2005年9月6日火曜日

ロートブラット博士死去 (Joseph Rotblat, 1908–2005)


【Read in English.】

 【概要 (Abstract in Japanese)】さる8月31日、物理学者ジョゼフ・ロートブラット博士が死去した。博士は核兵器廃絶を訴える国際科学者団体・パグウォッシュ会議の創設者の一人で、1995年のノーベル平和賞 [1] を受賞した。博士の死去に関連して、私は4通のメールを受け取った。

 第1のメールはピースプレッジ・ジャパン(PPJ)[2] の呼びかけ人鈴木達治郎氏が PPJ 運動の誓約者宛に送ったもので、ロートブラット博士はマンハッタン計画に参加したが、ドイツが原爆を開発することは不可能と知り、自ら計画から離れたことを述べている。

 第2は私のアメリカの友人の一人で国際放射線物理学会(IRPS)元会長のジョン・ハッブルが、IRPS ニュースの次号にロートブラット博士の追悼記事を書くことをイギリスのデイヴィッド・ブラッドレーに頼んだメールのコピーである。

 第3はヨーロッパ物理学会のオンラインニュースにロートブラット博士の追悼記事 [3] が掲載された連絡である。私はこれによって、原子核物理学を専攻した博士が、1950年以降は医用物理学分野で活躍していたことを始めて知った。

 第4は、エジプトのモハメッド・ゴマー教授からの、ジョンと彼のメールの受取人全員に宛てた返信である。ゴマー教授がロートブラット博士のもとで、私も部分的に学んだエヴァンスの『原子核』[4] という教科書を勉強したことが書いてあるのが興味深い。

 ロートブラット博士が目指した核兵器の廃絶が、少しでも早く実現することを私は願うものである。

本文(英文)へ

津久野南団地の庭園(フォトショップ・プログラムで修飾)。
Image above: A photo of the garden in Tsukuno-minami housing complex,
modified with the Photoshop program (the menu of "photocopy" was used).

文 献

  1. The Nobel Peace Prize 1995, Nobelprize.org (1995).
  2. Peace Pledge (後日の注:リンク切れ).
  3. Joseph Rotblat dies, PhysicsWeb News (September 2, 2005).
  4. R. D. Evans, The Atomic Nucleus, Reprint edition (Krieger Publishing, 1982; originally published by McGrow-Hill in 1955).

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