2005年8月3日水曜日

サルスベリ(写真)/ 日本はそうなってよいのだろうか:自民党の改憲案


サルスベリ

 写真はサルスベリ。堺市内の小公園で、2005年8月1日撮影。

日本はそうなってよいのだろうか:自民党の改憲案

 自民党の新憲法起草委員会が8月1日、新憲法草案の条文を公表した。それによれば、現行憲法で「戦争の放棄」となっている第2章は「安全保障」と名を変え、その中身も自衛軍の保持を主体としたものになっている。そして、自衛軍は、「国際社会の平和及び安全の確保のために国際的に強調して行われる活動…を行うことができる」としている。これでは、アメリカのイラク攻撃のような正当性のない戦争にも、自衛軍がかりだされることになる。皆さんはそういう戦争に喜んで行くだろうか。皆さんの子どもたちをそういう戦争に喜んで送り出すだろうか。

 この改憲案は、わが国の誇りであり世界が手本にしようとしている([1-3] 参照)現行憲法の第9条を、大幅に後退させ、わが国を人間同士の殺し合いを辞さない野蛮な国におとしめるものである。日本は、そういう国になってよいのだろうか。2日付け朝日新聞の改憲案に対する解説記事でさえ、愚かにも「穏健」という見出し文字を使っているが、国民はだまされてはいけない。改憲案はあくまでも、日本を戦争をする国に仕向けようとしているのである。

文 献

  1. "Article 9 Society": C. Overby の主導によって1991年、アメリカのオハイオ州に創設された、すべての国の憲法に、日本国憲法の9条に盛られた諸原則を採択させるという長期的目標の達成を目指す組織。

  2. "The Hague Appeal for Peace Conference"(NGO主催による「ハーグ平和アピール会議」1999年5月11日~15日)は、"Ten Fundamental Principles for a Just World Order"(「公正な世界秩序のための10の基本原則」)の第1に "Every Parliament should adopt a resolution prohibiting their government from going to war, like the Japanese article number nine."(「各国議会は、日本国憲法第9条のような、政府が戦争をすることを禁止する決議を採択すべきである」)を挙げている。

  3. "Final Report from the Millennium Forum Peace, Security and Disarmament Thematic Group, June 12, 2000"(「NGO ミレニアム・フォーラム平和、安全保障及び軍縮テーマグループ最終報告書、2000年6月12日」)中に "topics and suggestions, other than those contained in the Forum Declaration itself or already described here, that were most frequently raised"(「最も頻繁にとり上げられた議題及び提案」)の一つとして、"a proposal for all countries to adopt in their own constitutions the war-renouncing principles expressed in Article 9 of the Japanese constitution"(「すべての国が、日本国憲法第9条に表現されている戦争放棄の原則を時刻の憲法において採択する」)を記している。(2011年12月29日の注:このリンクは、現在切れている。)

[以下、最初の掲載サイトでのコメント欄から転記]

Y 08/03/2005 16:54
 確かに、冷静に判断を試みても、改憲案が日本を「安全保障」「安全の確保」という表現を用いて、自衛軍が諸外国に出向く可能性を前向きなほどに認めているようにうけとれますね。「戦争の放棄」が「安全保障」と名をかえるのはあまりに残念ですね。過去に極端な戦争一色に突っ走った国が、「戦争の放棄」という徹底した態度を貫きづづけることに転じてこそ、平和とは何かの根源を感じさせる憲法になるのに、と思います。

Ted 08/03/2005 20:42
 このような改憲には大いに反対の声を上げましょう。

片桐 08/03/2005 21:01
 私も朝日新聞で読みました。集団的自衛権まで認められるんですよね(条文にはないけれど)。戦争に参加できるようになる憲法案ですね。反対!

Ted 08/03/2005 22:04
 「集団的自衛権」については、2日付け朝日新聞1面記事が、『起草委の舛添要一事務局長は1日、「自衛には個別も集団も含まれる。その議論は終った」と述べ、憲法解釈で行使も認められるとの立場を明確にした』と報じています。第6章司法には「軍事裁判所の設置」も入れており、まさに、軍事国家を目指しています。

ゆっぴー☆ 08/04/2005 08:12
なんか、なしくずしにどんどん勝手に決められて腹が立ちますよね。ゆっぴーは、ムッキー! やっぱりマスコミは、権力側のための広告機関なんでしょうかね? 英語版で9条についてちょっと書いてみますね。本当は改憲論争を詳しく英文で説明したいんですけど、スラスラ書ける内容じゃないので、ゆっぴーには無理っぽいです。ウー、もっと英語ができればなぁ…。

Ted 08/04/2005 08:21
 まだ、自民党内の草案ということで、決まったわけではありません。ゆっぴー☆さんは、気性から考えて、外国暮らしの長い、英語もぺらぺらの方かと思っていました。Ha-ha! 英語版ブログでの9条論、読みに行きますよ。

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