2005年1月15日土曜日

虚言の動機

 1 月 12 日付け朝日新聞は、NHK が 2001 年 1 月に放送した ETV シリーズ「戦争をどう裁くか」の第 2 回「裁かれた戦時性暴力」の内容が放送直前に大幅に変更されていた問題を報じた。番組放送前日の同年 1 月 29 日、自民党の 2 人の国会議員が放送総局長ら NHK 幹部を議員会館などに呼び出し、内容の変更や放送中止さえも求める発言をしたというものである。

 この問題について、番組のチーフ・プロデューサーは、内部告発への窓口にもなる NHK のコンプライアンス(法令順守)推進委員会に「政治介入を許した」と調査を求めており、1 月 13 日には記者会見を行い、知りえた事実を証言している。他方、自民党の 2 人の政治家は 12 日、当時 NHK 関係者に説明を求め、自分の考えを伝えていたことを認めたと報道されたが、その後の発言はこれとは異なっている。

 身の不利を承知の上で正義を重んじることを選んだチーフ・プロデューサーの発言と、身の潔白に関わる事態での政治家の発言の、どちらが虚言であるか。動機を考えれば、明らかではないだろうか。1 月 14 日、NHK は事実に反する報道をしたとして、朝日新聞社に謝罪要求を出したが、同社はこれを受け入れていない。

 後日の追記:この問題について、1 月 25 日、日本科学者会議の片平洌彦・事務局長は、「日本国憲法と放送法に厳格に基づく公共放送の確立を強く求める」談話を発表した。

コメント(最初の掲載サイトから若干編集して転載)

テディ 01/15/2005 13:12
 あの二人の政治家、当初の発言が自分の信念であるならなんらそれを変えることなく貫き通したらいいのですよ。それを修正するというのは有権者に対する「ソフトなイメージ」を気にしてのことは明白ですね。しかし、最初に出てきた「自由な言論に対する弾圧者」が真の彼らの「顔」であることは間違いない!

Ted 01/15/2005 13:47
 同感です。

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