さる7月29日、真保裕一の書き下ろし原作 [1]、西谷弘監督によるサスペンス映画『アマルフィ:女神の報酬』[2] を見た。「全編世界遺産、全編イタリアロケ」の広告文が、見たいと思わせたのである。
イタリアでのG8外務大臣会合を前に、テロ予告を受け、外交官・黒田(織田裕二)がローマに到着する。その直後、日本人少女の誘拐事件が発生し、事件の通訳を担当することになった黒田は、事件に巻き込まれて行く…。
背景には政府高官が海外援助に失敗した結果を隠蔽するため、失敗に抗議する現地人たちを抹殺する事件をも起こし、すべてを闇に葬ってきていた、という重厚な筋書きもあり、ロケシーンの見応えと相まって、十分楽しめる作品であった。
本人役として登場するソプラノ・ディーヴァ、サラ・ブライトマン (Sarah Brightman) の歌 ("Time to Say Goodbye") は、聞いたことがあるような気がしたが、彼女は北京オリンピックの開会式で歌っていたのである。
"Time to Say Goodbye" は、この英語題名からは別れの歌のように思われるが、原題の「コン・テ・パルティロ (Con Te Partirò)」はイタリア語で「君とともに旅立とう」という意味で、旅立ちの歌であり、結婚式で歌われることも多いという [3]。
ちなみに、アマルフィ (Amalfi) とは、イタリア共和国カンパニア州のコムーネ(都市)で、人口5,421人。ソレント半島の南東、サレルノ湾に面するアマルフィ海岸の中心地であり、観光の拠点。周囲を断崖絶壁の海岸に囲まれ、小湾の奥に位置する小規模な浜に作られた港から、断崖上に向かって形成されている街である。アマルフィ海岸は、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている [4]。
映画のチラシには、ギリシア神話の英雄ヘラクレスは愛する妖精の死を悲しみ、彼女を永遠のものとするために、世界で最も美しい場所に亡がらを埋めて、アマルフィの町を作ったとの伝説が記されている。ウェブサイト [5] にも同じ伝説が簡潔に延べられているが、そのあとに、事実は紀元前5世紀にローマ人たちがこの町を作ったということである、と書いてある([6] も参照されたい)。
文献
- 真保 裕一, アマルフィ (扶桑社, 2009).
- アマルフィ 女神の報酬 公式サイト.
- コン・テ・パルティロ, ウィキペディア日本語版 [2009年7月8日 (水) 17:16].
- アマルフィ, ウィキペディア日本語版 [2009年7月13日 (月) 23:54].
- Top Sights in Sorrento and the Amalfi Coast, Travels with Friends.
- Amalfi Coast, Unesco World Heritage Sites in Italy.
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