2005年2月25日金曜日

屋根瓦と木々

高校時代の交換日記から。

(Sam)

1952 年 3 月 2 日()晴れ

 子どもたちを連れて大和へ、お内裏様や、左大臣、右大臣、三人官女、五人ばやしなどを見に行く。プレイランドで「オンマさん」に乗ったり、幻灯を見たり、かなり遊んでから、エレベーターで地階まで降り、また、四階まで昇ったり、二人がはぐれてしまったり、大和内をあちこち飛び回った。屋根瓦と木々が視野の大部分を占める眺望の得られるところへは、工事中で行けなかった。
[1]
 チューインガムを買って皆で食べ、長町小学校の校庭で鬼ごっこをして遊んでから帰った。
 きょうの「日曜娯楽版」は、とても面白かった。


 欄外注記 
 (Ted) 小学生の日記みたいだ。愉快、愉快。
 (Sam) ぼくの精神年齢が低いんだろうかね。


(Sam)

1952 年 3 月 3 日(月)晴れ

 ホームルームは自治会。「今年度の反省」には誰も何の発言もしなかったから、「ホーム PTA 費用の残額の処分について」と「今後のホームは何をしたらよいか」の二つを一括上程して、意見を求めた。さして意見も出なくて、アドバイザーの発言と、ぼくの「こうしたらよいのではないかと思いますが、どうでしょうか」だけで、ほとんど決めていった。といっても、大したことを決めたのではなく、あと二回のホームはレクリエーションをすることにし、その賞品として残金八百円余を処分しようとするものである。レクリエーションの企画小委員会を作る。人選は委員長に一任ということにして、閉会。
 明日は Grammar & Composition のテストがあるのだが、「三つの歌・家族版」が愉快で、手をつけられない。


 引用時の注
  1. 当時、大和デパート屋上からの金沢の町の眺めは、森の都の名にふさわしく、多くの木々とその間に並ぶ、この地方独特のうわぐすりで黒く光る屋根瓦が特徴的だったが、最近はビルがたくさん建ち、他の都会とあまり変わらない眺めになってきている。

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