2009年12月31日木曜日

ライン河、マイン河の船旅(32) (Cruise on the Rhine and Main 32)

ネコ城。

 旅の9日目、11月25日のライン河古城渓谷クルーズ。ローレライを通過して間もなく、右岸の丘の上にネコ城(Burg Katz、上の写真)が見える。

 この城は現在、日本人が持ち主で、一般公開されておらず、プライベートな高級ホテルとしてオーナーの知人等が宿泊出来るという。ネコ城の名の由来としては、この城を建てた人物が猫のような顔をしていたという説、城の一部がネコに似ていたという説、城を建てたカッツェンエルンボーゲンのヴィルヘルム2世伯爵(カッツはドイツ語でネコの意)の名前にちなんでいるという説があるそうだ [1]。ところで、現在の城の大部分の姿も、左斜めを向いている面を前面とすれば、それは、両端の塔の三角屋根が耳、窓が目、鼻、口になっている頭部をなし、後部の太い円筒形の塔が驚いたり威嚇したりするときの太くなって立ち上がった尻尾になっているネコに見えるではないか。これは後世になって、名前にちなんだ改築をしたためだろうか。

ザンクト・ゴアールの街。

ラインフェルス城。

 船がネコ城の正面を通る頃には反対側の左岸にザンクト・ゴアールの街(Sankt Goar、上の1枚目の写真)、次いでその背後の丘に立つラインフェルス城(Burg Reinfels、上の2枚目の写真)が見えて来る。この城はライン河を見下ろす最大の城で、1245年にカッツェンエルンボーゲンのディーター5世によって建てられ、1797年にフランス革命軍によって部分的に破壊された。現在は、ホテル、ウェルネスセンター、レストラン、博物館として利用されている [2]。

ネズミ城。

 撮影の手を休めることほんのわずかで、今度は右岸、ヴェルミッヒ (Wellmich) の村の上にネズミ城(Burg Maus、上の写真)が現れる。この城の建設はトリアー大司教・先帝侯ボエムント2世 (Erzbischof Boemund II. von Trier) が1356年に開始し、後継の先帝侯たちによって30年間続けられた。ネズミ城という名は、30年に及ぶこの城の建設期間中、ネコ城のカッツェンエルンボーゲンの伯爵たちがネコに食われるネズミとあざ笑ったことに由来するといわれている [3]。

文献

  1. 「ネコ城」, ウィキペディア日本語版 [2009年4月29日 (水) 04:59].

  2. "Burg Rheinfels," Wikipedia, the free encyclopedia (3 April 2009 at 10:51).

  3. "Burg Maus," Wikipedia, the free encyclopedia (22 December 2009 at 04:34).

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