2004年12月11日土曜日

突っ走る

 政府が 2004 年 12 月 10 日の閣議で、新しい「防衛計画の大綱」を決定したことがメディアで報じられた。自衛隊の海外任務が強化されるということである。また、同大綱の閣議決定に合わせ、政府は武器輸出 3 原則の緩和をも決めた。

 この動きに対し、朝日新聞は、きょう 11 日付け朝刊に「防衛の質ひっそり転換」という解説や、「この選択でいいのか」と題し「日本は重大な曲がり角を曲がった」という文で始まる社説を掲載し、批判的な論調を打ち出した。私は、この論調でも、まだ生ぬるいと思う。新防衛計画は、平和憲法を無視している疑いがある。いまや、日本はアメリカのブッシュ政権のいいなりになって、軍国主義への道を突っ走っているといわなければならない。

 これにちなんで、私はある私立大学の教授をしていた友人が、その大学の充実した図書館に、朝日新聞が備えられていない、といっていたことを思い出す。政府・自民党を支持する理事長の意志によるものらしい。このようなことが、多くの教育・研究の場において行われ、学生たちから幅広い意見を目にする機会を奪うことは、けっして得策ではない。そこで学んだ学生たちは、国際的な視野で活躍する能力を十分に身につけることができず、それは、わが国の活力を衰えさせることにつながるであろう。

コメント(最初の掲載サイトから転載する)

S 12/11/2004 14:57
 朝日新聞の記事は読みました。同感です。大学の図書館に朝日新聞が置いてないとは…、唖然としました。最低限、読売・毎日・朝日・日経、東京なら東京新聞など、主要な新聞を置いておくべきでしょう。学生が、物事を考える際に、各新聞の論調がどうであるかを、客観的な目で読んで、考えることができなくなってしまいます。これで培われたものは学生の見識となって、社会に出てからもきっと役に立つはずです。

Ted 12/11/2004 17:07
 ご同感いただき、嬉しく思います。私は公立大学退職後、できればその私立大学で働きたいと思っていたのですが、図書館の話を聞き、その思いが一度にさめました。

T 12/11/2004 19:13
 特定の新聞を置かない…。その大学の図書館がその理事長の個人的な資産で設置されているなら、別にそれはそれで「特性」でしょうが、おそらくそうではないでしょう。ましてや、自由に学問を学べるはずの大学で特定の論調を排斥する行為は学問を自滅させる行為に他ならないですね!
 その理事長は自校の図書館にその新聞を置かなければ、学生たちはその新聞を読まないとでも思ってるのでしょうか? もしそうだとしたら、某大国の大統領並みの知能ですが、まさか一応大学の理事長を勤めている人が、そんなことはないでしょう。単なる自己満足ですね。大学を私物化してるのですよ。

Ted 12/11/2004 19:57
 「自己満足、大学の私物化」、確かにそうですね。よいご意見をありがとう。

Y 12/12/2004 11:53
 自衛隊の海外任務強化ですね。何か、軍国主義にまっしぐら、ということではないと思うのですが、あれほどの平和憲法があって、その解釈がいまどき実に弱弱しい。憲法、法律は「どう解釈するか」にこそほとんどすべてがあるのに。

Ted 12/12/2004 13:36
 解釈が弱々しいというより、政府・与党は解釈をどんどん歪めていっており、これを是正しようとする対抗勢力は、国民から十分な支持を得ていない、ということではないでしょうか。

Y 12/13/2004 00:12:24
 そうそう、Ted さんのおっしゃるとおりです。私は Ted さんに全く、どれもこれも同感です。

0 件のコメント:

コメントを投稿