2012年6月16日土曜日

2012年5月分記事へのエム・ワイ君の感想 (M.Y's Comments on My Blog Posts of May 2012)

[In Japanese only]

 M・Y 君から "Ted's Coffeehouse 2" 2012年5月分への感想を2012年6月13日付けで貰った。同君の了承を得て、ここに紹介する。




1. 故物理学者・外村氏と私のささやかな関係

 「ノーベル物理学賞の候補といわれた日立製作所フェローの外村彰(とのむら・あきら)氏が5月2日早朝、膵臓がんのため埼玉県内の病院で死去した。70歳。氏は、電子の波としての性質を使い、微細な物体を観察する電子線ホログラフィーを開発し、また、物理学者の間で長年論争されていた『アハラノフ・ボーム効果』を実証したことで知られる」とのニュースに関連して書かれたこの文には、次のように書かれています。

 私は外村氏と一度だけメールを交換したことがある。氏の返信は、私が彼の和文の解説論文中の些細な間違いを指摘したメールを送信してから一時間半と経たないうちに送られて来て、彼の真摯な人柄をうかがわせた。突然メールを送った私がどういう人物か分かるように私のホームページのアドレスを付記しておいたところ、氏はホームページにも目を通して、それを褒めて下さったのには恐縮した。


 筆者は「『量子力学:その基礎への日本の寄与』に一言」と題する外村氏宛てのメールで「些細な間違い」の内容を説明し、「[この解説論文を含む日本物理学会誌の]シリーズ『日本の物理学100年とこれから』は、『物理学の尽きない興味とその魅力を社会に語りかける』という企画ですから、細かい点でも正確に記述することがたいへん重要だと思います」と述べ、次号に訂正を掲載されることを奨めています。

 外村氏は間違いを認め、この指摘に感謝し、「この文章は、編集委員会からも高校生向けにも理解できるようにというご指導を得て、大分訂正しましたので、編集委員とも相談して対応したいと思います。先生のホームページを見せていただきました。科学をはじめ広い分野の最新情報が盛りこまれており、感服しました。益々のご活躍をお祈りします」と返信しています。

 筆者の学識、真実を尊ぶ行動力、そして、外村氏の謙虚さや素早い対応、多忙の中にも筆者のホームページにも目を通す心の余裕に、人柄を感じました。心温まり印象に残る報文です。氏の早逝をまことに残念に思います。

2. NTV スポーツ番組に私が登場

 「2012年5月26日(土)、日本テレビ (NTV) 23:55〜24:50の "Going! Sports & News" という番組中、「ロンドン五輪まで2か月 徹底検証…ボルトのスゴさ」という話題のごく一部に私が登場した」ことについて、NTV スタッフの筆者宅での手際よい取材の様子と、筆者の TV 出演の場面とが写真をまじえて説明されており、この TV 番組作製の内幕を知ることができ、興味深く拝読しました。

 「リハーサルのつもりで質問に答えていたところ、それが一回きりの録画であり、本番だった」ことが書かれ、一つの画面にまとめられた北京以前(2005年まで)、2008年の9秒69(北京オリンピック)まで、2009年の9秒58(ベルリン世界陸上)まで、のデータに当てはめた3本の曲線をもとに、筆者は「ボルトの9秒58は非常に驚異的な記録」と指摘し、またこの記録が、当てはめた曲線から大きくはずれていることについて、「この違いは全くはなはだしい」と語り、単純な曲線当てはめによって男子100 m 記録の限界値を推定するなどの「分析が難しくなった」ほど、ボルトの記録が並みはずれていると述べています。

 筆者は、極値理論という手法と2007年までの各種記録(最高は9.77秒)を使って、 (9.29±0.39) 秒という予測が2008年に出されていたことを最近知ったとのことです。ボルト選手は5月31日にローマで行なわれたゴールデンガラで、今期世界最高の9秒76の大会新記録で優勝したことが報ぜられました。ロンドン五輪が楽しみです。

3. オランダ、ベルギー運河の船旅7同10

 今回の旅行は、2010年11月に迎えた金婚を記念してのものであるとのこと。また、「4月17日の夕食はオランダ料理。デザートの時間になる頃、"Happy birthday to you" の歌とともに、バースデイ・ケーキがテーブルへ運ばれて来た。船ではこのようにして乗客の誕生日を祝うのである。…中略…この日、[私の]誕生日だった。大勢の人たちに祝われて、まことに幸せな77歳の誕生日となった」とのこと。金婚と喜寿で祝福されたこの旅は、人生のよい思い出となるでしょう。美しい写真やスケッチを眺めながら、楽しく読み続けています。

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