2005年2月23日水曜日

間に合わせものではダメだ

高校時代の交換日記から。

(Sam)

1952 年 2 月 27 日(水)曇り

 「日本経済の自立と外国貿易」か。商業の問題とよく似ているぞ。
 いつも右より左の方が悪い。体操の話ではない。解析の試験だ。一度でもよいから、5, 5 というのを取ってみたい。答案用紙に赤インクで示されている数字は通知簿につけられる評価とほぼ一致するのだから、こんなのを見ると案じられる。

1952 年 2 月 28 日(木)曇り

 ブランク時には、ハンドボール用のボールで、敵味方各二人ずつに別れてバスケットボールをした。くたくたになって、すぐ止める。バスケットにはバスケットのボールがよい。間に合わせものではダメだ。
 The Mainichi に載っているクロスワード・パズルをしてみる。三つまでやっとしただけで止めた。

1952 年 2 月 29 日(金)晴れ

 アセンブリーはなし! 絶好だと思ったがいけない。平常の行いが悪いから、きょう行くのは気がひける。
[1]
 手紙、カレンダー、時間割表など、何でもござれだ。一回十円均一というので、バイトでもしようかな。こうなれば利用価値きわめて大である。[2]

(Ted)

 NS 先生の生物の時間、下校時に AS 先生から質問されるとは予期できるはずもないから、98 + (2 + 5)/(1 + 6) + 7/(3 + 4) + 0 などという式を作っていた。[3] しかし、校門を出たとき AS 先生に声をかけられ、帰路を一緒に歩みながら、「NS 先生の授業は遺伝へ入ったか」と尋ねられ、「いま、まだ Spemann [4] の実験です」と答えることができた。

 引用時の注
  1. 私のところへ来ることをためらったのだろうか。この日か次の日に、日記帳が交換されている。
  2. 取得したタイプライティングの技能のこと。
  3. 0 から 9 までの数字のすべてを一通りと各種演算を使って、与えられた数(この場合 100)を作るというクイズに挑んでいたのだろう。
  4. ハンス・シュペーマン(Hans Spemann, 1869–1941)はドイツの発生学者。動物の胚において二次胚を誘導する領域、形成体(オーガナイザー)、を発見したことにより、1935 年にノーベル生理学・医学賞を受賞。

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