2018年11月8日木曜日

J・M 君へ、読書のことなど 2 (To J. M.: On Reading etc. -2-)

[The main text of this post is in Japanese only.]


紅葉が進行中の堺市西区・笠池公園のサクラの木々。2018 年 11 月 6 日撮影。
Cherry trees whose autumn leaves are turning to autumn colors; taken in Kasasike Park, Kami, Sakai, on November 6, 2018.

J・M 君へ、読書のことなど 2

2018 年 10 月 24 日

J・M 君

 返信へのご返信、ありがとうございました。貴君がお読みの『入唐求法巡礼行記』は深谷憲一氏訳でしたか。私がインターネットで見つけた東洋文庫版は、足立喜六、塩入良道両氏の訳でした。深谷氏の序文抜粋を書き送っていただき、勉強になりました。この本がご母堂様のお勧めというのも興味深く存じました。私は母から勧められた本はなかったと思いますが、母が晩年に全巻を揃えて途中までしか読まないうちに他界することになった谷崎訳の源氏物語[母が買ったのは単行本、他方、リンク先は文庫版の巻 1]に、一度挑戦しかけ、途中で挫折したままになっています。

 私もミチオ・カクが紹介している、地球外文明をエネルギー消費の程度によって分類した Type I(惑星規模)、II(太陽系規模)、III (銀河系規模)の説明が不十分だったり、間違っていたりしました[注 1]。改めて彼の本のその箇所を開いてみると、その分類を提唱したのは、ロシアの天文学者、ニコライ・カルダシェフでした(先に、アメリカの物理学者、フリーマン・ダイソンの本でも読んだので、彼の提唱かと思い違いしていました)。各タイプは、それ以前のタイプよりエネルギー消費が約 100 億倍(10 の 10 乗倍)程度大きいもの、ということです。ミチオ・カクが詳しく論じているのは、現在 Type 0 である人類がいかにして Type I に到達し得るかで、その部分をまだ読んでいる最中です。

 ところで、美交会展の私の絵の前では、参考にした写真との相違などを私が懸命に説明して、貴君のご感想を聞きそびれたように思います。昨年は、ご来観後のメールで、「全体にふんわり」した感じだったとお聞きし、参考にした写真のギザギザ感が出せていなかったのは失敗と悟ったのでした。そこで、次回に山を描くときはギザギザ感を出したいと思いましたが、今回の燕岳の岩は、紹介誌によれば、比較的滑らかなのだそうで、また、大部分が雪に覆われている光景でもあり、その実験はできませんでした。今回の絵のイメージは、ブログ記事にも掲載しております。ご感想がありましたら、ぜひお聞かせいただければ幸いです。

 T・T


【メールをブログ記事にした際の注】
  1. このセンテンスが「私も」で始まっているのは、次のことによる。私たちの会話時に、円仁の旅行記についてライシャワーが世界の三大旅行記に入ると称賛している旨を J・M 君は述べた。しかし、その旅行記の一つ、マルコポーロの『東方見聞録』の著者名も書名もその時は全く思い出せなくて、残念だった、と J・M 君からのメールにあった。彼は、ライシャワーが深谷憲一氏に対して、円仁の日記はポーロの見聞録よりずっと信頼できると絶賛していた(深谷氏訳の本の序文にある)ことを述べたかったのだが、それができなかった自分を情けなくさえ思ったのである。お互いに、名前などを思い出すことが難しい高齢者となった。

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