ノーベル賞作家・大江健三郎は、『図書』誌に毎号1ページのエッセイを「親密な手紙」欄に掲載している。今月のそのエッセイの表題は「ナンボナンデモ」という題である。
大江氏は小学校時代に、祖母が原爆の被害を受けた友人を病院へ見舞いに行き、広島に建物が何もなくなっていた光景を見て来て「ナンボナンデモ」と言う言葉を発したという作文を書いた。そして彼は、女の先生から、地方新聞に知っている人がいるので、載せて貰えるかも知れないが、方言のところを直さないといけないといわれた。
しかし、彼は、祖母の嘆きの言葉「ナンボナンデモ」はそのままにしたいといって、先生に却下されてしまったそうだ。そして、東日本大震災と福島原発の事故の影響を見て、久しぶりに、ナンボナンデモ!の言葉がわき上がり、特に政府と原発に対してこの言葉を発せずにはいられない、と記している。
最近、ドイツとスイスの政府が、それぞれ2022年と2034年までに、すべての原子力発電所を廃止することを決めた。これらの決定に影響を与えた福島原発事故の本国である日本こそ、早急に原発廃止の方針を打ち出すべきではないだろうか。
Random writings of a retired physicist
Continuation of "Ted's Coffeehouse" (now being restored in archives of this site)
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2011年6月3日金曜日
文豪の少年時代の作文 (The Great Writer's Essay in His Childhood)
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