2014年2月17日月曜日

2014年1月分記事へのエム・ワイ君の感想 (M.Y's Comments on My Blog Posts of January 2014)

[The main text of this post is in Japanese only.]


ロウバイ。2014 年 1 月 31 日、ウォーキング途中で撮影。
Wintersweet. Taken in the course of my walking exercise on January 31, 2014.

2014年1月分記事へのエム・ワイ君の感想

 M・Y 君から "Ted's Coffeehouse 2" 2014 年 1 月分への感想を 2014 年 2 月 15 日付けで貰った。同君の了承を得て、ここに紹介する。(なお、2013 年 12 月分については、連載記事「ドナウ川クルーズ」が終わりそうで終わらないままだったので、M・Y 君からの感想を貰えなかった。同記事への感想は、連載完結後に貰えることと思う。)



1. 「9条にノーベル平和賞を」の署名運動に協力しよう!
 2014 年元旦のNHKニュースは、安倍首相が年頭にあたっての「所感」を発表し、その中で、「『国のかたち』を表す憲法についても国民的な議論をさらに深めていくべきだ」として、憲法改正に向けた意欲を示している旨を報じた。自民党の無謀な改憲草案を見るならば、首相のこの意欲がいかに愚かしいものかを思わないではいられない。安倍政権の「戦争する国」づくりへの暴走を押しとどめるため、津津浦浦の各九条の会が中心になって、今年を憲法9条を守り生かそうの大合唱の年にしたいと思っていた矢先[…]「日本国憲法、特に第9条、を保持している日本国民にノーベル平和賞を」という署名運動が「憲法9条に平和賞を」実行委員会によって、change.org のウェブページを使って行なわれていることを知らされた。筆者は早速、署名と、ツイッター、フェイスブック、ブログサイト「平和の浜辺:福泉・鳳地域『憲法9条の会』」での宣伝をした。この署名運動をもっともっと広げるため、ここでも宣伝する次第である。本ブログ記事をご覧になった皆さんも、ぜひ署名と運動の拡大にご協力していただきたい。
 上記のように書き起こし、change.org の署名用ウエブページに書かれていることの要点を記しています。署名は、宛先が The Norwegian Nobel Committee, Mr. Thorbjorn Jagland (Chair of the Nobel Committee)、発信者は「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会。その内容は、世界各国に平和憲法を広めるために、日本国憲法、特に第9条、を保持している日本国民にノーベル平和賞を授与してください、というものです。趣旨の中には、「もちろん、日本国民全員が現憲法に賛成しているわけではありません。しかし、今現在も、今この時も、憲法を変えてはいません。受賞に向けて、『世界の平和を願い戦争しないことは良い事であり、守り、広めていこう!!』という価値観の共有自体にも、意味があるのではないでしょうか。この改憲の危機に直面している今、世界の平和のために平和憲法を守り、活かし、広めていくための取組の一つとしてご理解・ご協力いただけましたら幸いです」と真摯な願いが表明されています。いま、ウェブページを見ますと、本年の受賞を目指し、2 月 1 日正午に合計 21433 の署名と 4251 件のコメント、それに推薦資格を有する推薦人の方々の推薦状をノーベル委員会に送付したことや、引き続き 2015 年度に向けて署名を募っていることが記されていました。すでに声を届けるという活動の火蓋が切られているのです。筆者のご活躍を期待いたします。私は上記の「安倍政権の『暴走』を押しとどめる」ことと「世界の平和を願い戦争しないという価値観の共有」とが、この運動のキーワードであると思います。以下に私の所見をまとめます。

 1 月 21 日にケネディ駐日米国大使が応じた朝日新聞のインタビューで、大使は安倍晋三首相の靖国参拝について改めて、「米国は地域の緊張が高まることを懸念しており、首相の決断には失望した」と述べています。また、同大使は、朝日紙 1 月 23 日付けオピニオン欄「これからの日米」の聞き手編集委員からの集団的自衛権についての質問に関連し、「日本は過去数十年、民主主義的価値に根差した平和国家であり、地域と世界に非常に建設的な貢献をすることを実証してきました。周辺諸国との間で信頼を構築することによって、日本はより自信をもってその役割を果たすことができます」と付け加えています。米国が集団的自衛権の行使を容認する姿勢を示しているのに反し、これが大方の諸外国の見方でないでしょうか。憲法9条については、今後ともケネディ大使が指摘している「地域と世界に非常に建設的な貢献をすることができる」ことを世界に向かって具体的に分りやすく説明する必要があるでしょう。残念ながら足元のわが国において、わが国の憲法はマッカーサー司令部に押し付けられたものであると確信している人がかなり多いようです。

 靖国参拝問題については、安倍首相の浅はかな暴挙の一つであると思っています。2 月 10 日の衆議院予算委員会でこの問題に関して、民主党の長妻氏の質問に答えて、「私が参拝した時、年老いたご夫人(別々の二人)が参拝しておられるのを見た。ここに来れば、愛する人に会えて心安らかなになるとお参りされている」というようなコメントをしていました。そのような方も大勢おられるとは思いますが、一国の首相たる人のコメントとしては、一面的で論理性に欠けていると感じました。

 『きけわだつみのこえ―日本戦没学生の手記―』(岩波文庫)から、首相の戦死した軍人像とかけ離れていると思われる二つの例を挙げます。
 (1) 林 憲正、昭和 18 年 9 月、慶大卒。20 年 8 月 9 日、神風特別攻撃隊員として、本州東方海面にて戦死。海軍中尉。25歳
 4月30日 […]私は帝国海軍に対して反感こそ持て決して好意を持っていない。私は今から私自身のこころに対していう。私は私のプライドのためなら死にうるけれども帝国海軍のためには絶対に死にえないと。我が十三期の学徒出身搭乗員がいかに弾圧されているか。今戦争しているのは誰だ! 私の戦友であった同期の艦爆乗りの半数は既に死んでいる…。
 7月31日 出撃命令を今か今かと待ちながらただ独り防空壕に入ってこれを記している。父上母上初め兄弟姉妹その他親戚知人の皆様さようなら。お元気でやって下さい。私は今度は「アンデルセン」のおとぎの国へ行ってそこの王子様になります。そして小鳥や花や木々と語ります。大日本帝国よ永遠に栄えんことを。

 (2) 木村 久夫、京大経済学部学生、昭和 17 年 10 月入営。21 年 5 月 23 日シガポール、チャンギー刑務所において戦犯刑死。陸軍上等兵。28 歳
 私は何ら死に値する悪をしたことはない。悪を為したのは他の人々である。しかし今の場合弁解は成立しない。[…]私の軍隊生活において、将校連が例の通り大言壮語していた。私が婉曲ながらその思想に反対すると「お前は自由主義者だ」と一言の下に撥ね付けられたものだ。軍人社会で見られた罪悪は、枚挙すれば限りがない。それらは凡て忘却しよう。彼らもやはり日本人なのであるから。しかし一ついっておきたい事は彼らは全国民の前で腹を切る気持ちで謝罪し、余生を社会奉仕のために捧げなければならない事である。天皇の名を最も濫用、悪用したのも軍人であった。[…]
 ここに挙げた二人の軍人は、首相が考えている軍人像には入っていないものと思います。このような考えを抱き戦死または殉難死した軍人の存在を首相が認識するならば、国際的に失望感を抱かせながら敢えて靖国参拝に固執することはなかろうかと思います。

2. 映画『かぐや姫の物語』同『武士の献立』

 二つとも筆者の鑑賞後の感想が一筆書かれ、合わせて前者では高畑勲監督が、大きな影響を受けたカナダのアニメーション作家、フレデリック・バックに彼の死の直前に『かぐや姫の物語』を見せ、彼が「きれいだ、すばらしい。デッサンの軽やかさ、そして空白、描かれていない空間のすばらしさ」などと絶賛したことによって、恩返しが出来たというエピソードが加えられています。後者については、筆者は舞台となっている筆者の郷里・金沢の話を交え、筆者に文学的な影響を与えて早世した友人に思いをはせています。映画を見ていない人にも通読後に印象に残る解説だと思います。

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