2014年8月31日日曜日

「ヒューマニズムの否定、ヒューマニズムの尊重」 ("Negation of Humanism, Respect for Humanism")

[The main text of this post is in Japanese only.]


サルスベリ。2014 年 8 月 15 日撮影。
Crape myrtle, taken on August 15, 2014.

「ヒューマニズムの否定、ヒューマニズムの尊重」

 先般、『自由と自治・進歩と革新をめざす堺市民の会だより』第 45 号への原稿を依頼された。400 字以内で何を書いてもよいということだった。会の趣旨から考えて、昨年 7 月 20 日付けの本欄にいくつかの短文をまとめて「改憲論に抗して思う」の題名で載せた中の「ヒューマニズムの否定、ヒューマニズムの尊重」を選び、これを短縮して送った。掲載紙(2014 年 8 月 19 日発行)が送られて来たのを見ると、依頼されたのは、第 1 面下部の「鬼太鼓」と題する、朝日紙の「天声人語」相当の欄の原稿だったのだ。400 字に短縮するには、いささか苦労したが、うまく 1 段に収まっている。以下に「鬼太鼓」欄掲載の文を転載する。昨年本ブログに掲載した文と比較して読んで貰えば、文の短縮法の参考にもなろうか。



 私の高校1年のある日の日記(1951 年)に、「『ヒューマニズムの否定、ヒューマニズムの尊重』、何と知的で整然とした解答だろう」とある。『』内は、社会科の宿題「明治憲法と日本国憲法の比較」への優秀解答として先生が紹介したもので、それを書いたのは、学年のマドンナ的存在の女生徒、S 子だった。

 何年か前の高校同期会の折に、私は「湯川秀樹を研究する市民の会」や、地域の「9 条の会」に関わっていることを話した。「9 条の会」といったとき、驚きの声を発した男性たちがいた。そのとき、すかさず、「湯川博士も憲法9条を大切と思ったでしょう」と助太刀してくれたのも、S 子だった。確かに、湯川秀樹は 1965 年に「日本国憲法と世界平和」というエッセイを書き、憲法前文の平和に関わる文と第 9 条を讃えている。

 自民党の改憲草案は明治憲法を彷彿させ、まさに、「ヒューマニズムの否定」である。そういう憲法改悪は、断じて阻止するほかない。

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