2009年4月28日火曜日

「北風と太陽」

 「北風と太陽」という、よく知られているイソップ寓話がある。次のような話である。

 あるとき、北風と太陽が力比べをしようとして、旅人の上着をどちらが脱がせることができるかを争う。北風は力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとする。しかし、寒さを嫌う旅人が上着をしっかり押さえてしまい、北風は成功しない。次に、太陽がさんさんと照りつけた。すると旅人は暑さに耐え切れず、自から上着を脱いでしまった。これで、勝負は太陽の勝ちとなった。([1] を参考にした。)

 北朝鮮がミサイルらしいものをテストして、日本の上空を飛ばせたからといって、わが国は同国の発射施設を攻撃することも必要との論をぶった政治家がいた。彼は、この寓話を知らないばかりでなく、日本国憲法9条とそのよさも知らないようである。

 なお、この寓話の英語版は、たとえば [2] で読むことができる。その題名は「北風と太陽」でなく、「風と太陽」である。しかし、後者の日本語でインターネット検索すると、主に出るのはエネルギー源の話で、イソップ寓話について書いたサイトは、40番目ぐらいにようやく一つ出る。北風が寒いという連想は、北半球でしか通用しないであろうが。

 寓話の終わりについている教訓の言葉は、次の通り。"Kindness effects more than severity."(親切は厳しさよりも効果がある。)

文献

  1. 「北風と太陽」, ウィキペディア日本語版 [2009年3月7日 (土) 14:48].
  2. The Wind and the Sun, Page by Page Books.

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