2009年12月30日水曜日

ライン河、マイン河の船旅(32) (Cruise on the Rhine and Main 32)

ローレライ付近を走る列車とトンネル。

 旅の9日目、11月25日のライン河古城渓谷クルーズ。船で配布された絵地図では、上の写真のような、列車の通るトンネルのある岩のところにローレライと書いてある。そこで、その辺りの岩の写真を撮ったりもしたが、実はローレライはもっと先であった。上の写真を撮ってから約15分後に、ようやく河岸に "Roreley" の標識が見えて来た(下の写真)。

"Roreley" の標識が見え始める。

 ここはライン河流域の町ザンクト・ゴアルスハウゼン近くになり、ローレライとは水面から130mほど突き出た岩山のことである(下の1枚目の写真)。この岩山はスイスと北海をつなぐこの河川で一番狭いところにある。この辺りは、流れが速く、水面下に多くの岩も潜んでいるため、かつては多くの舟がここで事故を起こした。現在は幾度にも渡る工事によって大型船が航行できるまでに川幅が広げられており、過去の危険を思わせるような景観ではなくなっている。

 ここが航行の難所だったことから、金色の櫛を持って岩にたたずむ美しい乙女に船頭が魅せられ、船が河の渦の中に飲み込まれてしまうという伝説が生まれた。ハインリッヒ・ハイネの "Ich weiss nicht was soll es bedeuten ..."(近藤朔風の訳によれば「なじかは知らねど…」)で始まる「ローレライ」は、いまでもドイツ語の詩の中で最も有名なものの一つである(前節からここまで、[1] を参考にした)。"Roreley" の標識から少し下流の河岸に、伝説の乙女を表したローレライ像がある(下の2枚目の写真)。

ローレライ。

ローレライ像。

文献

  1. 「ローレライ」, ウィキペディア日本語版 [2009年11月8日 (日) 22:22].

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