2009年4月2日木曜日

Drying-out

 Raymond Carver の短編集 "Cathedral" の中の "Where I'm Calling From" という作品を読んだ。読後に、私が想像して読んで来た場所での話としては腑に落ちないものを感じた。そこで、冒頭へ戻って最初の文を見ると、そこに "drying-out facility" という言葉がある。これがクセモノらしいと思い、"drying-out" を辞書で引くと、「アルコール中毒を治すこと」とある。"Drying-out facility" は、アルコール中毒治療所なのである。私はこれを、話の展開から、酒好きの連中が集まるところと解釈していたのだった。

 アルコール中毒治療所は酒好きの連中が集まるところには違いないが、私は、治療のためでなく、飲んで語り合うために集まる飲屋街のようなところだろうと、全く反対の想像をしていた! "Dry" には「干す」の意味があるので、グラスやボトルを干す、つまり、大いに飲む場所と早合点したのである。"Dry out" は、何かを完全に乾かすという意味があるが、身体からアルコールまたは麻薬の気と、それへの欲望を干し去るということから、アル中・麻薬患者に治療を施すという意味も持つようである。英文解釈の試験問題ならば、落第点を取るところだった。

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