2005年7月31日日曜日

セミとり




 今年はセミが多いように思われる。この辺りにいるのはもっぱら「シャー、シャー、シャー」とやかましく鳴くクマゼミだ。私が幼いころに住んだ石川県七尾市では、アブラゼミについで、ニイニイゼミやミンミンゼミも多くいたようだが、クマゼミは知らなかった。最近はどうなっているだろうか。小学校3年生で移り住んだ大連にいたのは、ミンミンゼミばかりだった。近所にいた同級生のワコウ君が、夏(あるいは夏休み)を待ち焦がれ、鼻を指でつまんで「ミーン、ミーン」とやっていたことがあったっけ。――先日こんなことを考えながら、ウォーキングの目的地、鈴の宮公園で、セミ取りならぬセミ撮りをした。帰宅して数えてみると14枚も撮っていた。そのうちの3枚をここに紹介する。1枚目の写真に、皆さんは何匹のセミをみつけるだろうか。――

 小学校1年生のある日、学校でミナミ君という級友と、午後セミ取りに行こうと約束した。ミナミ君とは、その後それほど親しくしなかったと思うが、彼の名前とその日のことをよく覚えている。その日、母は留守で、私が一人で昼食をしていると、ミナミ君がもう誘いに来た。その頃、身体の弱かった私は、食事をするのに時間がかかった。まだ、茶わんに1/3ほど飯が残っていたので、部屋へ上がり込んで来たミナミ君を待たせては悪いと思い、おひつのふたを開け、「もう少し食べるから、待っててくれ」と、逆のことをいって、残りをおひつへ戻した。そして、ほんのしばらく食べる真似をしてから、さあ、行こう、と小丸山公園へ出かけたのだった。すでに近眼になりかけていた私には、セミをみつけることが難しく、収穫をあげたのは、もっぱらミナミ君だっただろう。木立の間を嬉しそうに動き回る彼の姿が、いまも目に浮かぶ。――セミ撮りをしたのは、幼い日の不首尾だったセミ取りの代償である。――

 [以下、最初の掲載サイトでのコメント欄から転記]

かわせみ 07/31/2005 10:37
6匹ですね、1匹は非常に見つけにくいですが。
このあたりも、ミンミンゼミが多く、今日も朝から大合唱ですよ。

Ted 07/31/2005 15:23
 背を向けているのが見つけにくいですかね。
 東京方面はミンミンが多いですか。

かわせみ 07/31/2005 17:42
 多いですね、アブラゼミよりも多いですよ。夕方になるとヒグラシが鳴き始めて、涼しさを感じますがね。

Ted 07/31/2005 19:54
 ヒグラシも鳴くとは、いいですね。東京都でも都心から遠い方ですか。

かわせみ 07/31/2005 20:11
 遠いといえば遠いですかね。東京では普通の距離ですが。東京から電車で1時間ですから。一応東京都なんですが自然は豊富です。未だにホタルを見ることができる所もありますし、また湧き水が多くて小川がとてもきれいなんですよ。きれいな水草がゆらゆらとして、ザリガニもいて、今日も紺色できれいなオイカワがたくさんいました。

Ted 07/31/2005 20:19
 私のところは大阪から電車で1時間足らずで、近くに田畑はありますが、きれいな小川はなく、うらやましいです。

ヨハン 07/31/2005 19:59
 幼い頃の色々な思い出の中でもセミの声は音楽同様、かなり記憶に影響するものがあります。私の場合、神奈川出身のためニイニイゼミが夏休みの始まりで、アブラゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミ、と続き、楽しい夏休みの終わりを告げるのがツクツクホウシでした。クマゼミは昔付き合った女性の故郷で初めて聞き、今でもほろ苦い思い出のサウンドになっています。一週間の命と言われるセミは実は幼虫時代を含めれば一番長生きな昆虫だと言うギャップも含め、私にとっては魅力的な虫です。7年後の環境が悪化していないことを祈りつつセミと接する今日この頃?です。

Ted 07/31/2005 20:14
 クマゼミの鳴き声が「今でもほろ苦い思い出のサウンド」など、よい(?)お話をありがとうございます。セミの声が音楽同様に記憶に影響する、とは、まったくその通りだと思います。

テディ 07/31/2005 23:04
 大阪で現在クマゼミが大多数を占めているのはヒートアイランドの影響であることは間違いありません。生駒などの山手のほうでないと今やアブラゼミの声はかなり少ないです。かつては大阪のセミはアブラゼミの方が多数派だったのですが…。山の中腹に到ってやっとヒグラシの声が聞けると言うのが今の大阪のセミ事情ですね。ツクツクボウシにいたっては大阪でここしばらく聞いた記憶が私にはないのですが、実際はどうなのでしょう?

Ted 08/01/2005 07:59
 ヒートアイランド現象恐るべし、ですね。私もツクツクボウシを大阪で聞いた記憶はありません。

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