2011年3月25日金曜日

福島原発事故の人災因子 2 (Human Factors of Accident at Fukushima Nuclear Power Plant - 2 -)


(Modified March 26, 2011)

[Abstract] A comment from a friend of mine on part 1 of this article is quoted. He explains what is stated in reference 3 of that article. The Asahi Shimbun of this morning carried an article that pointed out the neglect, by the Tokyo Electric Power Company, of the possibility of a high tsunami and a big earthquake specialists had been warning. This is also one of the human factors of the present accident. Hitoshi Yoshioka of Kyushu University writes about the backgrounds of those factors in the same newspaper. The present author infers that the underlying cause of the the backgrounds is the adhesion of industries and politics by "polytical fund." (The main text is given in Japanese only.)

 本日と同題名でその初回として書いた昨日の記事に対して、友人の M・Y 君から次のような感想を貰った。私が紹介を省略した Gardian 紙の記事の中身についての説明もあり、同君の許可を得て、ここに引用する。

 「福島原発事故の人災因子」はよくまとまった問題提起だと思います。

 3番目の引用文献である Guardian 紙の記事は、まず、設計容量以上の燃料棒をプール内に貯蔵していたことと、法令に基づく安全点検が繰り返し守られていなかった問題を提起しています。次いで、河野太郎衆議院議員が Reuters に語った規制当局と運営会社(東京電力)の癒着問題、廃棄物保管の問題や、米国からの冷却支援の申し入れを断ったこと(読売紙が報じた)など、事故に関連した種々の局面について書かれています。中には誤った記述(例えば、プールには原子炉炉心で使われている燃料集合体の3倍の4000体が入っていたとありますが、6基の炉心燃料集合体は3356体)もありますが、日本ではこのような指摘は一般の人々が容易に知り得る放送や新聞でも報道されていません。

 「今後はそのような事実についての厳しい反省の上に立って、事故による損害の補償、既存の原発の安全対策、今後のエネルギー政策などが進めなければならない」とのご意見は、まったくその通りだと思います。

 米国の NRC 長官による「日本の事故収束の能力を認める発言」が報道されましたが、汚染の拡散について、適切な測定結果の公表と今後の見通しを絞り込み刻々と報道することが大切だと思います。ちなみにスリーマイル島2号機の事故は、発生から収束(避難の解除)まで13日間でした。福島の場合、いつになったら避難が解除されるのでしょうか、避難区域がさらに広がるのでしょうか。

 本日付け朝日紙朝刊は第1面で、福島第一原発の事故が放出された放射能の推定量から見て、国際評価尺度で大事故にあたる「レベル6」に相当することが分かった(スリーマイル島での事故はレベル5)と報じた。また、同紙の科学欄でも、大津波に対する東京電力の想定が甘かったことを指摘する記事を掲載している。

 朝日紙のその記事は、過去に襲来した痕跡のある大津波について行なった研究から、東京電力の想定とは比べものにならないくらいの津波だったことが分かり、そのような津波が再び来る可能性を専門家が指摘していたことを述べている。さらに、地震学の専門家も1997年に今回の事態を予見したような論文を発表して警鐘を鳴らして来たが、耐震指針の見直しについては「産業界から、[新設]計画が一段落するまで変えるなと圧力がかかった」(元原子力安全委員長代理・住田健二大阪大学名誉教授)ということである。このような専門家の意見の無視も、重大な人災因子と見なければならない。

 本日付け朝日紙朝刊「オピニオン」欄は「3・11」と題して、震災関連の識者の意見を載せている。そこでも、九州大学副学長・吉岡斉氏が「原発賠償 国は負担するな」と題する文中で、「天災によるやむを得ない面はあるが、本質的にはエネルギー政策の誤りであり、電力会社の誤りでもある」と述べている。その理由として、わが国の原子力発電が政府の強力なサポートで進められて来たことや、その推進役の経済産業省のもとに規制役の原子力安全・保安院があって、独占の弊害を生んでいることが挙げられている。これは、人災因子発生の背景を鋭く突いた意見である。私は、こうした背景の根源には、政治資金を通じての産業界と政治の癒着があると見る。

 ところで、外部電力による冷却も進まない中で、放射性物質の拡散、作業員の被曝などが続く現状では、即刻、チェルノブイリのようにコンクリートで覆う決断をすべきであると、私は思うのだが…。

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