2010年2月26日金曜日

2010年1月分記事へのエム・ワイ君の感想 (M.Y.'s Comments on January-2010 Articles)

 M.Y. 君から "Ted's Coffeehouse 2" 2010年1月分への感想を2月24日づけで貰った。同君の了承を得て、ここに紹介する。青色の文字をクリックすると、言及されている記事が別ウインドウに開く。




1. 「利休鼠」

 一日小雨の降り続いた日、「利休鼠」色について調べ、その色を画面に示しでいます。♪雨がふるふる 城ヶ島の磯に 利休鼠の 雨がふふる …♪ という歌詞の「城ヶ島の雨」(作詞・北原白秋、作曲・梁田貞)。利休鼠とはどんな色か、『広辞苑』(第三版)を引き、その説明の中の「利休色」と「灰色」をさらに引くと、利休鼠とは、「わずかに緑青色がかった灰色」となりました。城ヶ島の雨が利休鼠であるのは、雨や雨雲自体がその色をしているのではなく、雨滴を透して磯が見える情景の色だろうとして、雨雲のかかっている空を写真に撮り、緑と青の中間の色をわずかに施す加工をしたものを示しています。

 そこまで書いて、インターネットの辞書「goo 辞書」を見ることを思いつき、調べると、『広辞苑』とほぼ同じだったということです。ウィキペディア日本語版の「色名一覧」によれば、利休鼠の RGB 値(HTML の color 属性)は "#54745C" となっており、「利休鼠」では、HTML の color 属性は "#888E7E" 、その英語版ページでは"Hex triplet" の名で "#656255" としてありました。最初の例については #数字が、後2者についてはパラグラフの文字が、その色で書かれています。「同じ『利休鼠』でも見立てはいろいろであり、互いにかなり異なる。私が想像して写真に表した色は "#54745C" に近い」と結んでいます。詩の情緒を鑑賞するのに重要な色を、手際よくコンピュータ上に可視化し実証する過程に興味を引かれました。

2. 「サザンカ」

 話は次のように展開します。——サザンカを見ると、「たきび」の二番をふと思い出す。ふと思い出す歌の一部といえば、「勝って来るぞと 勇ましく 誓つて故郷(くに)を 出たからは」というのがある。私がごく幼い頃、小学校2年生くらいだった6歳上の兄がこの歌を歌いながら炬燵の周りを歩くと、私はそれにつき従って行進していたと、母から聞いたことがある。この歌の五番の最後は「東洋平和の ためならば なんの命が惜しからう」となっている。——そして、「侵略戦争を『東洋平和のため』といいくるめた軍国思想、恐るべし」と結んでいます。

 私も子どものころよく知っていた歌ですが、五番の「東洋平和、云々」は覚えていません。その頃は、命も惜しまず戦うという、「軍歌」が歌われ、大東亜共栄圏を賛える文章や歌が学校の教材になっていました。ジャナーリストも先生も、治安維持法にふれない人びとは、大東亜共栄圏の建設を大義名文とした戦争遂行に、好むと好まざると、協力せざるをえませんでした。開戦の当初は蘭印のパレンバンを落下傘部隊が奇襲攻撃した「空の神兵」(梅本三郎・作詞、高木東六・作曲)や、題名は覚えていませんが、姉が歌っていた「椰子の葉に鳴る海の風 人の心はみな一つ 盟主日本の旗の下 連ねて広き大東亜」など耳に心地よいメロディーの歌もあり、心が浮き立った人もいたでしょう。二度とこのようなことを繰り返さないためには、なんと言っても、憲法9条を守ることでしょう。

3.「湯川とファインマンの裏返しイメージ」

 次のようなことが英文で述べられています。

 ファインマンに関する随筆シリーズの最初の話は、湯川とファインマンらが並んでいる裏返しに印刷された写真に関するものである。これを自費出版書に入れるにあたって、AIP エミリオ・セグレ視覚資料収集所にある、件の写真を調べた。P・リーが Physics Today 誌の編集者に裏返しイメージであることを指摘したにもかかわらず、幸いにも、写真は裏返しのまま保管されていた。このため、使用許可はインターネットでの申し込みで容易に得られた。もしも、正しいイメージで保管されていたら、私の随筆にその写真を裏返して使用する理由を説明する、特別な手続きが必要だったであろう。

自費出版書には、 ’Puzzles of the Photo’ と題して裏返し写真にまつわるエピソードがユーモラスに書かれています。

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