速やかに公表すること。政府は、原子力災害対策本部内の意思疎通を緊密にし、東電からの情報・データに対する専門家の的確な評価を踏まえ、住民等への指示を説得力のある形で遅滞なく出すこと。
2.東電は原子炉の破壊状況の詳細な把握に努めるとともに、政府は事故解決の基本方針と長期見通しを、関係省庁、研究機関、大学、産業界等の国内専門家ならびに海外専門家の英知と経験を広く活用して打ち出し、これを明らかにすること。
3.東電と国は、周辺住民および原発の敷地内で働く作業員の安全を最優先した迅速な対応に努めるとともに、住民等の納得出来る被害補償を速やかに行なうこと。
4.政府は国際原子力安全条約(原子力の安全に関する条約)の定めるところに従い、原子力の推進機関と規制機関を分離し、強力な権限を持つ規制機関を作ること。
5.政府、各電力会社および関係諸機関は、今回の事故によってきわめて明白になった原発の危険性を踏まえ、原子力発電の安全宣伝を止め、電力供給を原発に頼る国の方針を自然エネルギー利用の拡大へと転換するための根本的な議論を、国民的な規模で行なうこと。
以上、決議します。
2010年4月23日
自由と自治・進歩と確信をめざす堺市民の会(堺市民懇)
第23回総会
後日の注記:4月27日付けで、堺市民懇事務局長から次の通りの連絡があった。
4月23日(土)、第23回市民懇総会を41名の参加で無事終えることができました。決議は格調高い文章で、考えられる問題点がもらさず指摘されている、と多くの方の賛同をいただき採択されました。
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