先に『三国志』中の赤壁の戦いを中心に描いた中国映画『レッドクリフ Part I』の感想を書いた [1]。さる4月13日、その続編を見た。孔明の知的戦略と忠義心、周瑜の集中力、彼ら二人の間の友情、曹操の野心、小喬の民を思う心、尚香の果敢な純真さなど、多くの興味深いエピソードが含まれている。しかし、戦争の映像が強烈過ぎて、これらすべてのエピソードが、この作品の中でまことに微かなものに薄められてしまっているように思った。最後に、孔明が誕生に立ち会った子馬「萌萌」を故国に土産として持ち帰るにあたって、小喬がその馬を戦場に送らないように望んだ言葉が救いであった。
その日の夕方、NHK総合TVの「クローズアップ現代」は、わが国のロボット技術が世界の軍事利用に狙われていることを報じていた。戦争に対する本能は、人間の長い歴史の中でDNAに強く刻まれているのであろうか。戦争嫌いの私などは、欠陥人間かも知れない。しかし、私が囲碁や将棋などの勝負事を好まないのは、負けることが嫌いという、闘争心の裏返し的発現でもある。戦い好きの本能が変化して、大多数の人間が平和志向になるには、まだまだ年月を要するのだろうか。
文献
- レッドクリフ Part 1, Ted's Coffeehouse (2008年11月19日).
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