2010年4月30日金曜日

山陰の旅6 (Trip to Sanin Region 6)

 旅の2日目の夜は、松江宍道湖温泉のホテルに泊まった。上のイメージは、ホテルの窓からのスケッチで、宍道湖、対岸にある松江の街の一部、そして小さな島「嫁ヶ島」が見える。この島は、湖で死んだ美しく若い花嫁を記念して神々がつくったという伝説がある [1]。

At the night of the second day of our trip, we stayed at a hotel in Matsue Shinjiko Onsen (Lake-Shinji Hotspring, Matsue), Shimane. The above image is of the sketch of the view from the hotel room. Lake Shinji, the town of part of Matsue on the other side of the lake and the small island of "Yomegashima (Bride's Island)" are seen. A local myth says that the island was created by the Gods in memory of a radiant young bride who drowned in the waters of the lake [1].

 翌3日目の午前、小型遊覧船による「ぐるっと松江 堀川めぐり」を楽しんだ。乗船場所は3カ所あり、私たちは黒田町の松江堀川ふれ合い広場で乗った。遊覧船はいわゆる「屋形船」である。合計16の橋の下をくぐって運行するが、四つの橋では橋桁が低いため、屋根が少し下げられ、乗客は頭を低くしなければならない。下の写真1枚目は、私たちが乗ったのと同じ遊覧船、カラコロ広場発着場で。 2枚目は、橋桁の低い橋の一つ、新米子橋。

In the morning of the third day of our trip, we enjoyed "Horikawa Moat Tour" on a small boat with a roof. The roof is lowered when the boat passes under the four low bridges among the total of 16 bridges. Then, passengers have to lower their head. The first photo below shows the boat of the same type as we rode, seen at Karakoro-Square Port; the second, one of the low bridges, Shin'yonago-bashi.

文献

  1. "international Cultural and Sightseeing City Matsue (leaflet) (Matsue Tourism Association, Matsue, 2009).

2010年4月29日木曜日

山陰の旅5 (Trip to Sanin Region 5)

 旅の2日目の午後に訪れた足立美術館の日本庭園の写真を、さらに掲載する。1枚目は「苔庭」、2枚目は、この写真には入れなかったが、館内の窓をそのまま額縁とすれば、琳派の絵のように見える「生の額絵」、3枚目は、床の間の壁をくりぬいて一幅の山水画がかかっているように見せている「生の掛軸」[1]。

The above are additional photos of the Japanese Gardens of Adachi Museum of Art, where we visited in the afternoon of the second day of the trip. The first shows "The Moss Garden"; the second, "Living Picture Frame" (when the garden is viewed together with the window frame, not shown in this photo, it looks like the screen of the Rimpa School); and the third, "Living Hanging Scroll" [you will appreciate "the garden picture" through the frame cut into the wall of the alcove (tokonoma)] [2].

文献

  1. 足立美術館 (リーフレット).

  2. Adachi Museum of Art (leaflet), English version.

2010年3月分記事へのエム・ワイ君の感想 (M.Y.'s Comments on March-2010 Articles)

 M.Y. 君から "Ted's Coffeehouse 2" 2010年3月分への感想を4月27日づけで貰った。同君の了承を得て、ここに紹介する。青色の文字をクリックすると、言及されている記事が別ウインドウに開く。




1. 「自発の助動詞など」「日本語の受動態など」

 W さんは2月20日の「姫路で」に登場しています。筆者から私宛のメールには、「京友会の翌日、友人の A 君夫妻との昼食に同席した W さんから論文抜刷りを手渡され、感想を聞かせて欲しいといわれました」とあります。筆者は W さんの日本語はかなり上手だが、日本語の助詞の使い方は難しいので、その点で気になる箇所が多いと、とりあえず知らせ、2月23日付けブログに天声人語の文に関して書いたことが、たまたま助詞の難しさに触れていたので、それを読むようにとメールで伝えました。これを起点とし、W さんからの質問に答える形式で、2月25日の「残念な思いはします」から始まる3篇が掲載されました。

 第1編では、W さんから、「天声人語」欄に関連して助詞の難しさについて書いたブログが分かりやすかったとのメールを貰ったことに感謝し、「は」と「が」の説明をしています。論文中の「…を目したものであったことは」の「は」とこれに続く「本論では主張したいのである」をとり上げて説明し、このような「は」と「が」の相違については、大野 晋著『日本語練習帳』(岩波新書 1999) の第 II 章に詳しく述べられていて、また、日本語の他の点でも大いに参考になると思うと、一読を勧めています。

 第2編では、助動詞「れる」「られる」を自発の意味で使う場合が難しいと W さんからメールがあり、例として挙げてあった「感動された」について説明しています。第3編では、「『私はあの映画に感動された』は、中国語では使われるとのことですが、日本語では使われません」と、「日本語の受動態など」について説明しています。「私は読んで慣れることをあなたにお勧めしましたが、あなたが、外国語としての自然な日本語は、母国語との比較をしないと理解が難しい、といわれるのも、もっともです。いったん比較によって相違を理解して、頭を整理した上で、慣れることに努めるのがよいでしょうね」とまとめています。筆者は、相手の願いにそい、協力を惜しまず、友情の輪を広げています。W さんがよい友を得られたことは喜ばしいことです。

2. 「『ふと思いあたった』の謎(改訂版)」

 ——湯川は、中間子論の形成においての重要な出来事について、半生の自伝『旅人』の中で、次のように述べている。「十月初めのある晩、私はふと思いあたった。核力は、非常に短い到達距離しか持っていない。それは十兆分の二センチ程度である。このことは前からわかっていた。私の気づいたことは、この到達距離と、核力に付随する新粒子の質量とは、たがいに逆比例するだろうということである。こんなことに、私は今までどうして気がつかなかったのだろう。」この記述は、1933年春の学会講演要旨と矛盾するように思われる。——2007年9月19日づけの同題の和文初版に、その理由を分かりやすく解説していました。

 ところで、『旅人』の記述については、当時、筆者は執筆協力者澤野久雄の存在を知らなかったので、湯川は『旅人』を書く際に、講演要旨の存在を忘れていたのか、または、中間子論の着想をドラマティックに表現するための創作なのか、あるいは、朝日新聞紙連載担当者の入れ知恵によって、このように書いたのだろうか——と考えあぐねていました。この改訂版では、「湯川も澤野も故人となったいま、どちらの可能性が真実だったかを見定めることは困難である」とし、矛盾の理由としては次の二通りの可能性が考えられると、最終結論を下しています。
(1) 湯川は講演要旨で使った関係を、その後、誤りと見て、いったん忘れていた。
(2)「ふと思いあたった」あたりの表現は、『旅人』を連載していた朝日紙の協力担当者(澤野久雄)によって、書き換えあるいは書き加えがなされたものである。
2年余にわたる謎に、納得いく答えを得られた粘り強さを賞讃いたします。

2010年4月28日水曜日

山陰の旅4 (Trip to Sanin Region 4)

 旅の2日目の午後、島根県安来市の足立美術館を訪れた。

 同館は地元出身の実業家・足立全康(1899–1990)が1970年に開館したもので、横山大観をはじめとする近代日本画と、陶芸、彫刻、蒔絵、童画などを収蔵している。足立美術館のもう一つの特色は、「枯山水庭」「白砂青松庭」「苔庭」「池庭」など6つに分かれ、面積5万坪におよぶ日本庭園である。米国の日本庭園専門雑誌 Sukiya Living (The Journal of Japanese Gardening) [1] の日本庭園ランキング (Shiosai Ranking) では、初回の2003年から2009年まで、7年連続で日本一(そして、多分世界一ともいえよう)に選出されているそうだ(以上 [2, 3] を参考にした)。

 写真は上から、枯山水庭、鶴亀の滝、池庭である。なお、同館では目下春季特別展として「開館40周年記念 対決 横山大観と日本画の巨匠たち」が開催されている。

In the afternoon of the second day of our trip, we visited Adachi Museum of Art in Yasugi, Shimane.

Zenko Adachi (1899–1990), a businessman born in Yasugi, opened this museum in 1970. Its collection includes contemporary Japanese-style paintings of Taikan Yokayama and others as well as potteries, sculptures, sprinkled pictures and paintings for children. The museum is also known for its superb Japanese gardens, consisting of six gardens, with about 165,000 square meters in total. These gardens continue the seven-year streak as Japan's — and quite possibly the world's — top garden in Shiosai Rankings of Sukiya Living (The Journal of Japanese Gardening) [1] from 2003, the year of its start, to 2009 ([2, 3]).

The photos above show The Dry Landscape Garden, Kikaku-no-taki Waterfall and The Pond Garden. The museum is now displaying a spring special exhibition entitled "Confrontation: Taikan Yokoyama and Great Painters of Japanese Style" as the memorial event of its 40th anniversary.

文献

  1. Japanese Garden Journal.

  2. 「足立美術館」, フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 [2010年2月5日 (金) 17:45].

  3. Adachi Museum of Art.


2010年4月27日火曜日

山陰の旅3 (Trip to Sanin Region 3)

 旅の2日目の午前、JR米子駅からタクシーで鳥取県立フラワーパーク「とっとり花回廊」へ。そのタクシーの運転手が待ち時間は無料サービスするというので、午後に訪れた足立美術館まで世話になった。花回廊では、まず、1枚目の写真に見られるような「フラワートレイン」で園内を周遊した。所要時間約20分。そのあと、巨大ガラス温室「フラワドーム」、「霧の庭園」、「ヨーロピアンガーデン」などを徒歩で回った。2枚目の写真は、「プロムナード橋」から見た「花の谷(キューケンホフ・コーナー)」。3枚目の写真は、ヨーロピアンガーデン。

In the morning of the second day of our trip, we took a taxi from JR Yonago Station to the flower park of Tottori Prefecture, "Tottori Hana-kairō." The taxi driver said that he would make the waiting time free of charge. Therefore, we used the same taxi until our arrival at Adachi Museum of Art in the afternoon. In Hana-kairō, we first rode in the "Flower Train," as seen in the first photo, to look around the park (for about 20 minutes). Next, we walked to see "Flower Dome (a huge classroom), "The Garden of Mist," "European Garden," etc. The second photo shows the view of "Flower Valley (also called Keukenhof Corner)" from "Promenade Bridge"; and the third, European Garden.

2010年4月26日月曜日

山陰の旅2 (Trip to Sanin Region 2)

 旅の2日目、朝食の前に1時間ほど三朝温泉の町を歩いた。泊まったホテルのすぐ近くにキュリー夫人の像があった(1枚目の写真)。三朝温泉の湯はラジウムと、これがアルファ崩壊して出来るラドンが含まれている放射能泉であることによる。微量放射線によるホルミシス効果のため、健康によいとされているが、この効果は、なお論争のあるところである。2枚目と3枚目の写真は三朝神社と南苑寺。

Before the breakfast of the second day of the trip, we had a walk in the town of Misasa Spa. The hot water of Misasa spa includes radium as well as its alpha-decay product, radon; and is radioactive. Thus, there stands the statue of Marie Curie (the first photo) near the hotel at which we stayed. They say that the spa is beneficial for health because of radiation hormesis effect, which is still controversial. The second photo shows Misasa Shrine; and the third, Nan-en Temple.

2010年4月25日日曜日

山陰の旅1 (Trip to Sanin Region 1)

 さる4月22日から24日まで、妻と山陰の鳥取、島根両県へ旅をした。旅の1日目には鳥取県・倉吉市内で、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている打吹玉川(うつぶきたまがわ)の白壁土蔵群・赤瓦の街並を見た(写真1、2枚目)。夜は同県の三朝温泉に宿泊。

From April 22 to 24, my wife and I made a trip to Tottori and Shimane Prefectures in San'in Region. On the first day of the trip, we saw Utubuki-tamagawa in Kurayoshi, Tottori. This area includes many store buildings with dozo ('soil lacquered' warehouses) built in Edo and Meiji era; and is one of nationally designated Preservation Area of Important Groups of Traditional Buildings. At night we stayed in Misasa Spa.

倉吉・打吹玉川の白壁土蔵群。
Utubuki-tamagawa in Kurayoshi.


同上の中の赤瓦五号館。石臼挽きのコーヒーを楽しめる。
The Fifth House with Red Tiled Roof in Utubuki-tamagawa. Here one can enjoy a cup of coffee by grinding coffee beans with a stone mill by oneself.


三朝温泉でのスケッチ。建物は宿泊した所の隣の旅館。
The sketch of the scenery of Misasa Spa. The buildings are those of the hotel next to the one we stayed.

2010年4月21日水曜日

春の花々22 (Flowers of Spring 22)

 ハナミズキ(花水木、別名アメリカヤマボウシ、ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属)。「近年人気の、白や紅色の花弁状の四枚は葉の変形で、総苞片(そうほうへん)と呼ぶ。中央の球状の小塊が花 。[1]」 私が最も好む「花」の一つ。写真は2010年4月11日、わが家の庭で。

Flowering Dogwood (botanical name Cornus florida). 'Around 20 flowers are produced in a dense, rounded, umbel-shaped inflorescence, or flower-head, 1–2 cm in diameter. The flower-head is surrounded by four conspicuous large white, pink or red "petals" (actually bracts), each bract 3 cm long and 2.5 cm broad, rounded, and often with a distinct notch at the apex [2].' This is one of my most favorite kinds of "flower." The photo was taken in our yard on April 11, 2010.

文献

  1. 湯浅浩史・文, 矢野勇・写真, 愛蔵版・花おりおり (朝日新聞社, 2002).

  2. "Cornus florida," Wikipedia, the free encyclopedia (17 April 2010 at 15:27).


お知らせ:都合により、明日22日から24日まで掲載を休みます。

Notice: Next post will be made on Sunday, April 25.

2010年4月20日火曜日

春の花々21 (Flowers of Spring 21)

 シバザクラ(芝桜、ハナシノブ科)。写真は2010年4月10日、わが家の前で。

Moss phlox, moss pink, or mountain phlox (botanical name Phlox subulata). The photo was taken in front of our home on April 10, 2010.

2010年4月19日月曜日

春の花々20 (Flowers of Spring 20)

 デンドロビウム(ラン科セッコク属)。写真は2010年4月7日、わが家で。10年ほど前に、家の建て替え祝いとして K 氏から貰った鉢を株分けした。貰った翌々年あたりからしばらく花を見なかったが、昨年ぐらいからまた咲き始めた。

 訂正:写真の花は、家の建て替え祝いとして貰い、しばらく(長らくか)花を見なかったものには違いないが、K' 氏から貰った白花のシンビジウムだった。

Dendrobium: this is a huge genus of orchids. It was established by Olof Swartz in 1799 and today contains about 1,200 species. The name is from the Greek dendron ("tree") and bios ("life"); it means "one who lives on trees", or, essentially, "epiphyte (着生植物)" [1]. The photo was taken in our yard on April 7, 2010.

Correction: The above photo is not of dendrobium but of cymbidium. This year the dendrobiums in our home do not bloom.

文献

  1. "Dendrobium," Wikipedia, the free encyclopedia (6 March 2010 at 09:31).

2010年4月18日日曜日

春の花々19 (Flowers of Spring 19)

 ケマンソウ(別名タイツリソウ、ケシ科)[1]。写真は2010年4月7日、わが家の庭で。

Venus's car, also known as bleeding heart, Dutchman's trousers, or lyre flower (botanical name Dicentra spectabilis), belongs to the family Fumariaceae [2]. The photo was taken in our yard on April 7, 2010.

文献

  1. 「ケマンソウ」, フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 [2009年12月28日 (月) 01:10].

  2. "Dicentra spectabilis," Wikipedia, the free encyclopedia (28 December 2009 at 01:09).


 お知らせ:右欄下部「私のサイト」に "Ted's Coffeehouse 3(つぶやき録、主に英文)" のリンクを追加しました。Twitter での発信を1日ごとにまとめて掲載しています。主に物理学、平和関係ですが、ジョークやフォロワーとの個人的交信もあります。物理学関係では先端的研究のニュースや参考になるウエブサイトへのリンクもあります。さらに、撮影したものの本サイトへ掲載しきれないでいる写真も載せています。お楽しみいただければ幸いです。

Note: At the lower position of the right column, you see a new link, "Ted's Coffeehouse 3(つぶやき録、主に英文)". At that site, I'm posting the daily records of tweets made on Twitter. They are mostly related to physics and peace, and include jokes and personal exchanges of words with followers. Tweets on physics include links to news in forefront researches and useful Web sites. Further, photos taken for this site but not posted for space reasons are shown there. Please enjoy "Ted's Coffeehouse 3."

2010年4月17日土曜日

春の花々18 (Flowers of Spring 18)

 フリージア(アヤメ科)、和名はアサギスイセン(浅黄水仙)、コウセツラン(香雪蘭)。南アフリカで植物採集をしていたデンマークの植物学者・エクロン (C・F・Ecklon) が発見した植物を親友のドイツ人の医師・フレーゼ(F・H・T・Freese)の名をつけて紹介したのが名前の由来となっている [1]。写真は2010年4月5日、わが家の庭で。

Freesia (botanical name Freesia refracta) belongs to the family Iridaceae. Naming was made in honor of Friedrich Heinrich Theodor Freese (1795–1876), German physician [2]. The photo was taken in our yard on April 5, 2010.

文献

  1. 「フリージア」, フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 [2010年3月16日 (火) 11:31].

  2. "Freesia," Wikipedia, the free encyclopedia (15 March 2010 at 10:47).

2010年4月16日金曜日

春の花々17 (Flowers of Spring 17)

 コブシ(辛夷、モクレン科)、別名「田打ち桜」。果実は集合果で、にぎりこぶし状のデコボコがある。これがコブシの名前の由来 [1]。写真は2010年4月3日、東京・北の丸公園で。

Kobushi Magnolia (botanical name Magnolia kobus), species of Magnolia native to Japan. The name of kobushi comes from the fact that its fruit has the shape like a fist, which is kobushi in Japanese. The photo was taken in Kitanomaru Park, Tokyo, on April 3, 2010.

文献

  1. 「コブシ」, フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 [2009年6月11日 (木) 00:43].

2010年4月15日木曜日

春の花々16 (Flowers of Spring 16)


チューリップ(ユリ科)。写真は2010年4月1日と5日、わが家の庭で。
Tulip, belonging to the family Liliaceae. The photo was taken in our yard
on April 1 and 5, 2010.

2010年4月14日水曜日

街頭で名を叫んだ日に:井上ひさしさんを悼む


シロヤマブキ(白山吹、学名Rhodotypos scandens)。
2010年4月11日、堺・鈴の宮団地で撮影。

 ユーモアのある作品で知られた作家・劇作家で文化功労者の井上ひさしさんが亡くなった。反核・護憲・平和運動にも活躍した人だった。さる4月9日は、「福泉・鳳憲法9条の会」の署名活動の日で、午前中に私は何人かの仲間と街を歩き、マイクで「日本が二度と戦争を起こさない平和な国であるように、憲法9条を守り、また、これを世界に輝かせようと、井上ひさしさん、大江健三郎さん、故加藤周一さんらの呼びかけで、2004年に『九条の会』が発足しました」と叫んだ。井上さんの他界はその晩のことだった。

 戯曲は60を超え、小説、随筆も多数執筆しているとのことだが、私はそのどれをも知らない。ただ、彼と「こまつ座」が編集した写真集『井上ひさしの大連』[1] を持っている。開いて見ると、巻頭に「大連は夢の都」と題する彼の随筆がある。それをいま始めて読み、井上さんと大連の関係を知った。この写真集は戯曲の取材であろうとは思っていたが、はるか以前にも、大連の国民学校へ移っていった親友から絵はがきを貰ったという関係があったのである。それは1943年の冬のことで、私が大連の国民学校へ移ったのは、その翌年の9月だった。井上さんの親友と私は、似たような経験をしていたことになる。

 井上さんの大連への思いを役立てた戯曲は、こまつ座が2005年に初演した「円生と志ん生」[2] となって実を結んでいる。落語家の古今亭志ん生と三遊亭円生は、満州興行の途中で敗戦となって足止めを食い、大連で600日を過ごした。そのときの様子を描いたものである。「幼時に焼きついた『大連は夢の都』という文句は、その意味を変えながらであるが、とにかく死ぬまで消えぬ」という随筆末尾の文をかみしめながら、井上さんの冥福を祈る。

文献

  1. 井上ひさし・こまつ座編, 井上ひさしの大連 (小学館, 2002).
  2. 「円生と志ん生」チラシ (こまつ座, 2005).

2010年4月13日火曜日

竹田城跡と立雲峡へのバス旅行6 (Bus Trip to the Ruins of Takeda Castle and Ritsu-unkyo 6)

立雲峡の「龍神の滝」。名前から想像したほど大きな滝ではない。
Ryujin Fall of Ritsu-unkyo. "Ryujin" means Dragon God but the fall is not so big as supposed from the name.


立雲峡の一部の眺め。立雲峡は朝来山(756 m)の中腹にあり、サクラの木の種類が多く、長期にわたって開花を楽しめる。ただし、この写真の白い花は、サクラでなく、ハクモクレン。
View of part of Ritsu-unkyo. Ritsu-unkyo is at the breast of Mt. Asago (756 m) and there are many kinds of cherry trees, so that blooming can be enjoyed for many days. White blossoms in this photo are, however, not cherry blossoms but Yulan magnolia (botanical name Magnolia heptapeta).


朝来山の近くの小さな山。ふもとから中腹にかけて、サクラが華やいだ色を呈している。こういう状況を「山笑う」というのであろう。
A small mountain near Mt. Asago. It shows bright colors of cherry blossoms here and there from the foot to the middle slope. There is the Japanese expression "The mountain laughs" to depict such spring scenery.

(完。Finished.)

2010年4月12日月曜日

竹田城跡と立雲峡へのバス旅行5 (Bus Trip to the Ruins of Takeda Castle and Ritsu-unkyo 5)

古城山のふもとから見上げた竹田城跡の一部。
Part of the ruins of Takeda Castle seen from the foot of Mt. Kojō.


古城山とは円山川を隔た反対側に位置する立雲峡へ登り始めて、振り返った風景。
Looking-back view from the midway up to Ritsu-unkyō, which lies on the opposite side of the Maruyama River against Mt. Kojō.



立雲峡からの竹田城跡全貌。
The whole view of the ruins of Takeda Castle from Ritsu-unkyō.

(続く。To be continued.)

2010年4月11日日曜日

竹田城跡と立雲峡へのバス旅行4 (Bus Trip to the Ruins of Takeda Castle and Ritsu-unkyo 4)


中腹駐車場を経て、私たちのたどらなかった城跡までの急峻な道に通じる登り口。
The entrance of the passage to the steep climbing route, which we did not take, to the ruins of Takeda Castle via the mid-slope car port.



下山途中で見た桜。オレンジ色に見えるのは山桜の若葉。
Cherry trees seen while coming down the mountain. Those in orange color are Prunus jamasakura (mountain cherry) with young leaves.



山の道ばたで見つけたモミジイチゴ(別名キイチゴ)の花。
Flowers of Rubus palmatus var. coptophyllus found at the road side of the mountain.

2010年4月10日土曜日

竹田城跡と立雲峡へのバス旅行3 (Bus Trip to the Ruins of Takeda Castle and Ritsu-unkyo 3)

竹田城跡のサクラの古木。
An old cherry tree in the ruins of Takeda Castle.


古城山を下る途中の道ばたに見つけたスミレ。
A violet found at the road side when coming down from the Mt. Kojo.


下り山道での眺め。円山川が眼下に横たわり、川を隔てて、写真左手に次の目的地、立雲峡が見える。中央のピンクの花はミツバツツジ。
View from the mountain road. The Maruyama River is seen below. Beyond the river, Ritsu-unkyo, our next destination, is seen (the left side of the photo). The pink flowers at the center are Rhododendron dilatatum.

2010年4月9日金曜日

竹田城跡と立雲峡へのバス旅行2 (Bus Trip to the Ruins of Takeda Castle and Ritsu-unkyo 2)

竹田周辺見取り図。茶色の道に重ねた黒い矢印は今回の旅行でハイキングしたルートの登り方向。(地図は朝来市商工観光課のリーフレット「竹田城跡・立雲峡」から引用。クリックすると拡大イメージをご覧になれる。)
Bird's-eye view of Takeda area. Black arrows on brown routes show the way we took to climb up to the ruins of Takeda Castle -- lower left -- and to Ritsu-unkyo -- upper right --; to come down, we took the same way in the reverse direction. (The map has been quoted from the leaflet "The Ruins of Takeda Castle & Ritsu-unkyo" published by Asago City. Clicking on the image, you can see the enlarged version.)

本丸跡のサクラ。
Cherry blossoms on the ruin of "honmaru" (本丸, main part of the castle).

北千畳から見た城跡。左上の最も高いところが、天守のあった場所。
View of the ruins of the castle from "kitasenjo" (北千畳, northern wide area). At the highest place on the right, there was "tenshu" (天守, central tower).

 竹田城は、南北約400メートル、東西約100メートルの縄張りが、虎が臥せているように見えることから、虎臥城(とらふすじょう、こがじょう)の別名がある。また、城下から遥か高く見上げる古城山(虎臥山、353.7メートル)の頂に位置し、しばしば円山川の川霧によって霞むことから、天空の城の異名をもつ。雲海に浮かび上がる古城の累々たる石垣群の威容は、名物ともなっている。国の史跡に指定されている。築城は1431年(永享3年)、完成は1441–43年(嘉吉年間)と伝えられる。石垣には織田信長がしばしば採用した穴太流石積みの技法(野面積み技法)が用いられている。廃城は1600年(慶長5年)。([1] を参考にした。)(続く)

Takeda Castle was built on the top of Mt. Kojo (also called Torafusu, meaning "lying tiger, 353.7 m). The castle are often seen as if it were floating above clouds because of the mist from Maruyama River, so that it also has the name "Tenkū-no-shiro" (Castle in the Sky). The ruins are the registered National Historic Site of Japan. The construction was begun in 1431 and completed between 1441–43. The massive stone walls were made by the method named Anou style, which was also used to construct the walls of Himeji Castle, one of the first Japanese World Heritage Sites. The buildings of the castle were destroyed in 1600. (Translated and adapted from [1]) (To be continued.)

文献

  1. 「竹田城」, フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 [2010年2月9日 (火) 13:27 ].

2010年4月8日木曜日

竹田城跡と立雲峡へのバス旅行1 (Bus Trip to the Ruins of Takeda Castle and Ritsu-unkyo 1)

 A旅行社主催のバス旅行に妻と参加した。午前8時に大阪・天王寺を出発し、新大阪駅でも参加者を拾う。バスは2台で、参加者合計70名。中国・舞鶴若狭道、遠阪トンネル、和田山を経て、正午前頃に山城の郷へ着く。車中から眺めた加古川沿いの桜並木も見頃だった。山城の郷から2キロメートルの上り道を歩き、古城山頂上の竹田城跡へ。石垣の上部まで思い思いに登り、満開直前の桜や、周囲の眺望を楽しみながら、バス内で配られた弁当を開いて昼食とする。写真は竹田城跡の桜。(続く)

Joined a bus trip for seeing cherry blossoms in the north Hyogo Prefecture with my wife. We started from Ten-nōji, Osaka, at 8:00 and arrived Yamajiro-no-sato a little before noon. We walked the upward way of about 2 km to the ruins of Takeda Castle on the top of Mt. Kojō. Viewing cherry blossoms, which were just before full blooming, and the scenery around the mountain, we had lunch there. Photos show cherry blossoms on the ruins. (To be continued.)

2010年4月7日水曜日

春の花々15 (Flowers of Spring 15)


 アメリカジャスミン(別名ニオイバンマツリ、ナス科)。写真は2010年3月30日、わが家で。芳香を発するこの植物の花は、色が紫から白へと変化する。従来は冬も屋外に放置していたが、昨年末から室内に入れておいたせいか、今年は例年よりずいぶん早く花が咲いた。

Brunfelsia latifolia, belonging to the family Solanaceae. The photo was taken at our house on March 30, 2010. The fragrant flowers of this plant show color changes from purple to white. Previously we put the pot of this plant outside the house even in winter but kept indoors from the end of last year. Perhaps because of this condition, blooming was quite earlier than usual this year.

2010年4月6日火曜日

東京で (In Tokyo)


 4月2日から5日まで東京へ。2日には大連嶺前小学校関東在住者同期会(於・新宿、参加者11名、内女性4名)、4日には金沢菫台高校関東在住者同期会(於・四谷、参加者12名、内女性2名)があり、3日12時からは高校先輩 T. U. 氏と、同日3時からは大学時代からの友人 M. Y. 君と会った。3日は好天気で、午前中、サクラがちょうど満開の千鳥ヶ淵と北の丸公園を散策した。上掲のイメージは北の丸公園でのスケッチ。

Have been to Tokyo from April 2 to 5. Attended the reunion of Dalian Reizen Primary School held at Shinjuku on April 2 and that of Kanazawa Kindai Senior High School held at Yotsuya on April 4. The number of participants was 11 (including four women) at the former and 12 (including two women) at the latter. Met T. U. and M. Y. in the afternoon of April 3. It was very fine on April 3; and I looked at cherry blossoms just in full bloom at Chidorigafuchi and Kitanomaru Park in that morning. The image above shows my sketch made at Kitanomaru Park.

2010年4月1日木曜日

春の花々14 (Flowers of Spring 14)


 ヒメツルニチニチソウ(姫蔓日々草、キョウチクトウ科)。学名のビンカミノールで呼ばれることが多い。写真は2010年3月18(1枚目)、31日、わが家の庭で。2枚目の写真の中央の花は、花弁が6枚ある。奇形だろうか。

 お知らせ:次回の新記事は4月6日に掲載の予定。

Lesser periwinkle (botanical name, Vinca minor), a plant native to central and southern Europe, from Portugal and France north to the Netherlands and the Baltic States, and east to the Caucasus, and also in southwestern Asia in Turkey [1]. The photo was taken in our yard on March 18 (the top one) and 31, 2010. In the second photo, the flower at the center has six pedals. Is it abnormal?

Notice: Next new post will appear on April 6.

文献
  1. "Vinca minor," Wikipedia, the free encyclopedia (11 July 2009 at 23:59).